令和4年高岡市議会6月定例会
令和4年高岡市議会6月定例会市長提案理由説明(抄)
第一 市政の運営にあたって
第一 市政の運営にあたって
一 はじめに
令和4年6月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症による移動制限がないゴールデンウィークを3年ぶりに迎え、本市においても、期間中、多くの交流機会が生まれました。中でも、(例年特に多くの来場がある)高岡御車山祭については、開催に向けた諸準備にあたり感染症対策に万全を期すことが求められるなど、関係者のご苦労も多かったと伺っております。そのような中、皆様のご尽力により宵祭やライトアップを実施していただき、4月30日および5月1日の2日間の高岡御車山会館の入館者数は、昨年度の11.2倍となる10,229人で、コロナ禍前と同水準となりました。5月1日の奉曳こそ雨天により中止になったものの、来年の開催に確実につながる道筋をつけていただきました。また、伏木曳山祭については、今年から開催日や時間を変更し、伝統文化を末永く継承するための新たな一歩を踏み出され、例年にも増して地域のエネルギーがあふれる勇壮な祭りとなりました。
これら本市の代表的な祭礼行事を支えてくださっている皆様には、地域の伝統を引き継ぎながらも、新たな時代を創っていく覚悟を持って「新しいカタチ」への挑戦をしていただきました。引き続き新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、本市が誇る歴史・文化を象徴する行事への支援など、コロナ禍、またアフターコロナを見据えた賑わい創出にも注力してまいります。
このような中、国から新型コロナワクチンの4回目接種について、3回目の接種から5か月を経過した、60歳以上の方や基礎疾患を有する方を対象とする方針が示されました。18歳以上から60歳未満の基礎疾患を有する方については申請していただくことにはなりますが、接種券は、今月13日以降順次送付し、接種を希望される皆様が確実に接種できる体制となるよう準備を進めています。
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響等が重なり、原油や穀物の取引価格などが高騰し、総務省の発表では4月の消費者物価指数は「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数」が前年同月比2.1%上昇しております。この状況を受け、国においては、4月に「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を決定し、これに関する補正予算が先月末に成立しました。
市としても、国の動きとしっかりと連携しながら、経済活動への支援はもとより、市民の皆様が安心して暮らすことのできる生活基盤の維持に努めてまいります。
次に、「挑戦」をテーマにしたまちづくりについてです。坂下町の複合施設「サカサカ」内で、4月にイベントスペース「Piilo(ピイロ)」が営業を開始し、また、5月には福岡町で「子育てシェアハウスあかまる」がリニューアルオープンしました。いずれも、「クラウドファンディングたかおか事業」で認定したプロジェクトであり、中心市街地の賑わい創出や、親子が気軽に足を運べるコミュニティづくりなど、地域課題の解決に向けた市民の挑戦を後押しさせていただいたものです。今年度の「クラウドファンディングたかおか事業」は、7月のプロジェクト募集に向け準備を進めており、市民の新たな挑戦を応援していきます。
市民の皆様の関心が高い地域交通システムの確立については、野村地区で、愛称を「のむタク」とする地域タクシーの実証運行が今月1日から始まりました。また、守山地区では5月末までを予定していた実証運行を8月末まで延長し、9月からの本格運行に向け、運行内容の最終調整を行います。その他の地区でもそれぞれの実情に応じた地域交通システムへの挑戦が始まっており、高岡型のコミュニティ交通の実現に向け、地域と共に検討を進めていきます。
今後とも、地域課題の解決に向け、様々な形で市民の挑戦をお支えし、1つでも多くの「挑戦」が生まれる高岡を目指していきます。
二 市政運営の基本姿勢
私が市長に就任して間もなく1年を迎えます。感染拡大を繰り返す新型コロナウイルス感染症から市民の命と暮らしを守るため、ワクチン接種体制の強化をはじめとした感染症対策に最優先で取り組んできました。こうした中、先日、私の家族が感染し、私自身が濃厚接触者となりました。自宅待機を余儀なくされ、改めて感染症への向き合い方を考えさせられました。一方で、公務や庁内協議をオンラインで実施することができ、コロナ禍における感染症対策と社会経済活動等との両立には「デジタル」の活用が有効であることを改めて実感しました。この経験を市民の皆様にしっかりとお伝えしていくとともに、引き続き、迅速かつ的確な感染症対策に努めていきます。
私が掲げる「持続可能な未来都市 高岡」の実現に向けては、市民一人ひとりが個性や能力に応じて何事にも挑戦し、市役所はその挑戦をしっかりと支え、市民と共に高岡の新しい未来を創っていくことの重要性を訴えてきました。また、「今」と「未来」の双方の視点から「できる、できないではなく、どうすればできるのか」を常に意識しながら、各種施策の検討や、実証実験事業の実施など、スピード感を持って取組みを進めてきました。中でも、人口減少社会への対応として、短期・中期的な視点からの移住・定住の促進や子育て支援策の充実、長期的な視点からの出生率改善に向けた取組みなど、将来への展望を持って段階的に対策を進めています。先月に県が発表した、県及び市の移住相談窓口等で把握する令和3年度における県外から高岡市への移住者数は138人であり、前年度と比較し18人増加しました。また、令和3年の高岡市内の出生数は1,020人と、前年より8人増加しました。小さな小さな第一歩ではありますが、高岡が「子育てしやすいまち」として少しずつ皆様に浸透してきていると感じており、しっかりと継続していくことが、高岡の未来につながると思っています。「安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しめるまち」として、高岡が選ばれる好循環を生み出していくため、未来を担う子どもたち、それを支える家族、関係者を積極的に応援していかなければならないと決意を新たにしました。令和4年度当初予算に計上した不妊治療の助成の拡充をはじめ、出産を希望される方や子ども・子育て世帯を対象とした多様な支援メニューがしっかりと活用されるよう、積極的に発信していきます。また、関連する制度や支援策について、さまざまな角度からの検証・改善を行い、更に多くの方に「高岡市で子どもを生み育てたい」と思ってもらえるよう、邁進してまいります。
次に、高岡の未来について、様々なご意見やアイデアをいただく場として実施した「高岡を前へ!まちづくりミーティング」についてです。今年度からスタートした総合計画第4次基本計画をはじめ、20年30年先も赤ちゃんからお年寄りまで、誰一人取り残さない豊かで暮らしやすいまちの姿を市民の皆様と共有させていただきました。参加いただいた方から、高齢化が進む中における地域での共助の在り方へのご提案や、学童保育の充実に向けた具体的なアイデアをいただくなど、高岡の未来を共に考える機会となりました。また、私が市役所改革を進めている中で、職員の対応へのご指摘、たらい回しにならないための市役所の窓口のあり方・動線のご提案など、貴重なご意見もいただきました。これらご意見を真摯に受け止め、「どうすれば改善できるか」、目に見える形で市民の皆様にお示しできるよう、既に検討を進めています。引き続き、市役所改革を推し進め、市民に役立てる市役所を目指していきます。高岡の未来を創っていくため、市民の皆様には、共に考え、共に行動していただきますよう心からお願いさせていただきます。
更新日:2024年03月25日