令和3年高岡市議会9月定例会
令和3年高岡市議会9月定例会市長提案理由説明(抄)
市政の運営にあたって
市政の運営にあたって
令和3年9月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
はじめに
初めに、全国で相次いだ豪雨災害についてです。先月中旬、前線の停滞による大雨により全国各地で河川の氾濫や土砂崩れ等が発生しました。この災害によりお亡くなりになられた方々とそのご遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
本市におきましても、8月12日に土砂災害警戒情報が発表され、土砂災害の発生の可能性が高まった翌13日に五位山・石堤・赤丸の各地区に避難指示などの避難情報を発令しました。人的被害など大きな被害はありませんでしたが、災害の恐ろしさと日ごろから災害へ備えることの重要さを改めて認識いたしました。
先月の地域防災計画の見直しでは、災害発生の危険度と発生時に取るべき避難行動を住民の方々に直感的に理解していただけるよう、「避難勧告」を廃止して「避難指示」に一本化しました。さらに、新たに国土強靭化地域防災計画を策定し、大規模な自然災害等から市民の命や財産を守るとともに、被災により市民生活や経済活動に与える影響を最小限に抑えるため、ハードとソフト両面から対策を推進していきます。
次に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。感染力が極めて強い「デルタ株」が全国各地で広がっています。本県においても感染の拡大を受け、先月16日に新型コロナウイルス感染症対策の警戒レベルが「ステージ3」に引き上げられました。18日には厚生労働省の新型コロナウイルス対策の専門家組織において、全国の感染状況が「災害レベルの状況にある」との見解が示され、20日からは県内に「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、不要不急の外出自粛や飲食店等への時短営業が要請されています。本市では、18日から市所管の171の施設について臨時休館するとともに、市主催のイベント等についても開催の延期や中止、あるいは、オンラインでの開催などの措置を取りました。私自身もSNSなどを活用した動画の発信などを通じて、感染の拡大防止の呼びかけを行っています。また、本日から小・中・義務教育学校では、オンライン授業を開始しました。9月12日まで、登校しての対面授業と在宅でのオンライン授業を児童生徒の保護者に選択していただけるよう対応しています。市民の皆様には、これまでにない状況をご理解の上、大切な家族や友人の命を守るため、家庭や職場での感染防止対策の徹底を図るなど、今まで以上に緊張感を持った行動をお願いします。
新型コロナワクチンの接種については、9月1日現在、36歳以上の方々が対象となっていますが、さらに若い年代の方々にも早期に接種していただけるよう調整を図っていきます。ワクチン接種で感染を完全に予防できるわけではありませんが、接種を受けた方は、受けていない方よりも新型コロナウイルス感染症を発症しにくいことが分かっています。希望する方への接種の早期完了を目指し、引き続き医療機関の皆様のお力もお借りしながら、市民の皆様の感染・重症化を防ぐワクチン接種を推進していきます。
また、外出自粛や営業時間短縮要請等に伴う地域経済や市民生活への影響に鑑み、社会経済活動の支援も重要になります。先月、国から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「事業者支援分」の追加交付が発表されるなど、コロナ禍による厳しい経営環境を含め、様々な機会を通じて市民や事業者の皆様の声をお聞きしながら、きめ細やかな支援を実施していきます。
次に、先月閉幕した東京2020オリンピック競技大会についてです。柔道競技では、本市出身の向翔一郎選手が混合団体において見事銀メダルを獲得されました。この高岡で青春時代を過ごした若者が、日の丸を背負って戦う姿には、本当に胸を熱くするものがあり、個人戦から気持ちを切り替えチームの勝利に貢献するというサムライの姿を見た気がします。本市では、その功績と栄誉を称え、市民栄誉賞を贈呈することとしました。
また、レスリング競技において、本市がホストタウンであるポーランド共和国のタデウシュ・ミカリック選手も銅メダルを獲得されました。ポーランド共和国のホストタウンとして、市民を代表して心からお祝い申し上げます。
今回の大会には、向選手をはじめ本市にゆかりのある4選手、そして直前まで高岡で合宿をされていたポーランド共和国のレスリング代表6選手が出場し、それぞれの競技において熱戦を繰り広げられました。コロナ禍での開催ということもあり、試合に向けた調整が難しかったと思います。そうした中でも、それぞれの選手が最後まで諦めず全力で戦い続ける堂々たる姿は、私たち市民に対し、大きな勇気と感動を与えていただきました。市民を代表してすべての選手に対し、心から感謝の意を表したいと思います。
市政運営の基本姿勢について
市長に就任して1か月半余り、「高岡を前へ進めていきたい」という想いで臨んできました。この間、7月の臨時会をはじめ、「ワンチームとやま」連携推進本部会議、国や県への要望活動など様々な機会を通じて、各界各層の方々にお会いし、貴重なご意見をいただきました。皆様の想いや考えを伺う中で私は、これまで行われてきた取り組みをはじめ、行政の継続性もしっかりと確保しながら、新しい高岡を作っていくということが大切であると感じています。
先日、皆様の声を反映し、高岡を前へ進めるための具体策のロードマップを公表しました。今後、市議会での議論や市民の皆様からの意見、社会情勢等により新しいアイデアを取り入れながらブラッシュアップしていきます。現在、総合計画第4次基本計画をはじめ、来年度からスタートする「デジタルトランスフォーメーション推進方針」や「第4期中心市街地活性化基本計画」、「カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」などの策定作業を進めています。これらの計画には、新しい高岡をつくる具体策の要素や考え方を出来るだけ多く取り込んでいきたいと考えています。これから新年度の予算編成作業が本格化しますが、「できる、できない」ではなく、「どうすればできるか」という視点で考え、具体的にどう高岡を前へ進めていくかについて、議員各位をはじめ広く市民のご意見を伺い、議論を進めていきたいと考えています。
併せて、私が掲げた具体策の中でも喫緊の課題である新型コロナウイルスから大切な市民の命と財産を守ることに最優先で取り組んでいかなければなりません。感染拡大を防止し、社会経済活動を維持するための取り組みを、市民にいち早くお届けするため、全力でまい進していきます。
更新日:2024年03月25日