工場立地法にかかる用語の定義
敷地面積
- 工場等(工場、駐車場、資材置き場等)の用に供する土地の全面積をいいます。
- 所有形態(自己所有地、借地等)は問いません。(土地を貸している場合はその部分は敷地から除き、借りている場合はその部分を含みます。)
- 用途不明のまま予備として確保している敷地も含みます。
- 敷地が道路等で分断されていても、一体として利用されているものは一つの敷地として扱います。
- 社宅、寮、病院の敷地は除きます。
建築面積
- 工場敷地内にあるすべての建築物の水平投影面積(測り方は建築基準法と同じ)をいいます。(延べ床面積ではありません。)
- 社宅、寮または病院の建築物は除きます。
生産施設
1定義
規則第2条
- 製造業における物品の製造工程(加工修理工程を含む。)、電気供給業における発電工程、ガス供給業におけるガス製造工程または熱供給業における熱発生工程(以下「製造工程等」という。)を形成する機械または装置が設置される建築物
- 製造工程等を形成する機械または装置で前号の建築物の外に設置されるもの
- (注意)物品の製造工程を形成する機械または装置とは、原材料に最初の加工を行う工程から出荷段階前の最終の製品が出来上がるまでの工程のうち直接製造・加工を行う工程を形成する機械または装置及びこれらに付帯する用益施設(受変電施設及び用水施設を除く。)をいいます。発電工程、ガス製造工程、熱発生工程または加工修理工程を形成する機械または装置は物品の製造工程を形成する機械または装置に準ずるものをいいます。
- (注意)一時的な遊休施設や廃止された施設でも、撤去されない限り原則として生産施設とします。(生産施設以外に用途変更した場合は除きます。)
- (注意)生産施設に該当しないもの
- 事務所、研究所、食堂等で独立した建築物
- 倉庫関連施設で独立した建築物(半製品や中間製品のタンク等で製造工程の区画内にあるものは生産施設となります。)
- 出荷輸送関連施設(生産工程の一環として製品の包装・荷造(梱包)を継続して行うものは生産施設となります。)
- 受変電施設及び用水施設(取水・貯水施設、冷却塔、排水施設等)
- 製造工程以外の用に専ら供されるボイラー、コンプレッサー等
- 検査所・試験室(生産工程の一環として検査・試験を行うものは生産施設となります。)
- 修理工場(製造・加工と修理をあわせて行う修理工場は生産施設となります。)
- 公害防止施設(有用成分の回収や副産品の生産を行う場合は生産施設となる場合があります。)
- 排煙施設(煙突、煙道等)
- 試作プラント(実稼動プラントに移行する可能性のあるものや試作品等を販売する場合は生産施設となります。)
2面積の測定方法
- 原則として投影法による水平投影面積(測り方は建築基準法と同じ)を測定します。
一つの建築物に生産施設と生産施設以外の施設が含まれる場合は、原則として建築物の全水平投影面積を生産施設面積とします。ただし、同一建築物内の原材料・完成品の倉庫、一般管理部門の事務所、食堂で、壁で明確に仕切られ実質的に別の建築物とみなされるものがある場合は、当該床面積を除いた面積とします。(吹き抜けとなっている場合、壁が中空までしかない場合、移動式カーテンウォール、のれん、つい立等により仕切られている場合は実質的に別の建築物とみなすことはできず、生産施設となります。) - 屋外にある機械・装置の面積は、原則として水平投影図の外周によって囲まれる面積を測定します。(原則として地盤面上1メートル未満の基礎部を除きます。)架台がある場合は、架台の投影面積とします。
緑地
1定義
規則第3条
- 樹木が生育する区画された土地または建築物屋上等緑化施設であって、工場または事業場の周辺の地域の生活環境の保持に寄与するもの
- 低木または芝その他の地被植物(除草等の手入れがなされているものに限る。)で表面が被われている土地または建築物屋上等緑化施設
- (注意)樹木の植栽は区画された土地または建築物屋上等緑化施設全体に平均的に植栽されていなければなりません。全体に平均して植栽されていない場合は、裸地を除く植栽部分を緑地とします。
- (注意)建築物屋上等緑化施設のうち緑地に算入できるのは、敷地面積に緑地面積率を乗じて得た面積の4分の1までとされています。
- (注意)緑地と緑地以外の施設が重複する場合(屋上庭園、パイプ下の芝生、藤棚の下が広場または駐車場になっている場合等)にあっては、重複部分は緑地とします。
- (注意)苗木床、花壇及び植生、美観等の観点から良好な状態に維持管理されている雑草地は緑地として認められます。
- (注意)野菜畑、温室、ビニールハウスは緑地として認められません。
- (注意)緑化工事の終了時期は、原則として緑地の設置届出と同時に届け出た生産施設の運転開始時までとなっています。
2面積の測定方法
- 樹木が生育する土地・建築物屋上等緑化施設でさく、置石、へい等により区画されているものについては、その区画の面積を緑地面積として測定します。
- 樹木が生育する土地・建築物屋上等緑化施設でさく、置石、へい等により区画されていないものについては、外側にある各樹木の幹を直線で結んだ線で囲まれる面積を緑地面積とします。
- 一列の並木状の樹木が生育する土地・建築物等屋上緑化施設でさく、置石、へい等により区画されていないものについては、並木の両端の樹木に沿って測った距離に1mを乗じた面積を緑地面積とします。
- 単独の樹木は、その樹冠の水平投影面積を緑地面積とします。
- 法面(斜面)を緑化した場合は、法面(斜面)の水平投影面積を緑地面積とします。
- 直立壁面において、緑化施設を設置した場合は、緑化部分の水平延長に1mを乗じた面積を緑地面積とします。
環境施設
緑地と緑地以外の環境施設をいいます。
1緑地以外の環境施設の定義
規則第4条
次に掲げる施設の用に供する区画された土地(緑地と重複する部分を除く。)で工場または事業場の周辺の地域の生活環境の保持に寄与するように管理がなされるもの
- 噴水、水流、池その他の修景施設
- 屋外運動場
- 広場
- 屋内運動施設
- 教養文化施設
- 雨水浸透施設
- 太陽光発電施設
- 前各号に掲げる施設のほか、工場または事業場の周辺の地域の生活環境の保持に寄与することが特に認められるもの
(注意)緑地以外の環境施設の判断基準(次のいずれかを満たすもの)
- オープンスペースであり、かつ、美観等の面で公園的に整備されていること。
- 一般の利用に供するよう管理されること等により、周辺の地域住民等の健康の維持増進または教養文化の向上が図られること。
- 災害時の避難場所等となることにより防災対策等が推進されること。
- 雨水等の流出水を浸透させる等により地下水の涵養が図られること。
(注意)各施設の具体例
- 修景施設:噴水、水流、池、滝、つき山、彫像、灯ろう、石組、日陰たな等
- 屋外運動場:野球場、陸上競技場、蹴球場、庭球場、バスケットボール場、バレーボール場、水泳プール、スケート場、相撲場等で屋外にあるもの
- 広場:休息、散歩、キャッチボール程度の簡単な運動、集会等総合的な利用に供する明確に区画されたオープンスペースで公園的に整備されているもの(単なる空き地等は含まれません。)
- 屋内運動施設:体育館、屋内水泳プール、屋内テニスコート、武道館、アスレチックジム等
- 教養文化施設:企業博物館、美術館、音楽・演劇ホール等で、教養文化の向上に資するもの(販売を目的に自社製品を展示している施設、単に絵画等を展示している通路等は含まれません。)
- 雨水浸透施設:浸透管(浸透トレンチ)、浸透ます(雨樋等といった雨水を通すためだけのものは除く。)、浸透側溝、透水性舗装が施された土地等で雨水を集めて地下に浸透させ、雨水の流出を抑制することにより、地下水源の涵養、浸水被害の防止、合流式下水道の越流水による汚濁負荷の削減に資することを目的とし、かつ、設置される地域の特性からみてその効果が十分に見込まれるもの
- その他:美観等の面で公園的な形態を整えている調整池、防火用の貯水池で周辺の地域の生活環境の保持に寄与するもの、野菜畑等(駐車場は環境施設には含まれません。)
2面積の測定方法
- さく、置石、へい等で区画された土地の面積を環境施設面積として測定します。
- 屋内運動施設、教養文化施設は水平投影面積(測り方は建築基準法と同じ)を環境施設面積として測定します。
更新日:2024年03月25日