Vol.52 利上げと高岡移住―「新旧共栄」のまちに

更新日:2026年10月16日

ページID : 14405

日本銀行が9月18日、政策金利を引き上げました。円安に歯止めをかけるための決断だと理解していますが、正直なところ、複雑な思いもあります。

 

住宅ローンを組んでいる人の8割は変動型を選んでいると言われます。今回の利上げで、その金利がまた上がります。月々の返済額が増える。家計にとっては小さくない負担です。これは高岡に住む私たちにとっても、決して他人事ではありません。

 

ただし、その負担の重みは、住む場所によって大きく違います。とりわけ深刻なのは東京です。そもそも、住宅の価格そのものが尋常ではありません。首都圏のマンション価格は平均で1億6000万円を超えています。

 

2004年には4000万円ほどでしたから、20年余りで4倍になった計算です。給与の伸びがこれに追いついていません。

 

金利が上がれば上がるほど、この巨大な価格の上に重い利息がのしかかる。同じ利上げでも、東京で受ける打撃は桁違いなのです。

 

東京で家を持ち、子どもを産み育てる——そんな当たり前のことが、かなり困難になりつつあるのではないか。私はそう感じています。

こうした状況だからこそ、私は高岡市長として、あえて申し上げたいのです。今は、高岡への移住を考えていただく好機なのです。

 

高岡には、東京のような住宅価格の重圧はありません。金利の動き自体は全国共通でも、そもそもの元本が違いますから、利上げの痛みの度合いがまったく異なります。住居費の負担を抑えながら、子育てにかかる費用も含めて暮らしを組み立てることができます。

 

そして私が市政で掲げている「新旧共栄」という構想も、実は移住を考える方にとって大きな魅力になると思っています。高岡駅の北側には、古城公園や赤レンガ建物を拠点とした土蔵づくりの町並み、千本格子の家並みなど、歴史と文化が息づいています。

一方、新高岡駅の周辺は、新幹線でのアクセスのよさ、商業施設、スポーツ・医療の利便性を備えています。この「古さ」と「新しさ」、その両方をそれぞれ磨き上げ、歩いて楽しめるまちをつくる——それが新旧共栄です。

 

東京では、便利さを取れば家賃や物価の高さに押しつぶされ、ゆとりを求めれば通勤の負担が重くのしかかります。高岡であれば、自然景観や歴史文化に囲まれた空間でゆったり暮らしながら、新高岡エリアの利便性にも手が届く。「古きよさ」と「新しい便利さ」を両方諦めずに済む、そんな暮らし方ができるのです。

 

もちろん、移住は簡単な決断ではありません。仕事や人間関係、子どもの学校のことなど、乗り越えるべき壁はいくつもあります。だからこそ市としても、企業誘致や交通の利便性向上、教育環境の充実など、移住を後押しする土台づくりに、これからも新旧共栄の理念のもとで力を尽くしていきたいと考えています。

 

利上げのニュースを聞きながら、私は改めて思いました。「どこで、どう暮らすか」を選び直せる社会であってほしい、と。新旧共栄のまち・高岡が、その選択肢の一つになれるよう、これからも市政に取り組んでまいります。