令和6年高岡市議会3月定例会

更新日:2024年03月25日

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  • 第1 市政の運営にあたって
    1. はじめに
    2. 市政運営の基本姿勢について
    3. 直面する重要課題
  • 第2 令和6年度予算の概要
    1. 令和6年度予算編成の基本方針
    2. 歳出予算及び施策の概要
      • 【地域産業】
        1. ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している
        2. 水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある
      • 【歴史・文化】
        1. 世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている
        2. 暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている
      • 【交流・観光】
        1. 高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている
        2. 生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている
        3. 交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている
      • 【子育て・教育】
        1. 安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる
        2. 教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている
        3. いくつになっても興味のあることを気軽に学べている
        4. いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる
      • 【安全・安心】
        1. 誰もが生き生きと自立して暮らしている
        2. 健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる
        3. 地域の人々の手で環境が守られている
        4. 安全で快適な生活を送っている
        5. その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている
        6. 市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる
    3. 歳入予算の概要
    4. 組織体制
  • 第3 条例その他

第1 市政の運営にあたって

1 はじめに

令和6年3月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
はじめに、元日に発生した令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、本市においても観測史上初となる震度5強を観測しました。北部エリアを中心に大規模な液状化現象の影響などにより、住家をはじめ、道路・上下水道等、日常生活の当たり前を支える土台となる公共インフラ等に甚大な被害が及びました。午後4時30分に災害対策本部を立ち上げ、避難された皆様が少しでも落ち着けるよう、空調設備を利用できる学校校舎の開放や、毛布をはじめとする災害用備蓄物資の手配を急ぐなど、余震が続く中、不安を抱えながら過ごされる方々の環境を少しでも整えることを最優先に、避難所を運営してきました。1月26日には避難所での生活を余儀なくされていたすべての方が、それぞれ生活拠点を確保されたことを受け、全避難所の閉鎖に至りました。また、一部地区において発生した断水に対しては、応急給水所や仮設トイレを運用しながら、市民の命と生活を守る対応を全力で進め、1月5日には市内全域で断水を解消することができました。普段から緊急時を想定した復旧訓練等を重ね、昼夜を問わない懸命の作業に取り組んでいただいた事業者の方々や、給水支援のため、距離や時期を厭わず全国各地から応援に駆けつけていただいた自治体の方々など、速やかな上下水道の復旧に向け、お力添えをいただいたすべての皆様に改めて感謝申し上げます。
本市では、2月1日に災害対策本部を「被災者支援・復旧対策本部」に改組し、震災への応急対応から、本格的な復旧に取り組む段階へ移行しました。国・県の被災者生活再建支援制度と連携を取りながら、本市の状況を踏まえた独自の支援制度を設けるとともに、住家被害の判定に応じた支援制度をとりまとめた上で個別にお知らせし、説明会を開催するなど、被災された方のもとに支援がしっかりと届くよう、全庁を挙げて取り組んでいます。
この間、復旧に向けた取組に対し、議会の皆様をはじめ、企業、団体、自治体、日本全国の皆様から多大なるご支援・ご協力をいただいています。この場をお借りしてすべての関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
大規模な液状化現象で被害を受けた住家等の復旧について、専門家からは長期的な取組が見込まれるという見解もありますが、私たちが目指すのは一日も早い復旧です。全国の皆様からの応援の声や支援を励みに、市民の皆様とともに迅速な復旧を進めていきます。
また、今回の地震では、災害の恐ろしさを目の当たりにし、災害はいつでも起こり得るものだという危機感を全ての市民が共有することとなりました。今一度、市民一人ひとりがご自身と大切な方の命や生活を守るため、災害への備えについて真剣に見つめ直す機会と捉えていただき、それぞれの防災に対する意識をしっかりと持っていただくことを切にお願いいたします。

2 市政運営の基本姿勢について

私は、市長就任以来、まちづくりの長期的なビジョンである「持続可能な未来都市 高岡」の実現に向けて、挑戦をキーワードにしたまちづくりを市民の皆様とともに推し進めてまいりました。そして、コロナ禍や今もなお続く著しい物価高騰など、困難な状況にあっても、市民、企業、地域のそれぞれが課題に立ち向かおうとする気概を持って挑戦していく流れが着実に生まれ、加速しているという手ごたえを感じています。
そうした中で、発生した今回の地震。日々を過ごしていくための根幹となる“当たり前”が大きく揺るがされました。そんな今だからこそ、改めて市民全員の総力を結集し、今を生きる私たちが“当たり前”を確保するための投資や活動、或いは新たな挑戦によって、この難局を乗り越え、未来につながる「循環」を生み出し、その先にこそ、私たちが責任を持って、次の世代に繋いでいかなければならない「持続可能な未来都市 高岡」の姿が必ずあります。
北陸新幹線金沢-敦賀間の開業、カーボンニュートラルの取組の本格始動に加え、城端線・氷見線の鉄道事業再構築実施計画の認定等、大きな転換点となる新年度は、これまでの困難な状況を乗り越え、挑戦し続けてきた経験を活かし、市民、企業、地域の一つひとつの挑戦をつなぎ、地域の活力と付加価値を創出する「循環」を一つでも多く生み出し、未来への力強い歩みを市民の皆様とともに一歩ずつ確実に進めてまいります。
また、私がこれまでも市民の皆様と共有してきた決して揺るがない信念の一つに「こどもは地域の宝」があります。こどもたちの笑顔は私たちの光であり、日々成長していくこどもの姿は私たちの希望です。新年度予算案は、こどもを産み育てやすいまちとして、今を生きるこどもたちのみならず、次の世代、そしてその次の世代のこどもたちが夢や希望を持てるまちへと更に進化させることができるよう、こどもをまんなかに据えた横断的な施策の展開を軸とし編成しました。こどもを第一に考え、こどもの成長を支える方々を後押しし、すべての市民がこどもを応援し、こどもの笑顔がまち全体に溢れるよう、切れ目のないこども・子育て支援施策を、性別や障がいの有無、生まれ育つ環境等に関わらず、分野を超えて展開するとともに、こども目線に立った施策・事業の改善を常に図ってまいります。

3 直面する重要課題

次に、直面する市政の重要課題について申し上げます。まず、先ほど申し上げた一日も早い災害復旧について、全市を挙げ、最優先で取り組んでまいります。あわせて、人口減少が進行する中、多様化する課題に対応していくため、「ひとの力」を活かす施策の展開を更に加速させる総合計画アフターコロナ編をスタートさせました。誰もが充実した生活を送ることができるまちを創り上げ、次世代に繋いでいくことが今を生きる私たちの使命であると考えています。市民、企業、地域それぞれが未来に向かって挑戦し続けていく循環、更には、それぞれの挑戦により、次の高岡を担っていく新たな人が育つ循環の構築を目指し、市民とともに高岡の未来をつなぐ挑戦を展開してまいります。
また、高岡には、市民一人ひとりをより身近で支えることができる地域の力があります。今回の地震発生の際、地域の方々による安否確認や避難の呼びかけ、避難所における率先した運営協力、また、全国からのボランティアの方との協働による被災箇所の復旧作業への取組など、共に支え、助け合うことができる地域の絆を多くの方が改めて実感されたと思います。地域の主体的な取組は、まち全体を活性化させる大きなエネルギーとなり、高岡を前へ進めていくための推進力となります。一方、これまで連合自治会や地域の方とお話をさせていただく中で、地域活動の担い手確保が大きな課題であるとのご意見を数多く頂戴しました。私たち市役所は、地域の自主性を最大限に尊重しながら、地域の課題解決に向けた支援を着実に行ってまいります。加えて、新年度より、地域コミュニティの核となる、地域交流センターが動き出します。地域のことを一番知っている地域の皆様が望むより良い「明日」、そして「未来」に向けて突き進めるよう、市役所は地域の主体的な活動を全力で支え、一つひとつの地域が輝く高岡型の地方創生を目指します。
新年度は、カーボンニュートラルの取組を本格的に稼働させていきます。日本のモデルとして、また、日本を牽引する地域として、脱炭素と資源循環を組み合わせ、環境と地域経済の好循環を生み出す仕組み「サーキュラーエコノミー」を進め、イノベーションの創出と地域経済を成長軌道へ乗せることができるよう取り組んでいきます。更には、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業、北陸デスティネーションキャンペーンの開催、交流を進めてきた海外都市を中心とする新たな販路開拓の機会等、新年度は、地域産業の競争力を高め、高岡のマーケットを拡大、強化させることができる大きな可能性を秘めています。企業や事業者による様々な挑戦、地域課題の解決につながる取組を応援することで、まちの活性化はもとより、市民一人ひとりの経済活動の拡大等にもつながる新たな循環を生み出してまいります。

第2 令和6年度予算の概要

それでは、令和6年度予算編成の基本方針、歳出予算及び施策の概要並びに歳入予算の概要について申し上げます。

1 令和6年度予算編成の基本方針

最初に、令和6年度予算編成の基本方針について申し上げます。
令和6年度予算につきましては、全市を挙げた一日も早い災害復旧に取り組むとともに、「持続可能な未来都市高岡」の実現に向けた次のステージを意識し、編成に取り組みました。
まず、人への投資・支援策の展開により、本市に関わるすべての人々の手で、こどもたちや新たな担い手を育成していく「ヒトの循環」を生み出す施策。
次に、カーボンニュートラルの推進をはじめ、資源・エネルギーの再生や、生産と消費、資金等をサイクルさせる「モノの循環」を生み出す施策。
そして、多様なステークホルダーの挑戦を全力で支え、一つの挑戦を起点に次なる挑戦が生まれ連鎖する「コトの循環」を生み出す施策。
これらの施策の展開にあたっては、地域の宝である、こどもをまんなかに据え、事業や取組を横断的に実施していく「未来につながる循環を生み出す予算」として令和6年度予算を編成したところです。
この基本方針のもとに編成した結果、令和6年度の予算規模は、
一般会計においては、    747億1,055万2千円
特別会計は、9会計の合計で 673億7,450万5千円
総計では、                     1,420億8,505万7千円となりました。
前年度と比較すると、一般会計では8.4パーセントの増加、特別会計を含めた総計では、4.0パーセントの増加となっており、過去最大となっております。

2 歳出予算及び施策の概要

続きまして、令和6年度主要施策の概要について、総合計画に掲げた「めざすまちの姿」に沿って、その主な内容をご説明申し上げます。

地域産業

(1)ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している
まず、『ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している』まちについて申し上げます。
「新たな事業活動の創出」につきましては、地域の新たな活力を創出し、付加価値を生み出す「循環」の形成をテーマに、「未来プロジェクト」として民間事業者から公募・選定した事業を、重点的に支援します。
また、地域や本市が抱える課題をビジネスの手法で解決していくため、スタートアップ支援施設「TASU」を拠点に、地域課題と企業等、企業課題と若者等をマッチングさせる事業に取り組みます。
「地域産業の競争力強化」につきましては、リサイクルまたはアップサイクルの新商品開発や海外への販路開拓を重点的に支援するほか、創業や事業承継など、市内事業者の多様な取組に対して支援します。
「産業基盤の整備・企業立地の推進」につきましては、企業の新規立地や既存工場の増設などの設備投資を促進するため、企業立地助成金の補助対象を拡充するなど、産業の成長や雇用機会の拡大に取り組みます。
「中小・小規模企業の経営基盤強化」につきましては、学生が短期間で複数企業を回るインターンシップを実施し、市内中小企業の魅力を体感してもらう機会を創出することにより、中小企業が直面する人材不足の解消に向け取り組みます。
「雇用・労働者福祉の充実」につきましては、東京一極集中の現状に対し、地域にも魅力ある仕事や企業があることを知ってもらうため、市内で働く若者・女性のキャリアイメージを伝える動画を制作・発信し、地元での就職を後押しします。
(2)水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある
次に、『水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある』まちについて申し上げます。
「農業の持続的発展」につきましては、コメの主食用以外の幅広い用途を検討するため、米粉やライスレジンなどの市場規模や販路、消費者のニーズ等の調査を行い、需要の掘り起こしにつなげます。
また、作付面積が前年比約1.7倍に拡大した小菊・アスターをはじめとする、稼げる作物への転作支援を拡充し、農業経営体の強化を図ります。
「農山村の振興」につきましては、移住・定住により新たな農業の担い手を確保していくため、移住者及び受け入れ側の双方のニーズ把握や意向調査を行い、重点的な支援策を検討していきます。
「林業の振興」につきましては、森林の間伐や植林事業を拡大するなど、山林の保全と効率的な維持管理に向けた取組を進めます。

歴史・文化

(3)世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている
次に、『世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている』まちについて申し上げます。
「文化財の保存・活用」につきましては、新たに瑞龍寺の耐震対策事業への支援を行うほか、勝興寺で行われる文化財保存活用事業を支援します。
また、国指定史跡である「高岡城跡」の歴史的・文化的価値を維持・向上させるための樹木剪定について、整備範囲を拡大し、事業を加速させてまいります。
(4)暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている
次に、『暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている』まちについて申し上げます。
「地域に根ざした創造的な芸術・文化活動の育成」につきましては、今後の文化振興施策について幅広く検討するため、市民意識の調査や文化施策に関する市民懇話会を開催します。
また、こどもが芸術文化に触れあう機会をより充実させるため、0歳児からのコンサートの開催や、山町筋で行われる「ひなフェス」の内容拡充に取り組みます。
さらに、市民による芸術文化活動の活性化を図るため、市内を拠点に活動するアーティストが企画・運営する公演を支援します。

交流・観光

(5)高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている
次に、『高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている』まちについて申し上げます。
「観光資源の発掘と保存・活用」については、万葉ゆかりの景勝地である雨晴海岸の魅力向上のため、雨晴駅でホーム併設の展望デッキの整備に向けた取組を進めるとともに、地元協力による駅周辺の環境美化に取り組みます。
また、観光消費を高めるため、お食事クーポン「高岡彩食」の半額キャンペーンや、宿泊割引クーポンの配布キャンペーンを実施し、市内への宿泊・飲食店への誘客を促進します。
「広域観光の推進」につきましては、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業に合わせ、北陸三県の自治体やJR、旅行業者らが連携して本年秋に開催する北陸デスティネーションキャンペーンにおいて、マイクロツーリズムの誘致、ツアー造成支援など、新幹線を活用した積極的な誘客促進活動を進めます。
「イメージアップ・誘致活動の強化」につきましては、観光ポータルサイト「たかおか道しるべ」のリニューアルを行い、魅力的な観光情報を発信し、稼ぐ観光の推進に繋げてまいります。
「国内・国外交流の推進」につきましては、移住に関する本市独自の支援金制度や、移住検討時のレンタカー費用の助成制度を新設するとともに、移住検討者と地元住民が交流する機会の創出や、地域おこし協力隊制度を活用した「移住コンシェルジュ」による、移住に向けたサポートを強化します。
また、フォートウェーン市との連携による高校生の相互派遣事業に加え、新たに小中学生や大学生においてもフォートウェーン市との英語交流プログラムを設け、各世代での英語交流を促進します。
「インバウンドの推進」につきましては、高岡の強みであるものづくり体験等の旅行商品化を支援するとともに、台湾向けに高岡市の魅力的な観光情報の発信を行い、海外からの観光誘客を促進します。
(6)生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている
次に、『生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている』まちについて申し上げます。
「商業・サービス業の振興」につきましては、中心市街地の遊休不動産の活用を促進するため、リノベーション事業者に対する改装費補助や空き店舗等の情報提供を行う仕組みを構築し、まちづくりの新たなプレイヤーを支援します。
また、遊休不動産の活用に向けた機運醸成を図るため、現地調査や物件所有者への意識啓発事業を年間を通し、継続的に行います。
「中心市街地活性化の推進」につきましては、御旅屋通りを中心に賑わいの核を生み出し、新規開業を促進するため、定期マーケットを引き続き毎月開催するとともに、中心市街地や被災を受けた観光地での空き店舗等を活用して新規開業する事業者への支援を拡充して取り組みます。
「住宅・宅地の整備」につきましては、まちなか区域及び居住誘導区域における住宅の新築、中古住宅の取得等に対する支援に取り組むとともに、新たに自治会が実施する危険空き家等への対策に対して支援します。
(7)交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている
次に、『交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている』まちについて申し上げます。
「高岡駅・新高岡駅の周辺整備」につきましては、本市が飛越能の玄関口としての役割をさらに果たせるよう、新高岡駅観光交流センターのリニューアルを行うとともに、新高岡駅に接続する高速バスの利便性向上に向けた取組を支援します。
「高速道路網・幹線道路網・地域公共交通体系の整備」につきましては、万葉線の利便性を高めるため、交通系ICカード「ICOCA」の導入支援や、地域おこし協力隊制度を活用した万葉線利用促進コーディネーターの任用を行います。
また、運転手不足が深刻化するなかにおいても、高岡型コミュニティ交通の確立を目指し、交通事業者における就労環境や経営改善の取組を支援するとともに、市民協働型地域交通システムの担い手の育成に地域と共に取り組み、公共交通の維持・充実を図ります。
さらに、福岡パーキングエリアのインターチェンジ化など、市民の日常生活や産業・経済活動の基盤となる幹線道路を整備します。

子育て・教育

(8)安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる
「教育・保育の一体的提供の推進とサービスの充実」につきましては、第1子の保育料や副食費の軽減を行うとともに、第3子以降の保育料の完全無償化に併せ、本市独自で副食費の軽減を行うことで、保護者の経済的負担をより軽減します。
また、市内私立園に保育士、幼稚園教諭等として就労した方への助成金制度を拡充し、人材確保への支援を強化します。
「新たな子育て情報提供システムの構築」につきましては、保育業務支援システム「Hoic」をすべての市立保育園、認定こども園に導入し、保護者の利便性の向上や保育士の業務負担軽減などにつなげます。
「安心して妊娠・出産・子育てができる体制の充実」につきましては、妊娠を希望される市民の皆様が妊活時から出産、育児までを切れ目なく支援するサポート体制を敷くことで、高岡市で安心してこどもを産み、育てることのできる環境を整えます。
女性の健康管理サービス「ルナルナ」と提携し、アプリ利用にかかる費用を無償化するとともに、不妊治療助成等を行うことで妊活支援を強化します。
また、妊娠のための健康管理と理想のライフプランを考えるきっかけづくりとして、夫婦それぞれの健康状態の無料健診や健康教育を実施します。
出産前後においては、産後家庭へのヘルパー派遣事業の対象拡充や、一時的に児童の養育が困難になった家庭に対するこどものショートステイ支援事業の実施により、親の身体的、精神的負担軽減や児童虐待の防止、ヤングケアラーの解消につなげます。
「地域の子育て力の応援」につきましては、民間学童保育の新規開設に対する補助の拡充をはじめ、“こどもの居場所”づくりに取り組む団体への助成制度の新設や、こどもの居場所連絡協議会の設立により、地域におけるこどもの安全安心な居場所づくりを推進します。
(9)教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている
次に、『教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている』まちについて申し上げます。
「地域に開かれた特色ある教育活動の充実」につきましては、公共交通を使って市内各所を巡るイベントの開催や、「こどもとおでかけきっぷ」の発行など、幼少期から公共交通の大切さや魅力を学ぶ機会を充実させます。
「教育効果を高める教育環境の充実」につきましては、学校再編の一環として、高陵中学校区小中一貫校の校舎増築、高岡西部中学校区小中一貫校の設計、伏木中学校区小中一貫校の設計など、整備事業を引き続き進めてまいります。
(10)いくつになっても興味のあることを気軽に学べている
次に、『いくつになっても興味のあることを気軽に学べている』まちについて申し上げます。
「未来を担う世代の育成と若者が主体となるまちづくりの推進」につきましては、幼年消防クラブやファイア・パーク事業を充実させ、こどもたちの防火・防災意識の啓発を行うとともに、上級生が下級生に防災機器の取扱いを教える事業を行うなど、社会性、リーダー性の醸成につなげます。
(11)いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる
次に、『いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる』まちについて申し上げます。
「生涯スポーツ活動の充実」につきましては、県内に拠点を置くプロスポーツチームによる、市内のこども達を対象としたスポーツイベントやスポーツ教室を複数の競技で開催します。
また、世界選手権やオリンピック等の日本代表選手を目指し研鑽に励むアスリートと、スポーツ及び芸術文化の全国規模の大会に参加する高校生の挑戦を支援します。
「スポーツ施設の充実と効率的な活用」につきましては、スポーツコア・リフレッシュ事業として、イベント広場への夜間照明の設置に続き、令和6年度は人工芝化を行い、人が集う施設となるよう魅力を高めてまいります。

安全・安心

(12)誰もが生き生きと自立して暮らしている
次に、『誰もが生き生きと自立して暮らしている』まちについて申し上げます。
「地域福祉の推進」につきましては、複雑化・複合化した福祉課題や悩みを解決するために、分野を超えて各機関が連携し、スピード感をもって支援できる体制を構築します。
「障がい者(児)福祉・自立支援対策の充実」につきましては、こどもの発達や障がいに関する相談、サービス等利用計画を作成する事業所を支援するとともに、医療的ケアを必要とする児童について、保育施設等での受入が可能となるよう、療育体制の強化を図ります。
生活困窮者の支援については、経済的課題を抱える世帯のこどもに対して大学等の受験料の支援を行い、こどもが家庭環境に左右されることなく、夢や希望を持って進学するための挑戦を後押しします。
「高齢者福祉の充実」につきましては、介護予防と健康づくりを目的とした、本市独自のスマートフォンアプリの運用を開始します。
また、スマートフォン等を所持していない高齢者の情報孤立化を防ぐため、家族等と双方向のコミュニケーションが可能な見守りサービスを導入するほか、防災情報や避難情報を迅速・正確に伝達するための情報配信サービスを開始します。
そのほか、高齢者が通所型サービスや医療機関へ出向く際に、地域が主体となって送迎する取組を支援します。
(13)健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる
次に、『健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる』まちについて申し上げます。
「生涯を通じた健康づくりの推進」につきましては、50歳以上の方への帯状疱疹ワクチンについて、接種費用の助成制度を新設します。
また、認知症における専門職への相談や、認知症の方とその家族が集う認知症カフェについて、民間団体の力を活用しながら支援します。
「医療体制・医療制度の充実」につきましては、医療・介護・障がい分野にまたがる情報連携システムを導入し、速やかな情報共有を図ることで、支援を必要とする方々に的確な支援を届けてまいります。
また、高岡市民病院において、高齢者に多い白内障などの患者に対応するため、眼科の医師や設備を増強し、アイセンターとして医療体制を強化します。
あわせて、ニーズの高まりを受け、高岡市民病院の一部病棟を、急性期治療を経過した患者の受入れや、在宅復帰支援のための地域包括ケア病棟へ転換します。
(14)地域の人々の手で環境が守られている
次に、『地域の人々の手で環境が守られている』まちについて申し上げます。
「環境保全意識の高揚」につきましては、令和5年11月に本市の中心市街地等が環境省の「脱炭素先行地域」に選定されたことを受け、2030年カーボンニュートラルの達成に向け、域内施設の省エネ化や再生可能エネルギーの創出に取り組みます。
「環境保全対策の充実」につきましては、上下水道施設敷地内での太陽光発電や、下水汚泥の肥料化、下水熱の利用など、資源・エネルギーを循環活用するための調査を実施します。
「ごみの減量化・資源化の推進」につきましては、プラスチック廃棄物の一括回収を開始し、プラスチックの更なるリサイクルの向上を図るほか、伐採した木の枝をバイオマス燃料として再資源化するなど、環境に配慮した循環経済の構築を目指します。
(15)安全で快適な生活を送っている
次に、『安全で快適な生活を送っている』まちについて申し上げます。
「防災対策の充実」につきましては、令和6年能登半島地震における復旧作業に、引き続き全力で取り組んでまいります。
大きく損壊した家屋の解体・撤去を円滑に進めるため、被害の程度が「半壊」以上となる住家等について、市が解体・撤去を実施するほか、市内各所において発生した液状化現象について、詳細の把握や分析を急ぎ、対策の方向性を検討してまいります。
あわせて、防災行政無線の親局・中継局を更新整備するとともに、浸水被害対策用の排水ポンプ車等を導入するなど、今後の災害への備えも強化します。
「消防・救急・救助体制の充実」につきましては、老朽化した消防本部・高岡消防署庁舎の改築工事や、県西部5市をカバーする県西部消防指令センターの通信指令システム及び消防救急デジタル無線設備の改修を実施します。
また、全天候型ドローンの導入や、富山市・射水市との共同運航を検討している新たな消防艇の設計など、緊急時対応用の設備の増強を図ります。「道路整備、交通安全・防犯対策の充実」につきましては、これまで通学路限定としてきた防犯カメラ設置補助について、対象範囲を拡充し、地域防犯の向上を進めます。
また、こどもたちの安全確保に向けた環境整備のため、保育園等の近隣道路や用排水路の整備事業に引き続き取り組みます。
「緑化の推進と保全」につきましては、おとぎの森公園の魅力向上計画に基づき、にぎわい広場の再整備や木製ベンチの更新に取り組むほか、かっぱの広場の再整備について検討を行います。
「上・下水道の整備」につきましては、「上下水道ビジョン」に基づき、老朽管路を耐震性の優れた管路に更新するなど、上下水道施設の計画的な耐震化を進めます。
水道事業では基幹施設の整備、下水道事業では公共下水道や雨水管の整備に取り組むなど、市民生活や産業基盤を支える重要なライフラインとしての役割を果たしてまいります。
(16)その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている
次に、『その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている』まちについて申し上げます。
「市民が主役の地域づくりへの支援」につきましては、従来の市立公民館のうち、32館に「地域交流センター」を設置し、地域が行う挑戦を支え、様々な地域活動を幅広く支援する体制を構築します。
また、地域活動への若い世代の参画を促進し、地域活動の担い手の発掘を進める取組について支援します。
「男女平等・共同参画社会の実現」につきましては、令和5年度から開始した高岡市女性人材バンクについて、キャリアカウンセリング等を充実させ、働きたい女性と事業者との更なるマッチングを図ります。
また、DV被害者の安全確保と生活再建支援のため、セキュリティ機能を有する民間賃貸住宅へ転居する際の助成制度を新設します。
(17)市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる
次に、『市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる』まちについて申し上げます。
「市民に開かれた市政の推進」につきましては、書かないワンストップ窓口を目指し、窓口支援システムを導入して市民の皆様が一つの窓口で基本的な手続を完了できるよう、受付環境の整備を進めます。
また、こども版デジタル広報を作成し、こども達が楽しみながら高岡市の魅力や現状を知り、市政に関心を持ってもらえるよう取り組みます。
「高度情報化の推進」につきましては、証明書交付などの電子申請サービスにおけるオンライン決済への対応や、入札事業者との契約事務手続の電子化など、“どこでも市役所”につながるサービスを強化します。
また、より災害に強いまちを目指し、自治体が個別に管理していた水位センサー等のデータを県内共同で集約し、活用を図るほか、災害時等様々なシミュレーションに活用できる3D都市モデルデータの整備に取り組みます。

3 歳入予算の概要

次に、歳入予算のうち、主なものについてご説明申し上げます。
まず、市税収入につきましては、国が進める定額減税を踏まえ、個人市民税の減少を見込むほか、評価替えに伴う固定資産税の減少などを見込み、258億3,181万9千円を計上しております。
地方交付税につきましては、地方財政計画において、社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ、こども・子育て政策の強化など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、前年度を上回る地方交付税額を確保することとされました。これらを踏まえ増加を見込んでおります。
各種交付金等につきましては、定額減税の補填措置としての地方特例交付金の増加など、地方財政計画等に基づき、それぞれ見込み額を計上しております。
国庫支出金及び県支出金につきましては、震災からの復旧に伴う災害等廃棄物処理に対する補助や、事業内容、事業採択の見通しなどを踏まえ、それぞれの事業に見合った額を計上しております。
市債につきましては、地方財政計画に基づき、臨時財政対策債の発行額の減少を見込むとともに、令和5年度から取組を進めている「高岡市行財政改革推進プラン ~高岡再始動計画~」を踏まえ、今後も引き続き市債残高の適正な管理に努めます。

4 組織体制

行政組織につきましては、簡素で効率的な組織体制を基本としつつ、新たな行政課題や多様化する市民ニーズに対応した施策を迅速かつ効果的に推進するための組織体制の構築を図ってまいります。
新たな行政課題への対応として、生活環境文化部においては、地域の自主的な活動や課題解決への取組をしっかりと下支えしていくため、共創まちづくり課を改組し、地域課を新設します。
加えて、文化振興事業と国際交流事業との一体的推進による相乗効果の創出を図るため、文化振興課と多文化共生室を統合し、文化国際課を新設します。
福祉保健部においては、すべての子育て家庭を児童福祉と母子保健の両面から一体的かつ包括的に支援していく体制を強化するため、こども家庭センターを新設します。
このほか、脱炭素先行地域としての取組や市民の健康意識の醸成に向けた施策を着実に推進していくための体制を整えるなど、効率的で質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。

第3 条例その他

次に、条例その他議案について申し上げます。
条例議案につきましては、持続可能な地域公共交通の実現に向けて、必要な事業の財源に充てるための基金を創設する「高岡市地域公共交通維持活性化基金条例」の制定など、20件を提案しております。
 
その他議案につきましては、高陵中学校区小中一貫校の開校に向けて、校舎の新築及び改修工事に係る工事請負契約の締結など10件を提案しております。
報告案件3件につきましては、専決処分に係るもので、令和6年度能登半島地震の被災者への支援、災害復旧及び国の経済対策に伴う低所得世帯への給付金の給付のため補正予算措置を講じたものです。
以上、令和6年度予算をはじめ、提出いたしました諸案件について、その概要をご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

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