令和7年高岡市議会6月定例会

更新日:2025年06月05日

ページID : 12591

令和7年高岡市議会6月定例会市長提案理由説明

第一 市政の運営にあたって

一 はじめに

 令和7年6月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

 令和6年能登半島地震の復旧・復興を加速するため、本年1月に震災復旧推進課を設置し、4月には伏木・吉久・横田の3地区の皆様に液状化対策検討結果を報告する説明会を開催いたしました。地域の方々からは、液状化対策の工法や住民負担の考え方などについて、様々なご意見を頂きました。また、本市が公共施設と宅地の一体的な液状化対策としてお示しした「地下水位低下工法」の効果は震度5強程度までとされており、将来にわたり大規模な地震による 液状化被害から確実に地域を守る手法とは言い切れない側面もあります。

 こうしたことを踏まえ、今後、地下水位低下工法の効果等を確認 するための試験施工と並行して、公共施設と宅地の一体的な液状化対策に代わる地域の地盤強化につながる手法も検討してまいりたいと考えており、将来世代に責任を持てる選択となるよう、市民の皆様にもご理解いただきながら対応を進めてまいります。

 一日も早い復旧・復興を進めるとともに、ハード、ソフトの両面 から「強い高岡」の構築を目指す中、本市の道の駅「万葉の里高岡」が、県内初の『防災道の駅』に選定されました。「万葉の里高岡」は、富山県災害時受援計画の物資拠点施設に位置付けられており、広域的な防災拠点としての役割が期待されているものと受け止めております。引き続き、国・県と連携、協力し、防災力の強化に努め、市民の皆様と共に「強い高岡」を構築してまいります。

 復旧・復興を進める中、先月開催された伏木曳山祭では、提灯山車をぶつけ合う「かっちゃ」が6町全ての参加により実施されました。この祭りの熱気が地域に活力を生み出し、復興に向けた地域の 皆様の想いや結びつきがより強固なものとなり、震災を乗り越えようとする強い気持ちが全市に伝わったと感じております。今後も、 被災地に寄り添うとともに、全市的な復興が果たせるよう、全庁を挙げて取り組んでまいります。

 こうした中、4月から始まった大阪・関西万博の会場では、明日6日に万葉ゆかりの自治体と連携した梅花の宴の再現やPRブース を出展する「令和の万葉大茶会2025飛鳥・万博大会」が開催されます。会場では、世界の国々との交流の場に弥栄節保存会も参加されることから、この機会を活かしながら「万葉のふるさと高岡」をはじめ、本市の豊かな歴史・文化の魅力を、より多くの方々に知っていただけるよう、今後も世界に向けて発信してまいります。 

 

二 市政運営の基本姿勢について

 市役所改革の1つとして取り組んでいる「書かない・待たない・ 迷わない窓口」について、本年1月より開始した「書かないワンストップ窓口」は、約5ケ月を経て、混雑状況が目に見えて緩和されてきているほか、来庁者からは、「申請書の記入に迷うことがなくなった」、「証明書の発行が早くなった」などの声もいただいております。先月からは新たに「転入手続きのワンストップサービス」をスタートさせており、今後は結婚、出産、おくやみと全てのライフイベントの手続きをワンストップで済ませることができるよう、市民サービスの向上に向け、挑戦を続けてまいります。

 2年連続で人口の社会増となった中心市街地については、さらなる活性化に向けた旧高岡共立銀行の利活用のため、いわゆる赤レンガ建物と関連する土地の売買契約を締結いたしました。民間事業者のノウハウを活かして赤レンガ建物を保存し、レストランやテイクアウトショップ、更には隣接地にホテルを増築して活用する計画が令和10年の開業に向けて動き出します。私としては、山町筋に新たな付加価値が加わることで、地域全体の魅力や賑わい、交流人口や関係人口の拡大に繋がっていくことを大いに期待しております。

 脱炭素の推進につきましては、脱炭素先行地域計画に基づくリサイクルの取組や、アルミ関連企業、富山大学、本市等が連携して取り組んでいるリサイクルアルミの研究開発が総合的に評価され、本年4月に全国12か所の環境省「資源循環ネットワーク形成・拠点構築に向けた調査事業」の対象に高岡が選定されました。この選定を追い風に、脱炭素と資源循環の取組をより加速してまいります。

 また、地域において、少子高齢化や担い手不足などの課題が山積する中、持続可能な地域活動の確立に向けて、牧野地区、福田地区、定塚地区において、多機能自治に挑戦するため地域づくり協議会が設立されました。地域の課題解決に先取の気概を持って取り組む3地区の活動を全力で応援してまいりますとともに、現在、設立に向けて取組を進めておられる地区についても、各地区の実状に寄り添いながらしっかりと支援してまいります。

 「こども“を”まんなか」の取組については、本年4月にスター トした高岡市こども計画に沿って、子どもが安全にのびのびと活動でき、子育て当事者が安心して子育てに取り組み、健やかな生活を送ることができる環境の整備を進めているところです。子育て世代に人気の高岡おとぎの森公園には、本市の考え方に賛同いただいた事業者と連携し、赤ちゃんを連れた親御さんにも利用しやすいよう、 ベビーファーストをコンセプトとしたカフェを整備しました。利用者からは「おむつ替え室や絵本もあり親子で安心して過ごせる」と好評をいただいており、ゴールデンウィーク中は多くの方で賑わいました。同カフェでは、電子チケットを活用した新たなこども食堂 「こどもごちめし」がスタートし、地域の飲食店や協賛企業の協力により、食を通した子ども支援の輪が広がっています。

 また、こども計画策定の過程で実施したアンケート調査等でニー ズの高かった、子どもの遊び場の確保や悪天候時にも使用可能な遊び場として、本年4月に、御旅屋セリオに「こどもうんどう広場」を開設しました。加えて、安心して遊べる場をスポット的に創出する「どこでも!こどもプレイパーク」の実証実験を、まずは今週末に開催される「万葉線まつり」において、高岡駅南北自由通路を活用し、スタートさせます。これらの取組は子育て世代でもある本市 の若手職員が提案・実践する「高岡市営業部」の企画であり、親子での外出機会を拡大させようと生まれた事業です。

 「こどもは地域の宝」という考えのもと、子どもを産み育てやすいまち、こどもたちが夢や希望をもって過ごすことができるまちを目指し、今を生きる我々大人が力を出し合い、更に進化させることができるよう、こどもをまんなかに据えた施策を推進してまいります。 

第二 提出議案について

 

 次に、ただいま上程されました予算議案3件、条例議案5件、その他議案15件、報告案件1件の計24件についてご説明申し上げます。 議案第51号から第53号までは、一般会計及び特別会計の補正予算です。

 補正予算の規模は、 8億952万円の増額です。

 今回の補正予算では、本市が行う学校体育館の空調環境調査に先駆け、国が推進する学校体育館への空調設備整備に係る交付金を活用し、学校施設における学習環境の向上と有事に備えるべく避難所機能の強化とを早期に行うため、空調設備等整備に係る実施設計を 行うほか、物価高騰の影響を受ける市民の暮らしを支えるとともに、 令和6年能登半島地震からの復興を後押しするため、プレミアム商品券発行事業への支援を行います。

 また、古城公園樹木管理行動計画に基づく樹木の剪定・伐採等の 前倒しや台湾からの誘客促進、DX教育の推進に必要な経費を計上します。

 あわせて、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく低所得者支援及び定額減税を補足する給付の一環として、給付額に不足が生じる方に対する追加給付を行います。

 以下、その主な内容について、ご説明申し上げます。

 国の空調設備整備臨時特例交付金を活用し、野村小学校、戸出東部小学校、戸出西部小学校及び福岡小学校の4校の体育館について、断熱機能確保に係る実施設計を行います。

 加えて、伏木中学校及びこまどり支援学校の2校の体育館について、空調設備設置に係る実施設計を行います。

 次に、物価高騰の影響を受ける市民の消費や暮らしを支えるとともに、令和6年能登半島地震からの復興を後押しするため、商店街等が行うプレミアム商品券発行事業に対し、発行組数の上乗せやプレミアム率の嵩上げを支援します。

 また、国指定史跡である「高岡城跡」の歴史的・文化的価値を維持・向上させる古城公園の樹木整理について、国の補助内示に伴い 増額補正し、事業のさらなる進捗を図ります。

 加えて、海外からの観光需要を喚起し、誘客を促進するため、台湾で開催される「台湾国際旅遊展」へ出展します。

 そのほか、国の「リーディングDXスクール事業」の採択を受け、 五位小学校及び五位中学校の2校を指定校とし、1人1台端末を活用した効果的な教育実践に関する研究を行うとともに、講師を招いての研修会や先進校の取組事例についての研究を行い、その成果を市内各校に広く普及させる取組を実施します。

 続きまして、議案第54号から第73号までの条例その他議案について申し上げます。

 条例議案につきましては、令和7年度税制改正に伴う市税賦課徴収条例の一部を改正する条例など、5件を提案しております。

 その他議案につきましては、(仮称)教育総合支援センター改修及び増築工事に係る工事請負契約の締結など、15件を提案しております。

 報告案件1件につきましては、専決処分に係るもので、地方税法の改正に伴い市税賦課徴収条例の一部を改正したものです。

 以上、提出いたしました諸案件についてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議の上、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

 

この記事に関するお問い合わせ先

秘書課
〒933-8601 富山県高岡市広小路7-50
電話番号:0766-20-1218
ファックス:0766-20-1660

メールフォームによるお問い合わせ