令和6年高岡市議会9月定例会

更新日:2024年09月06日

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令和6年高岡市議会9月定例会市長提案理由説明

第一 市政の運営にあたって

一 はじめに

 

 令和6年9月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

 8月11日までパリで開催された夏季オリンピックに、トナミ運輸バドミントン部所属の3選手が日本代表として出場されました。男子ダブルスでは保木卓朗選手、小林優吾選手、女子シングルスでは大堀彩選手が、世界の舞台で溌溂としたプレーを繰り広げ、市民の皆様に勇気を与えてくれました。選手の皆様に心から敬意を表します。

 さて、昨年7月の線状降水帯の発生による豪雨災害から1年あまりが経過し、本市としても災害への備えを進めてまいりました。今年度は今のところ幸いにも本市において大規模な水害は発生しておりませんが、今後も台風など、いつ災害が起こるか分からず、引き続き災害への備えを万全にしてまいります。

 次に、令和6年能登半島地震から8カ月が経過し、復旧・復興に関しては、7月から公費解体が本格的に始まりました。一方、愛着ある自宅の今後について、様々な復旧の支援策を打ち出してきた中、被災者の中には解体又は修繕で迷っておられる方もいらっしゃいます。そこで先般公費解体の申請期限を延長したところであり、今後、二次被害の可能性が高い物件などを優先しながら解体への対応を進めつつ、被災者の皆さんに寄り添った対応に努めてまいります。

 同じく7月より、伏木地区と吉久地区においては富山大学や東京工業大学の学生の皆さんが、被災地区の建物被害に関する聞き取り調査を開始しました。調査で得られた情報やデータは、今後の復旧作業やまちづくりの参考として活用したいと考えております。

 また、液状化の被害の大きかった地区においては、住民の皆様のご理解・ご協力を得つつ、下水道復旧工事の工期短縮に努めるなど、被災地区の一日も早い復旧・復興に向け取り組んでまいります。

 さらに、今後の災害への新たな備えとして、悪天候の中でも現場確認ができる全天候型ドローンを導入したほか、市内の拠点避難所28箇所に、地震発生時に市職員及び施設管理者の到着を待つことなく鍵を入手できるよう、震度5弱以上の揺れを感知すると自動解錠されるキーボックスを設置しました。

 先日実施した総合防災訓練においては、自主防災組織による情報収集・伝達、避難誘導などの「わがまち訓練」に加え、地域防災力の強化を念頭に、新たに福祉避難所との連携訓練や外国人支援のための避難所巡回訓練を行ったところです。

 被災者の方々が、一日も早くそれぞれの日常を取り戻し、心穏やかに過ごせるよう、引き続き全庁を挙げて復旧・復興に取り組むとともに、市民の皆様と共に「強い高岡」を目指してまいります。

 地域が主体となったまちづくりについては、持続可能な「高岡型コミュニティ交通」として、7月1日に木津地区の地域バス「木津ぐるりんバス」、7月31日に野村地区の予約制の乗合タクシー「のむタク」の本格運行がそれぞれ始まりました。これまで実証運行のほか様々な検討を重ね、問題を一つひとつ解決しながら、本格運行へとつなげられた両地区の関係者の皆様に敬意を表するとともに、地域の皆様の挑戦が地域の課題解決に向けて動き始めたことを大変心強く思っております。

 また、福田地域交流センターでは、夏休みのこどもの居場所づくりとして、センターを開放し、地域の高齢者らがボランティアでこどもを見守り、音楽サークルのメンバーが楽器を教えるなど、多世代交流や地縁の強化につながる取組を実施されました。

 いずれの活動も、人口減少や少子高齢化が進む中で地域が抱える課題に対し、住民自らが向き合い、主体となって解決策を検討し、実践する気運が醸成されてきたものと感じております。引き続き「持続可能な未来都市 高岡」の実現に向け、地域の挑戦を後押ししてまいります。

 稼ぐ観光の振興については、7月に新高岡駅の観光交流センターのリニューアルを行いました。待合スペースの座席数を1.5倍に拡充したほか、北陸新幹線の運行状況のモニターの設置、ご当地カプセルトイ・自動販売機の設置など、様々な利用者が快適に過ごせる空間になるよう努めました。

 リニューアルにあたっては、「こどもまんなか」を意識し、おむつ替えもできる授乳室も新たに設置しました。また、駅舎内のコンビニエンスストアにもご協力いただき、紙おむつの少量販売を新たに開始いただくなど、子育て世代にも利用しやすい場所となるようホスピタリティの向上に努めました。利用者からは「雰囲気が良くなった」、「ゆったりとしたスペースがあって良かった」といった声をいただいており、今後も民間事業者と連携しながら「こどもまんなか」の取組を推進してまいります。

 10月には北陸デスティネーションキャンペーン(北陸DC)が開催されます。本市においても、観光事業者や交通事業者と連携して、クーポンを活用した宿泊促進キャンペーンや北陸DC期間限定ツアーの実施、路線バス・高速バスのフリーきっぷの販売など、来訪される方への心を込めた「おもてなし」に努めるとともに、本市や県西部、飛越能の魅力をPRし、戦略的に稼ぐ観光につなげてまいります。

二 市政運営の基本姿勢について

 

 令和6年能登半島地震によって、住家や公共インフラをはじめ、従来の日常生活の“当たり前”を支えてきた土台が揺るがされました。今、私たちは共に一歩を踏み出し、新たな未来への希望を創出するため、単に元の“当たり前”を取り戻すのではなく、未来に必要とされる新たな“当たり前”を「つくり」、「まもり」、「かえていく」ことが重要であると感じております。

 本市が長期的なビジョンとして掲げている「持続可能な未来都市 高岡」の実現に向けて、市民の様々な「挑戦」から生まれたヒト・モノ・コトの「循環」は、その歯車が噛み合いはじめたことで、より大きな「環」となりつつあります。

 活力ある地域社会、そして活力ある地域経済の創出のためには、循環を持続し、市民が心をあわせ挑戦し続けることが重要であり、市職員一丸となって市民の皆様が一歩前に踏み出す挑戦を全力で支えてまいります。

 来年度予算編成に向けては、震災からの復旧・復興を進めながらも持続可能な財政運営を目指し、長期的な視点で投資的案件を精査するサマーレビューを実施いたしました。

 これから令和7年度予算編成作業が本格化し、来月には、当初予算編成方針を発表させていただく予定であります。「持続可能な未来都市 高岡」の実現に向け、引き続き未来に必要な「循環」を創出するとともに、高岡が抱える社会課題等の解決を目指し、市民の皆様とともに、心をあわせ、勇気を持って進んでまいります。

第二 提出議案について

 

 次に、ただいま上程されました予算議案4件、条例議案6件、その他議案4件、認定議案2件の計16件についてご説明申し上げます。

 議案第106号から第109号までは、一般会計及び特別会計の補正予算です。

 補正予算の規模は、

 一般会計 11億9,319万3千円の増額

 特別会計  3億   38万3千円の増額

 総計   14億9,357万6千円の増額です。

 今回の補正予算では、令和6年能登半島地震の復旧・復興事業を迅速かつ円滑に進めるため、「復旧工事推進住宅」の確保や国の災害査定を受けた農地の復旧、追加で実施する下水道管渠のカメラ調査や土砂撤去等に必要な経費を計上します。

 また、県内で初めて「こども誰でも通園制度」に試行的に取り組むほか、公共交通事業者や国の「酷暑乗り切り緊急支援」の支援対象とならない事業者への支援を実施します。

 以下、その主な内容について、ご説明申し上げます。

 震災からの復旧・復興については、令和6年能登半島地震による災害復旧工事を一日も早く進めるため、工事に伴う沿線の方々の一時的な仮住まいとして、市独自に「復旧工事推進住宅」を確保し提供します。また、地震により被災した農業用施設の復旧にあたり、国の災害査定を受けたものについて必要となる事業費を確保するほか、震災後、時間の経過に伴い新たに確認された下水道管渠の異常個所について、カメラ調査や土砂撤去等を実施するための費用を計上します。

 次に、こども及び子育て家庭に対する支援を強化するために、保護者の就労状況に関わらず、保育所等にこどもを預けられる「こども誰でも通園制度」が令和8年度より全国で実施されることを見据えて、県内で初めて試行的に事業を実施します。

 また、沿線住民の通勤・通学など市民生活に欠くことのできない交通手段の維持・確保のため、国・県と連携し路線バスの運行を支援するほか、国の「酷暑乗り切り緊急支援」の支援対象とならない特別高圧を受電している事業者に対し、負担軽減のための支援を実施します。

 あわせて、女性の働く環境改善に取り組む中小企業等の生産性の向上や新規就労者の確保を支援します。

 また、公的病院としての役割を担いつつ、将来にわたって安定的な医療を提供するため、市民病院の収支改善を図る経営支援業務を委託します。

 そのほか、昨今の著しい物価上昇傾向下においても、現在予定されている学校再編等を着実に進めていくため、また、今後の財政需要の変動に対応するための弾力的な財源を確保するため、令和5年度の決算剰余金の一部を公共施設等整備改修基金及び財政調整基金に積み立てます。

 続きまして、議案第110号から第119号までの条例その他議案について申し上げます。

 条例議案につきましては、児童手当法施行令の改正に合わせ、妊産婦医療費助成において所得制限を撤廃する高岡市妊産婦医療費助成条例の一部を改正する条例など、6件を提案しております。

 その他議案につきましては、高機能消防指令システム及び消防救急デジタル無線設備に係る製造請負契約の締結など、4件を提案しております。

 認定議案2件につきましては、令和5年度の本市企業会計に係る決算、並びに一般会計及び特別会計の歳入歳出決算を、監査委員の審査意見書を添えて認定に付するものです。

 以上、提出いたしました諸案件についてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議の上、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

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