隣地との関係
隣地との関係で心掛けたいこと
おとなりとのトラブルを起こさないために
家を建てる場合、建築基準法をはじめ、その他の法令の規定を守ることは当然ですが、それだけでは、必ずしも解決できない問題があります。
特に市街地の場合には、自分の土地だからといって、好き勝手にできるというものではなく、隣や周囲の人々に迷惑をかけない程度に利用することが必要でしょう。そのためにも住宅の敷地はある程度の広さが必要となります。
家を建てるときには、自分の計画を隣近所に十分説明し、話し合うとともに、次のようなことに注意をはらいたいものです。
おとなりとのトラブルは大きなストレスになります
1.隣の日当たりなども考えて
日当たりを確保することは、住宅を建てるときの大切な要素です。自分の家に日が当たってほしいと同じように隣の家の日当たりをできるだけ妨害しないようにしたいものです。
また、隣の住宅に接して建物を建てることは、日当たりの問題だけでなく。風通しを悪くすることにもなり、さらにお互いのプライバシーの問題にもなりますので、よく検討してください。
2.屋根雪の落下にも配慮を
雪国であるかぎり、屋根からの落雪や雪処理を無視することはできません。このため、雪止めの施工、屋根勾配や軒先の位置などの配慮が必要です。
3.隣地との関係は民法で定められている
相隣関係でトラブルが起こった場合、建築行政を担当しているところへよく相談がもち込まれますが、これは、一般に市役所などの行政側で取扱えない問題であり、お互いの話し合いによるか、または、裁判などにより解決しなければならない問題です。
例をあげますと、民法では次のようなものがありますので、ぜひ知っておいてください。
- 土地の所有者は、建物を建てたり、修繕をしたりする場合に必要な範囲内において、一時的に隣地の使用を請求できます。ただし、相手の了解を得る必要があります。(第209条)
- 建物を建てる場合には、隣地境界線から50センチメートル以上離さなければなりません。しかし、これと異なる慣習があればこれに従うこととされています。(第234条)
- 隣地境界線より1メートル未満のところに他人の宅地を見渡せる窓や縁側を設ける場合は、目隠しをしなければなりません。(第235条)
- 土地の所有者は、雨水が直接隣地へ流れるような屋根その他の工作物を設けてはいけないことになっています。(第218条)
- 土地の所有者は、隣地の所有者と共同で境界明示杭、塀を設けることができるとされています。(第223条、第225条)
以上、市役所などで取扱う建築基準法その他の行政法規とは別の民法上の問題を例示してみましたが、これら民法で定められた事項は、相手方との話し合いにより了解が得られれば、規定と異なることもできますので、建物を新築、増築、改築するとき、または隣との境に塀をつくるときなどは隣地所有者とよく話し合って決めることが大切です。
更新日:2024年03月25日