令和6年高岡市議会6月定例会

更新日:2024年06月14日

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令和6年高岡市議会6月定例会市長提案理由説明

第一 市政の運営にあたって

一 はじめに

 

令和6年6月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震から、5か月余りが経過いたしました。改めて、被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、全国各地から応援に駆けつけていただいた自治体の皆様、ボランティアの皆様、多大なる寄附を賜りました企業や団体、個人、すべての皆様に、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

発災以来、給水活動や救援物資の提供、応援職員の派遣等、多大なご支援を賜りました全国各地の自治体へは、私や副市長などが御礼に伺っておりますが、訪問した先々で、復旧・復興への励ましのお言葉を頂戴するとともに、いつ来るかわからない震災に備え、互いの協力体制についての確認と更なる連携のお願いを行ってきたところであります。

本年3月末に作成した高岡市震災復興計画において、強い高岡を構築していくという復興ビジョンを掲げ、おおむね3年で復旧・復興を目指すロードマップをお示ししました。

また、庁内に災害復旧推進グループを発足させ、その進捗管理や被災した地域との協力関係の構築に努めてまいりました。伏木地区においては、液状化からの復旧事業を迅速かつ着実に進めるため、「伏木地区復興ロードマップ推進委員会」が組織されるなど、復旧・復興に向けた市民、地域、行政の思いが一つにまとまりつつあるものと受け止めております。

4月には液状化対策をはじめとする被災者支援策などを拡充するとともに、生活再建に向けた個別相談会を開催するなど、被災した地域の方々に寄り添った対応に努めてまいりました。

先月末には、伏木、吉久、横田の3地区において、住民説明会を開催し、地域の皆様に復旧に向けた個別計画(案)をお示しさせていただきました。現在は、液状化対策の工法等を検討するうえで必要なボーリング調査に取り掛かっているところです。今後も一日にも早い復旧・復興を目指し、引き続き全庁をあげて取り組んでまいります。

さて、5月には本市を代表する祭礼行事が、安全面等への十分な配慮のうえ、無事開催されました。5月1日の高岡御車山祭につきましては、御車山保存会をはじめとする山町の皆様のご尽力により、高岡が誇る町民文化を多くの方々にご覧いただくことができました。

また、5月18日の伏木曳山祭では、伏木地区の心意気を示す「かっちゃ」は、会場を変更し、無観客での実施となりましたが、祭りが地域の皆様の元気や活力につながったものと受け止めております。

いずれの祭礼においても、地域の伝統文化を守り未来につないでいく熱い思いと、地域に活力を生み出し、震災から立ち直ろうとする強い意志を感じ、私としても1日でも早い復旧・復興への決意を改めて心に誓ったところです。市民の皆様のお力添え、ご理解、ご協力を改めてお願い申し上げます。

この間、震災の影響で開催が延期されていた「二十歳の集い」について、参加者のご理解をいただきながら5月4日に開催することができました。私は伏木中学校区の会場に出席させていただき、激励とお祝いの言葉を述べさせていただきました。出席者の中には、災害ボランティアなどの被災者支援に取り組んでいただいた方もおられ、「復興のためにできることをしたい」、「震災の経験を活かしていきたい」という声も頂戴しました。若い世代の皆様に、地元で活躍したいと思ってもらえるよう、今後とも高岡で暮らすこと、働くことの魅力を広く伝えてまいります。

スポーツの分野では、嬉しい話題がありました。今年パリで開催される夏季オリンピックの日本代表に、トナミ運輸バドミントン部所属の3選手が内定し、男子ダブルスでは、保木卓朗選手、小林優吾選手、女子シングルスでは、大堀彩選手が出場されます。

会見での「自分たちのプレーで被災者を元気づけたい」といったコメントをお聞きし、地元への想いも背負って世界に挑む姿勢に心から敬意を表するともに、本市にゆかりのある選手の、世界を舞台にした活躍をご期待申し上げ、市民の皆様と共に全力で応援します。

また、先日、震災後のボランティア活動にもご協力いただきました伏木海陸運送硬式野球部が、3年ぶり7回目の都市対抗野球大会への出場を決められました。本市を代表する選手の皆様の東京ドームでの活躍を心よりご祈念申し上げます。

二 市政運営の基本姿勢について

本年3月に北陸新幹線金沢-敦賀間が開業しました。JRの発表によるとゴールデンウィーク期間における北陸新幹線の利用率は前年度比14%の増、また、一部新聞報道では、新高岡駅における3月の人流が前年同月と比較して10.5%の増となるなど、「第2の開業」による効果が着実に現れ始めております。10月に予定されている北陸デスティネーションキャンペーン等の機会を最大限に生かし、新たな交流人口の拡大と「稼ぐ観光」につながる取組を戦略的に展開してまいります。

まちなかにおいては、これまで令和4年度に策定した「第4期高岡市中心市街地活性化基本計画」に基づき、民間資本によるホテルの開業や分譲マンションの誘致、服飾・飲食等の新たな商業施設の開業支援など魅力向上に取り組んできた結果、昨年度の中心市街地の人口が社会増となるなど、変化が生まれてきております。さらにまちなかの付加価値を向上させるため、脱炭素先行地域推進事業を活用しつつ、まちなかにおける環境と地域経済の好循環を生み出す「サーキュラーエコノミー」の推進に取り組んでまいります。

本市の長期的なビジョンである「持続可能な未来都市 高岡」の実現には、将来地域を支えてくれるこどもたちの存在が重要です。地域の宝であるこどもをまんなかに据え、4月からは副食費の軽減をはじめ、様々な子育て支援策の取組を進めており、今後も「こどもを産み育てやすいまち」を目指し、国・県の施策と連動した切れ目のない対応や支援を積極的に実施してまいります。

本年4月には、横田、川原、西条の3つの小学校を統合した「高岡西部小学校」と、五位、千鳥丘の2つの小学校を統合した「五位小学校」がそれぞれ新たに開校いたしました。開校式では、新たな学び舎での生活や出会いを楽しみにしてくれているこどもたちの姿をみて、私自身も、新鮮な気持ちで新年度のスタートを迎えることができました。

本年度は高陵中学校において、小中一貫校の開校に向け、校舎の増築工事に取り組んでおり、少子高齢化や人口減少が進む中においても、地域とともに、こどもたちの健やかな成長を支えるため、今後も教育環境の充実に取り組んでまいります。

本市の将来を担うこどもたちが、様々なことを学び、経験し、輝かしい未来に向かっていけるよう環境を整えるためには、私をはじめとした大人がこどもをまんなかに考え、様々なことに未来を見据えて取り組んでいかなければなりません。住民の代表である議員各位をはじめ、市民の皆様には、こどもまんなか社会の実現に向け、ご理解とご協力をお願いいたします。

第二 提出議案について

 

次に、ただいま上程されました予算議案2件、条例議案7件、その他議案17件についてご説明申し上げます。

議案第79号及び第80号は、一般会計及び特別会計の補正予算です。

補正予算の規模は、

一般会計 49億  119万9千円の増額

特別会計 4億4,700万円 の増額

総計 53億4,819万9千円の増額です。

今回の補正予算では、令和6年能登半島地震の復旧・復興事業を迅速に行うため、令和6年能登半島地震復旧・復興推進基金を設置するほか、液状化被害からの宅地の復旧工事等に対する支援や、公費解体受付期間を延長することなどに伴う必要な経費を計上します。

また、物価高により厳しい状況にある生活者を支援するため、令和6年度に新たに住民税非課税となった世帯等へ給付金を支給します。

あわせて、新型コロナウイルスワクチンの定期接種の実施や、脱炭素先行地域としての取組の推進、スポーツ施設等への予約システム導入等に必要な費用を確保します。

以下、その主な内容について、ご説明申し上げます。

震災からの復旧・復興については、被災者が行う液状化被害を受けた宅地の擁壁や地盤の復旧工事等に要する経費についての支援を行うとともに震災からの早期の復旧・復興を図るため、令和6年能登半島地震復旧・復興推進基金を設置します。

また、公費解体への申請書類の準備等に時間を要することから公費解体の申請期間を延長すること及び非住家への対象拡大による解体棟数の増加等に伴う費用を確保します。

加えて、震災により被害を受けた小学校、中学校、義務教育学校及び特別支援学校について、各種補修・修繕を行います。

次に、物価高により厳しい状況にある生活者を支援するため、令和6年度新たに住民税非課税等となる世帯へ給付金を支給し、そのうち18歳以下の児童がいる世帯へは加算金を支給するほか、定額減税によって所得税額・住民税所得割額を満額控除しきれないと見込まれる方に対し、差額分を給付金として支給します。

また、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチンの定期接種を実施するほか、脱炭素先行地域におけるカーボンニュートラルの実現に向け、EVカーシェアリングの拠点構築やエリア内の脱炭素化を推進するための民間活力による進捗管理等を実施します。

あわせて、旧平米小学校の新校舎部分等を活用して、仮称教育総合支援センターを整備するにあたり、新校舎部分の改修・増築及び旧校舎部分の解体に係る設計及び調査等を実施します。

そのほか、文化施設やスポーツ施設、地域交流センター等の利便性向上のため、県の共同調達・運用に参画し、共通の予約システムやスマートロックを導入します。

続きまして、議案第81号から第104号までの条例その他議案について申し上げます。

条例議案につきましては、高岡市令和6年能登半島地震復旧・復興推進基金条例の制定など、7件を提案しております。

その他議案につきましては、下伏間江福田線立体交差整備2期その2工事に係る工事請負契約の締結など、17件を提案しております。

以上、提出いたしました諸案件についてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議の上、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

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