高岡市公共工事総合評価方式施行要領
趣旨
第1条
この要領は、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号)に基づき、市が発注する公共工事の品質確保の促進を図るため、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)の規定に基づき、価格その他の条件が市にとって最も有利なものをもって申込みをした者を落札者とする入札の方式(以下「総合評価方式」という。)を試行するに当たり、必要な事項を定めるものとする。
総合評価方式の試行対象工事
第2条
総合評価方式の試行対象工事は、入札価格と企業がもつ技術的な要素(以下「技術提案」という。)とを一体として評価することが適当と認められる工事とする。ただし、緊急を要する工事及び小規模な工事は、除くものとする。
総合評価方式の型式
第3条
総合評価方式は、当該工事の難易度、技術的な工夫の余地、規模等に応じ、次に掲げる型式に区分する。
- 高度技術提案型技術的な工夫の余地が大きい工事において、構造上の工夫や特殊な施工方法等を含む高度な技術提案を求め、ライフサイクルコスト、工事目的物の強度、耐久性及び維持管理の容易性、環境の維持、景観等を評価項目として技術提案を評価し、技術提案と入札価格とを総合的に評価するもの
- 標準型技術的な工夫の余地が大きい工事において、施工上の工夫等一般的な技術提案を求め、環境の維持、交通の確保、特別な安全対策等を評価項目として技術提案を評価し、技術提案と入札価格とを総合的に評価するもの
- 簡易型技術的な工夫の余地が小さい工事において、施工の確実性を確保するため、簡易な施工計画、同種工事の施工実績、工事成績等を評価項目として技術提案と入札価格とを総合的に評価するもので、当該工事の内容に応じ、次のいずれかの区分に該当するもの
- アAタイプ簡易な施工計画、企業の施工能力、配置予定技術者の能力及び企業の地域性・社会性を確認することにより、品質が確保されると見込まれる工事を対象とするもの
- イBタイプ企業の施工能力、配置予定技術者の資格並びに企業の地域性・社会性を確認することにより、品質が確保されると見込まれる工事を対象とするもの
学識経験者の意見聴取
第4条
総合評価方式を実施するに当たり、地方自治法施行令第167条の10の2第3項に規定する落札者決定基準を定めようとするとき、及び同条第5項に規定する場合において落札者を決定しようとするときは、同条第4項または第5項(これらの規定を同令第167条の13において準用する場合を含む。)の規定により、学識経験を有する者の意見を聴取するものとする。
総合評価の方法
第5条
- 総合評価の方法は、次の式により算出して得られる数値(以下「評価値」という。)をもって行うものとする。
評価値=技術評価点÷入札価格(単位:百万円)
=(標準点+技術加算点)÷入札価格(単位:百万円) - 標準点とは、要求する要件を最低限満たしている技術提案について与える点数(100点)をいう。
- 技術加算点とは、技術提案について、別表に規定する評価項目及び評価基準に基づき算出される点数をいう。
- 技術加算点は、あらかじめ市が設定する総合評価方式の型式に応じた技術提案を入札参加者に求め、当該技術提案の審査及び評価を行い、算出するものとする。
落札者の決定方法
第6条
- 落札者は、次の要件を満たす入札参加者のうち、評価値が最も高い者とする。
- 要求する要件を最低限満たしていること。
- 入札価格が予定価格を超えていないこと。
- 評価値が、次の式により算出して得られる基準評価値を下回っていないこと。
基準評価値=100点(標準点)÷予定価格(単位:百万円)
- 評価値の最も高い者が2者以上あるときは、入札価格が低い者を落札者とする。ただし、入札価格が同額である場合は、当該者にくじを引かせて落札者を決定するものとする。
- 落札者となるべき者の入札価格が調査基準価格を下回る場合には、第1項及び前項の規定にかかわらず、落札者の決定を保留し、高岡市低入札価格調査制度実施要領に基づき、審査を行い、落札者を決定するものとする。
- 総合評価方式の試行対象工事に係る入札については、高岡市契約に関する規則及び入札心得のうち、落札者の決定に関する規定は、適用しない。
評価結果等の公表
第7条
入札参加者が提示した技術提案に係る技術評価点及び入札価格並びに評価値については、契約締結後、速やかに公表するものとする。
苦情の処理
第8条
入札参加者から落札者の決定等に関し苦情があったときは、当該入札参加者の評価項目ごとの評価点数を通知するものとする。この場合において、当該評価の理由を求められたときは、その理由を説明するものとする。
技術提案等の履行の担保
第9条
- 落札者の技術提案に記載された事項は、契約書、特記仕様書等に追加事項として記載するものとする。
- 当該技術提案の技術提案書、簡易な施工計画に記載された事項が履行されていないことを確認した場合は、原則として、再施工または修補による履行を行わせるものとする。ただし、再施工または修補による履行が合理的でないと認められる場合には、次の総合評価方式の型式の区分に応じ、それぞれ次の措置を講ずるものとする。
- 高度技術提案型工事成績評定の減点及び違約金の徴収
- 標準型工事成績評定の減点及び違約金の徴収
- 簡易型工事成績評定の減点
- 工事成績評定の減点は、次の式により算出して得られる数値をもって行うものとする。ただし、虚偽の報告その他の悪質な行為があった場合に行う工事成績評定の減点の点数は、13点とする。
工事成績評定の減点の点数=8×{(α-β)/α}- αは、当初の技術加算点とする。
- βは、達成度合いに応じて再計算した技術加算点とする。
- 違約金は、次の式により算出して得られる額を徴収するものとする。
- Cは、当初の契約金額(円)とする。
- αは、当初の技術加算点とする。
- βは、達成度合いに応じて再計算した技術加算点とする。
補則
第10条
この要領に定めるもののほか、総合評価方式の試行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
- この要領は、平成19年11月1日から施行する。
- この要領は、平成20年4月1日から施行する。
更新日:2024年03月25日