令和7年高岡市議会3月定例会

更新日:2025年03月03日

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  • 第1 市政の運営にあたって
    1. はじめに
    2. 市政運営の基本姿勢について
    3. 市政の重要課題
  • 第2 令和7年度予算の概要
    1. 令和7年度予算編成の基本方針
    2. 歳出予算及び施策の概要
      • 【地域産業】
        1. ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している
        2. 水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある
      • 【歴史・文化】
        1. 世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている
        2. 暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている
      • 【交流・観光】
        1. 高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている
        2. 生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている
        3. 交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている
      • 【子育て・教育】
        1. 安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる
        2. 教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている
        3. いくつになっても興味のあることを気軽に学べている
        4. いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる
      • 【安全・安心】
        1. 誰もが生き生きと自立して暮らしている
        2. 健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる
        3. 地域の人々の手で環境が守られている
        4. 安全で快適な生活を送っている
        5. その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている
        6. 市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる
    3. 歳入予算の概要
    4. 組織体制
  • 第3 条例その他

第1 市政の運営にあたって

1 はじめに

令和7年3月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

令和6年能登半島地震の発生から、1年余りが経過いたしました。この間、高岡市震災復興計画では、「強い高岡」の構築を復興ビジョンに掲げ、令和8年度までの復旧・復興ロードマップをお示しし、被災者支援策や復旧工事など、被災者の方々が一日も早く、それぞれの日常を取り戻せるよう、取組を進めてまいりました。

本年1月には復旧工事をはじめとした震災対応に係る執行体制を強化するため震災復旧推進課を新設し、復旧・復興に向けた取組を更に加速させたところであります。

また、2月には本市をはじめ北陸地方で記録的な大雪となり、除雪対策を迅速に行うため、3度の予算専決処分を行い、除排雪に全力を尽くしたところであります。引き続き市民の安全・安心を最優先に、様々な災害への備えに取り組んでまいります。

さて、昨年10月に石破内閣が発足し、地域の活力を取り戻す地方創生の再起動として「地方創生2.0」が掲げられました。現在国会で審議中の令和7年度予算案においては、地方創生交付金を当初予算ベースで倍増するほか、重要政策課題への対応として「こども未来戦略」に基づくこども・子育て支援の充実やGX(グリーントランスフォーメーション)への投資の推進などが打ち出されております。

こどもをまんなかに据えた事業や脱炭素化推進事業について取り組んできた本市としては、国の施策と連動を図りながら、引き続き将来を担うこどもの健やかな成長を後押しするとともに、本市経済の付加価値を高めるサーキュラーエコノミーの推進など、未来を切り拓くための挑戦を市民の皆様と共に進めてまいります。

2 市政運営の基本姿勢について

次に市政運営にあたっての基本姿勢について申し上げます。

震災からの復旧・復興を市政の最優先事項として取り組む中、まちの復興のためには、未来に向けた希望を創出する新たな“当たり前”を「つくり」、「まもり」、「かえていく」ことが必要であると考えています。

そのため、令和7年度は、これまでの調査により有効と考えられる液状化対策工法について、被災地区での試験施工や試験結果の解析など、復旧に向けた取組を進めるとともに、いつ起きるか分からない災害に備え、上下水道施設等の耐震化など社会インフラの強靭化を進めてまいります。併せて、地域防災力の強化や市民の防災・減災意識の醸成など、ハード・ソフトの両面から「強い高岡」の構築に向けた取組を推し進め、市民が震災前よりも安全・安心に暮らせるまちを目指して、復興に取り組んでまいります。

市長就任以来、まちづくりの長期的なビジョンである『持続可能な未来都市 高岡』の実現に向け、「挑戦なくして明るい未来は訪れない」との思いを胸に、市民の皆様が新しい挑戦に勇気を持って一歩を踏み出すことができるまちを目指して、市政運営に真摯に取り組んでまいりました。

スタートアップ支援施設「TASU」で、学び、起業する方々や、多機能地域自治に取り組む地域、市民協働型地域交通システムを導入され一歩踏み出し始めた地域など、自らの夢の実現や課題の解決に向け、自ら考え、自ら行動を起こす意識は市民・地域・企業の皆様に着実に根付いてきているものと感じております。

自らの夢の実現や課題の解決に向けた挑戦の連鎖が好循環を生み、さらに大きな「環」を成す。こうした流れが本市ならではの新しい時代の“当たり前”となり、「高岡を前へ進める」ための原動力となるよう取り組んでまいります。

さて、令和7年度は新市誕生から20周年を迎えます。この記念すべき節目の年は、本市の次の10年を見据えて始動する重要な年であると考えております。

10年先の未来に思いを馳せるとき、私は今を生きるこどもたちが将来に夢や希望を持ち、夢の実現に向けて挑戦することができ、そしてその挑戦を支える人が溢れるまちを創ってまいりたいと考えています。その実現のため、「こども“を”まんなか」に据えた施策を分野を超えて展開するとともに、公共施設の再編やカーボンニュートラルの推進など、次の世代へしっかりとバトンを託すための未来への投資を加速してまいります。

3 市政の重要課題

市政の重要課題について申し上げます。

まず、震災への対応については、災害復旧工事をさらに推進し、一日も早い災害からの復旧・復興に、引き続き全庁を挙げて最優先で取り組んでまいります。

産業の活性化については、企業の設備投資や従業員の環境改善を促進するとともに、伝統産業への支援、市内農業者の所得向上を目指した取組など、幅広く地域産業の強靭化を支援し、経済的な観点からも「強い高岡」を目指してまいります。

また、まちなかにおいては、観光地や飲食店等への経済波及効果を高めるため、来訪者を呼び込む仕掛けや滞在時間の拡大につながる事業を展開し、賑わいの創出に取り組んでまいります。

子育て施策の推進については、少子高齢化の時代において、まちの未来を担うこどもを中心に位置付けた「高岡市こども計画~こども“を”まんなか推進プラン~」が4月よりスタートいたします。

市民の皆様と共有してきた「こどもは地域の宝」の信念のもと、こどもがふるさと高岡に愛着を持ち、高岡に住み続けたいと思ってもらえるよう、こどもや子育て世帯への支援を充実させるとともに、社会全体で子育てを支援する地域を目指して、常に「こども“を”まんなか」に意識して取組を推進いたします。

未来へ向けた施設等の再編については、本年1月に持続可能なスポーツ施設のあり方を目指し、「高岡市スポーツ施設活用・配置計画(案)」において、「スポーツ環境の充実」「交流拠点としてのスポーツ施設の充実と計画的な整備」「持続可能な施設運営」の3つのテーマについて今後の方針をお示しいたしました。

市役所現庁舎については、築年数が44年を経過し、躯体や設備の老朽化が進行していることや庁舎の一部で耐震性が不足していることに加え、昨今の複雑多様化する社会課題への対応、デジタル化の進展など、市役所に求められる機能が見直されていることから、次の庁舎について、どのように考えていくかを市民の皆様にお示しするため「新庁舎整備ロードマップ」を2月に公表したところです。

次の世代に引き継ぐべき重要な施設を維持・整備するため、それぞれお示しした方針を踏まえ、しっかりと検討を進めてまいります。

また、城端線・氷見線の再構築については、引き続き、県や沿線市、交通事業者と連携しながら、交通系ICカードへの対応や新型車両の導入に向けた検討などを進めてまいります。

2050年のカーボンニュートラル達成を目指した取組については、脱炭素先行地域内においての取組を更に進めていくほか、アルミのアップグレードリサイクルなど産学官民による資源循環の構築に向けた取組を支援してまいります。

日本国内のトップランナーとなるべく、脱炭素と資源循環を組み合わせ、環境と地域経済の好循環を生み出す仕組み「サーキュラーエコノミー」を進め、イノベーションの創出と地域経済を成長軌道へ乗せることができるよう取り組んでまいります。

第2 令和7年度予算の概要

それでは、令和7年度予算編成の基本方針、歳出予算及び施策の概要並びに歳入予算の概要について申し上げます。

1 令和7年度予算編成の基本方針

最初に、令和7年度予算編成の基本方針について申し上げます。

令和7年度予算につきましては、「強い高岡」の実現に向け、震災からの復旧・復興を着実に進めるとともに、市民の挑戦を支え、循環を拡大することで「高岡を前へ進める」ほか、こどもたちが夢を叶えることのできる未来を見据え、すべての施策で「こども“を”まんなか」に据えて、今を生きる自分達から始めるという決意と覚悟のもと、市民と共に新たな一歩を踏み出す「未来を拓くために勇進する予算」として編成しました。

この基本方針のもとに編成した結果、令和7年度の予算規模は、

一般会計においては、  817億8,300万円

特別会計は、9会計の合計で 693億775万4千円

総計では、                       1,510億9,075万4千円となりました。

前年度と比較すると、一般会計では9.5パーセントの増加、特別会計を含めた総計では、6.3パーセントの増加となっており、今年度に続き過去最大となっております。

2 歳出予算及び施策の概要

続きまして、令和7年度主要施策の概要について、総合計画に掲げた「めざすまちの姿」に沿って、その主な内容をご説明申し上げます。

地域産業

(1)ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している

まず、『ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している』まちについて申し上げます。

「新たな事業活動の創出」につきましては、スタートアップ支援施設「TASU」を拠点に、新たなプレイヤーの発掘や育成、ビジネスの創出を促すため、高校生や女性を中心とする起業家コミュニティの形成を促進し、地域が抱える課題をビジネスの手法で解決することに取り組みます。

「地域産業の競争力強化」につきましては、富山大学が掲げる「アルミからはじまる循環経済型イノベーション都市」の実現に向け、イベント出展によるPRやリサイクルアルミを使った新製品の製作を支援することで、市民の循環経済への機運醸成を図ります。

また、伝統工芸品の認知度の向上を目指し、海外での商談機会の創出などに取り組むことで、新たな販路開拓を図り、高岡の技術を世界にPRします。

「産業基盤の整備・企業立地の推進」につきましては、企業の新規立地や既存工場の増設などの設備投資を促進し、雇用機会の拡大を図るため、企業立地助成金の補助要件を緩和します。

「中小・小規模企業の経営基盤強化」につきましては、エネルギー価格高騰の影響を受ける事業者の取組を後押しするため、省エネ設備導入費用を支援し、中小企業者等の持続的な成長に繋げます。

また、伝統産業につきましては事業者間の連携を促すため、伝統産業コーディネーターを採用し、新商品開発の体制構築を支援します。

「雇用・労働者福祉の充実」につきましては、女性の働く環境改善に係る施設の新設、改修に対する支援策へのニーズが高まっていることから、予算を増額して継続するなど、女性の活躍に積極的に取り組む企業を後押ししてまいります。

(2)水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある

次に、『水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある』まちについて申し上げます。

「農業の持続的発展」につきましては、米の消費量が減少している中、コメの主食用以外の利用に取り組むため、高岡産米粉の商品化を目指すほか、バイオマスプラスチック用資源米の栽培実証圃を設置し、コストや収穫量に関する調査研究を行います。

「農山村の振興」につきましては、高岡産農産物の認知度や消費拡大等による市内農業者の所得向上を目指し、農業センターを拠点として、市内農業者や飲食店など農業関係者の交流を促進するほか、生産活動の広報・PRなど市内農業者の伴走支援に取り組みます。

「林業の振興」につきましては、森林の間伐や植林事業を拡大するなど、山林の保全と効率的な維持管理に向けた取組を進めます。

歴史・文化

(3)世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている

次に、『世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている』まちについて申し上げます。

令和7年度は新市誕生20周年の節目の年であり、市民の皆様とともに祝い、ふるさと高岡への想いをより高めるため、11月1日の新市誕生の記念日に併せ、記念式典を実施いたします。また、特別事業として、こどもたちを対象とした高岡に関するクイズ大会の開催や、トップアスリートが球技を指導するイベントを開催するほか、全国放送公開番組の招致を実施します。加えて、魅力再発見事業として、こども目線で高岡を撮影するフォトコンテストなどを実施するほか、既存事業を拡充するなど、次の10年を見据え、市民のふるさと意識の醸成を図ってまいります。

「文化財の保存・活用」につきましては、令和6年能登半島地震により被害を受けた国宝建造物である瑞龍寺や勝興寺、重要伝統的建造物群保存地区の伝統的建造物の災害復旧事業を支援します。

「歴史的風致の保存・活用」につきましては、国指定史跡である「高岡城跡」の歴史的・文化的価値を維持・向上させるため、城郭が明瞭に見える状態を目指し、令和7年度も引き続き計画的な樹木管理に取り組むほか、高岡古城公園の魅力向上に資する活動をしている個人・企業・団体を対象に「古城公園応援隊」を募集し、より多くの方に高岡古城公園に親しみや愛着を持っていただけるよう取り組んでまいります。

(4)暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている

次に、『暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている』まちについて申し上げます。

「地域に根ざした創造的な芸術・文化活動の育成」につきましては、開館10周年を迎える高岡御車山会館において、無料ガイダンス棟のレイアウト変更や機能集約などを行うほか、同じく開館10周年を迎える藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーにおいて、原画展などの開館記念事業を開催します。

また、市内の文化財の魅力発信につなげるため、文化財や関連施設などを活用する賑わい創出イベントの開催等の新たな取組を支援します。

交流・観光

(5)高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている

次に、『高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている』まちについて申し上げます。

「観光資源の発掘と保存・活用」については、海越しに能登半島や立山連峰を望む雨晴駅の立地を活かし、ホームに併設した展望デッキの整備を進めます。

また、市内宿泊者数と滞在時間の増加を促すため、オンライン旅行予約サイトを活用した宿泊割引クーポンの配付キャンペーンを実施し、本市の観光消費額の増加を図ります。

「広域観光の推進」につきましては、北陸新幹線大阪延伸を見据え、関西エリアの個人観光客向けのプロモーションや、北陸エリア内の自治体と連携した相互交流の拡大に向けたPR事業など、新幹線を活用した積極的な誘客を図ります。

「イメージアップ・誘致活動の強化」につきましては、誰でも自由に利用できる高岡市の観光動画等を制作し、観光ポータルサイト「高岡観光ナビ」に公開することで、高岡市のイメージアップを図ります。

また、ふるさと納税制度を活用して高岡市をPRするため、返礼品の拡充や掲載サイトの充実等を図ります。

「国内・国外交流の推進」につきましては、市内でフィールドワークやゼミ活動に取り組む県内外の大学生等の支援を通じ、若者が高岡と関わる機会を創出し、継続的な関係人口の拡大を図ります。

また、中国遼寧省錦州市との友好都市提携40周年記念訪問団を受け入れるとともに、北京市で開催される中学生卓球交歓大会に錦州市との合同チームで出場するほか、高岡獅子舞大競演会に台湾獅子を招待するなど国際交流を進めます。

「インバウンドの推進」につきましては、高岡の強みである、ものづくり体験等を組み入れた旅行商品の販売促進を図るほか、入国される前に、本市発着の高速バスや観光施設等のチケットを購入できるよう販路を確保するなど、海外からの観光誘客を促進します。

(6)生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている

次に、『生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている』まちについて申し上げます。

「商業・サービス業の振興」につきましては、中心市街地や観光地周辺地区における賑わいを創出するため、空き店舗等を活用した新規開業やまちなかの重点支援区域内における大規模店舗の出店を支援し、商業機能の充実による地域経済の活性化を図ります。

「中心市街地活性化の推進」につきましては、御旅屋セリオ周辺の観光地や飲食店等への経済波及効果を高めるため、市営御旅屋駐車場の無料時間を試験的に2時間に延長します。併せて、電動自転車を用いたレンタルサイクルによって回遊性の向上を図るとともに、御旅屋セリオ屋上のスカイガーデンのリニューアルに合わせたイベントの開催支援や、高価格帯ランチメニューの割引支援、ZIBA(高岡地場産業センター)でのイベント開催支援などを通じて、まちなかへ来訪者を呼び込み、滞在時間と消費の拡大に取り組みます。

「市街地の整備」につきましては、旧耐震基準の空き家の除却を促進するため、3年間限定で対象区域をまちなか区域から用途地域に拡大するほか、空き家の流通促進に向け、高岡市空き家・空き地情報バンクへの登録を促すため、新たに家財道具の処分費用等に対し支援を行います。

「住宅・宅地の整備」につきましては、まちなか区域を含む居住誘導区域における定住人口の増加を図るため、住宅の取得やリフォーム等に対する支援に取り組み、多世帯同居への加算等の支援を継続して実施します。

(7)交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている

次に、『交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている』まちについて申し上げます。

「高岡駅・新高岡駅の周辺整備」につきましては、本市が飛越能の玄関口としての役割をしっかりと担っていくため、新高岡駅を発着する高速バスの利用促進に向けた取組を継続して実施します。

「高速道路網・幹線道路網・地域公共交通体系の整備」につきましては、持続可能な路線バスの維持を目指し、人材不足に悩むバス運転手の確保に向け、交通事業者や自動車教習所と連携したバスの運転体験や運転手の魅力を紹介するイベントを開催するなど、公共交通体系の確立を図ります。

また、福岡パーキングエリアのインターチェンジ化をはじめ、市民の日常生活や産業・経済活動の基盤となる幹線道路の整備を進めます。

「港湾の整備・活用」につきましては、伏木港への大型クルーズ船のおもてなしの充実を図るとともに、まちなかへの回遊を促進するため観光事業者や商店街等との連携を強めてまいります。

子育て・教育

(8)安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる

次に、『安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる』まちについて申し上げます。

「教育・保育の一体的提供の推進とサービスの充実」につきましては、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、世帯所得に関わらず、第2子の保育料半額、副食費の軽減を実施するほか、公設の放課後児童クラブに入所できなかった児童が民間の放課後児童クラブを利用する際の利用料の一部を支援します。

また、こどもの安全・安心を確保するため、公立園に防犯カメラやオートロックシステムを導入するとともに、一時預かり事業等を実施している園などにキャッシュレス決済を導入し保護者の利便性を高めます。

「安心して妊娠・出産・子育てができる体制の充実」につきましては、医療機関で実施する1か月児健康診査について、市が健診費用を負担するとともに、健診結果を保護者と共有することで、育児に関する相談の対応や保健福祉サービスの提供を行うなど、安心して子育てができる体制を整えるほか、保護者の就労状況に関わらず保育所などにこどもを預けられる「こども誰でも通園制度」について、公立園で通年実施するとともに、私立園が実施する際に支援を行います。

また、雨や雪でも気軽に親子で外出できる機会を作るため、各種イベント等で活用可能な可動式遊具を導入するとともに、御旅屋セリオに新たに「こどもうんどう広場」を開設し、こどもたちの遊び場や運動に親しむ機会を提供します。

「地域の子育て力の応援」につきましては、保育施設の業務や放課後児童クラブの活動をサポートするため、シルバー人材センターが取り組む人材育成や派遣のための体制づくりを支援するほか、放課後児童クラブの運営安定に向け周辺業務を円滑に行うための人員確保を支援することで、子育てサービスの持続可能性を高めます。

(9)教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている

次に、『教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている』まちについて申し上げます。

「確かな学力・豊かな心・健やかな体をはぐくむ教育の推進」につきましては、学校再編事業として、高陵中学校区では、小中一貫校の校舎増築及び中学校の一部改修工事、体育館新築の実施設計を行います。高岡西部中学校区では、小中一貫校の校舎増築工事、伏木中学校区では、小中一貫校の校舎増築及び中学校の一部改修のための実施設計、五位小学校ではプール整備など、引き続き工事等を進めてまいります。

また、多様化する教育課題に対応し、こどもたちの健やかな成長と自立を支えるため、旧平米小学校の一部を活用した(仮称)教育総合支援センターを整備するための改修等工事を実施し、令和8年4月の供用開始を目指します。

「地域に開かれた特色ある教育活動の充実」につきましては、こどもたちが泳ぐ力を伸ばし、自分の命、身の安全を守る力を身に付けてもらうため、プール授業において、民間施設等の屋内プールを活用した実証実験を行うほか、こどもたちに漆器を「みる」・「つくる」・「つかう」機会を創出するため、市内小学校での漆器製作体験等の実施を支援します。

こどもたちの防火、防災意識の向上を図るため、消火器の使い方体験や着衣状態での水の事故を防ぐための着衣泳体験講習会を開催するなど、自らのいのちを守る力を身に付けてもらう機会を充実させます。

また、公共交通乗りかたガイドブックの内容充実やバスの乗り方教室、文化施設での文化体験プログラム、起業家体験カードゲーム、プログラミング体験会などを実施し、こどもたちが将来に夢や希望を持ち、夢の実現に向けて挑戦できるよう、様々な体験ができる機会を提供します。

「教育効果を高める教育環境の充実」につきましては、学校現場における安定的なICT環境を維持するため、導入から5年が経過した学習専用端末の一斉更新を行います。また、学校体育館などにおけるより安全・安心な環境を確保するとともに、災害時における避難所としての活用も視野に入れ、空調環境のあり方を調査します。

(10)いくつになっても興味のあることを気軽に学べている

次に、『いくつになっても興味のあることを気軽に学べている』まちについて申し上げます。

「ライフステージに応じた生涯学習の振興」につきましては、住民の皆様が集い、交流していただける「地域活動の拠点」として牧野、東五位の公民館分館の機能を向上させ集約化を進めるほか、令和6年能登半島地震で被災した自治会公民館については、修繕や建替え等の復旧工事に対して支援を継続するとともに、建替えが必要となった自治会公民館については、早急に生涯学習や地域活動を再開していただけるよう、地域の意見をお聞きしながら支援制度の見直しも検討するなど、生涯学習や地域活動の維持・継続を支援します。

「未来を担う世代の育成と若者が主体となるまちづくりの推進」につきましては、地域活動への若い世代の参画を促進し、次世代の地域活動の担い手の発掘を進めるため、若い世代が参画し企画段階から関わって実施する事業や、新たな地域行事等、持続可能な住民自治につながる意欲ある取組を支援します。

(11)いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる

次に、『いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる』まちについて申し上げます。

「生涯スポーツ活動の充実」につきましては、近年注目が高まっているアーバンスポーツにつきまして、仮設スケートパーク設置や、3×3バスケットボールイベントの開催支援、ニーズ調査等を実施しながら、施設整備に向け取り組んでまいります。

「スポーツ施設の充実と効率的な活用」につきましてはスポーツコア・リフレッシュ事業として、これまでイベント広場の夜間照明の設置、人工芝化を実施し、ポテンシャル向上を図ってまいりました。令和7年度はスポーツコアの魅力を一層高めるため、テニスコート人工芝の全面張替えに向けた実施設計を行います。

また、市民体育館が築60年以上を経過している中、スポーツ環境の充実を目指し、竹平記念体育館にサブアリーナを増設するため、基本設計業務を行います。

安全・安心

(12)誰もが生き生きと自立して暮らしている

次に、『誰もが生き生きと自立して暮らしている』まちについて申し上げます。

「地域福祉の推進」につきましては、要支援者の個別避難計画の作成促進に向け、専門職の方の協力を得つつ、福祉事業所による計画作成に取り組みます。

「障がい者(児)福祉・自立支援対策の充実」につきましては、障がい福祉団体の移動手段の選択肢を増やすため、福祉バスの運行から貸切バスの借上に対する助成へ切り替えるほか、障がい者個人の外出活動を支援するため、障害者手帳情報をデジタル化する「ミライロID」の提示により市内公共施設において割引を受けられるようにします。

「高齢者福祉の充実」につきましては、65歳以上の重度・中度心身障害者の医療費助成の支給方法を現物給付方式にすることで利便性の向上を図ります。

(13)健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる

次に、『健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる』まちについて申し上げます。

「生涯を通じた健康づくりの推進」につきましては、国において帯状疱疹ワクチンが定期接種に位置付けられたことを受け、65歳の方などを対象としたワクチン接種を新たに実施します。また、令和6年度から実施していた本市独自の助成制度は、国の定期接種の方針を踏まえ、対象者を見直すとともに、経過措置を設け、継続して実施します。

「医療体制・医療制度の充実」につきましては、高岡市民病院において、地域包括ケア病棟や精神病棟の受入体制を拡充するほか、小児救急医療体制の強化を図ります。また、人間ドックにインターネット予約を導入するほか、院内にATM機能を備えたコンビニエンスストアを開設するなど、利便性向上を図ります。

そのほか、物価やエネルギー価格の高騰による経費増や、企業債の償還がピークを迎えることへの対応及び市民病院の改革を進めるため、必要な費用の一部について一般会計から貸付けを行います。

(14)地域の人々の手で環境が守られている

次に、『地域の人々の手で環境が守られている』まちについて申し上げます。

「環境保全意識の高揚」につきましては、令和5年11月に本市の中心市街地等が環境省の「脱炭素先行地域」に選定されたことを受け、太陽光パネル設置補助や域内施設のZEB化検討調査のほか、EV充電スタンドの設置等、域内における2030年カーボンニュートラルの達成と本市全体のカーボンニュートラルの推進に向けた取組を加速します。

「環境保全対策の充実」につきましては、カラスが生息しづらい環境づくりのため、市民との協働により通年で行うカラス被害軽減作戦を継続するほか、今年度実証実験で効果が得られた「カラス撃退レーザー」の設置を支援します。

また、市役所や上下水道局で更新する一部の車両をEV車にするなど、環境負荷の軽減を図ります。

(15)安全で快適な生活を送っている

次に、『安全で快適な生活を送っている』まちについて申し上げます。

令和6年度能登半島地震で被害を受けた市民や事業者への現行の支援は、令和7年度も継続するとともに、まちの復興・賑わいづくりに向けた取組についても支援の充実を図ります。

また、液状化被害が大きかった地域において、住み続けたいと思えるようなまちの復興を目指し、地域が大学等による取組とも連携して行うまちづくり構想の策定について支援します。

被災者の方々が一日も早くそれぞれの日常を取り戻せるよう引き続き全庁を挙げて復旧・復興への取組を進めてまいります。

「防災対策の充実」につきましては、令和6年能登半島地震で被害を受けた道路、河川、農地などの復旧工事を引き続き進めるとともに、液状化被害の大きかった地区を対象に、これまでの調査で有効とされた工法について試験施工や結果の解析を進めます。

また、市民の生命や財産を最大限に守るため、避難所の生活環境改善を図る資機材の充実に、国の支援を活用して取り組みます。

併せて、地域で防災・減災に取り組んでいただくための地区防災計画の作成を促進するとともに、日ごろから防災について学ぶ機会を提供するための防災ガイドを作成するなど、地域防災力の強化を図ります。また、こどもたちに防火・防災について学んでもらうためのイベントを開催するなど若年期からの防災・減災意識の醸成を図ります。

「消防・救急・救助体制の充実」につきましては、消防本部・高岡消防署庁舎の改築工事や、県西部5市をカバーする県西部消防指令センターの通信指令システム及び消防救急デジタル無線設備の改修を実施し、緊急時の対応体制の維持・向上を図ります。

また、船舶火災や水難救助活動に対応するため、富山市・射水市と共同で新たな消防艇の建造に着手します。

「道路整備、交通安全・防犯対策の充実」につきましては、こどもたちの安全確保に向けた環境整備のため、通学路や地域内の危険箇所の安全対策や、保育園等の近隣道路の整備、用排水路の安全対策に引き続き取り組みます。

「緑化の推進と保全」につきましては、高岡おとぎの森公園の魅力向上計画に基づき、かっぱの広場再整備や休憩所の整備に取り組むほか、牧野河川公園の整備を継続して行います。

「上・下水道の整備」につきましては、令和6年能登半島地震で被災した下水道施設において、一日も早い地域住民の生活再建に向け災害復旧事業に取り組みます。また、今回の地震の教訓を踏まえ、上・下水道施設の計画的な耐震化を進め、市民生活や産業基盤を支える重要なライフラインとしての役割を果たしてまいります。

(16)その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている

次に、『その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている』まちについて申し上げます。

「市民が主役の地域づくりへの支援」につきましては、多機能地域自治の導入を目指す地区において、組織設立に向けた議論を円滑に進めていただけるよう、国で登録されている外部アドバイザーの派遣に加え、地域支援サポーターとして地域おこし協力隊を採用します。また、組織設立後における地域活性化や様々な地域課題の解決に向けた取組を、新たに交付金制度を設け、支援します。

(17)市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる

次に、『市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる』まちについて申し上げます。

「市民に開かれた市政の推進」につきましては、窓口利用者の手続時間短縮を図るため、「書かないワンストップ窓口」を推進するとともに、住所変更の手続などについて、事前にインターネットで来庁予約ができるようにするなど、利便性向上を図ります。

また、「新庁舎整備ロードマップ」に基づき、令和17年度の新庁舎供用開始を目指し、災害対応やDXの進展等、時代に求められ、市民の利便性の向上につながる庁舎機能のあり方を検討するうえで必要な調査を実施します。

「高度情報化の推進」につきましては、災害時の情報伝達及び消防団相互の連絡を円滑に行うため、結ネットICTプラットフォームサービスを導入し、消防団の地域防災力向上を図ります。

また、TAKAOKAアプリ内に、もしもの時に自分が望む医療や介護などについて家族等と共有するための機能を追加することにより、市民が人生をより自分らしく送れるよう支援します。

そのほか、水道事業においては、スマートメーターの導入エリアを拡大するとともに、水位センサーの活用や、漏水監視システムの追加導入等、新しい技術を積極的に活用し、上下水道事業の効率化やサービス向上を図ります。

3 歳入予算の概要

次に、歳入予算のうち、主なものについてご説明申し上げます。

まず、市税収入につきましては、令和6年に実施された定額減税終了の影響により、個人市民税の増加を見込むほか、新築家屋数の動向を踏まえ固定資産税の増加を見込み、270億3,958万8千円を計上しております。

地方交付税につきましては、令和6年度の交付実績をベースに、令和7年度の地方財政計画等に基づき試算したところであり、昨年度と同額を見込んでおります。

各種交付金等につきましては、地方財政計画等に基づき、それぞれ見込み額を計上しております。

国庫支出金及び県支出金につきましては、児童手当の対象拡充等に伴う負担金の増加や、宅地液状化等の復旧に対する補助の増加など、事業内容、事業採択の見通しなどを踏まえ、それぞれの事業に見合った額を計上しております。

市債につきましては、今後も将来世代への負担を軽減させるため、令和5年度から取組を進めている「高岡市行財政改革推進プラン ~高岡再始動計画~」を踏まえ、今後も引き続き市債残高の適正な管理に努めます。

4 組織体制

行政組織につきましては、簡素で効率的な組織体制を基本としつつ、新たな行政課題や多様化する市民ニーズに対応した施策を迅速かつ効果的に推進するための組織体制の構築を図ってまいります。

まず、令和6年能登半島地震で液状化現象により甚大な被害を受けた地区の長期的な対策等を着実に前へ進めていくため、本年1月1日に都市創造部に新設した震災復旧推進課の主要職員を専任化いたします。加えて、今後、道路等の復旧工事が一層本格化していくことから、その最前線となる土木維持課の体制を強化するなど、一日も早い復旧・復興の実現に向けた組織体制を構築いたします。

また、新たな行政課題への対応として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を加速させるとともに、中心市街地の脱炭素及び資源循環への本格的な展開を見据えて、新たに生活環境文化部に脱炭素推進課を設置いたします。

このほか、戸籍の氏名への振り仮名の記載が法制化されたことを受け、市民の方が市役所への振り仮名の届出を円滑に行えるよう、専用窓口の設置を行うなど、効率的で質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。

第3 条例その他

次に、条例その他議案について申し上げます。

条例議案につきましては、高岡市民病院において医療職員を確保するため、新たに奨学金返還支援貸付制度を創設するための「高岡市民病院医療職奨学金返還支援金貸付条例」の制定など、18件を提案しております。

その他議案につきましては、高岡西部中学校区小中一貫校の校舎増築及び改修に係る工事請負契約の締結など10件を提案しております。

報告案件3件につきましては、令和6年度高岡市一般会計補正予算の専決処分に係るもので、この冬の除雪に対処するため、補正予算措置を講じたものです。

以上、令和7年度予算をはじめ、提出いたしました諸案件について、その概要をご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

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