伏木北前船資料館
高岡市伏木北前船資料館(旧秋元家住宅)
高岡市指定有形文化財 平成10年7月1日指定

伏木港(古くは伏木浦、伏木湊と呼ばれた。)は小矢部川の河口に位置し、律令時代は越中国府が置かれ、古代から知られた日本海沿岸屈指の良港です。江戸時代に入り、17世紀から加賀藩の年貢米を大阪に輸送して現金化するための重要な役割を果たしました。17世紀中頃には西廻り航路の開拓によって船便で直接大阪へ輸送できるようになると、その重要性は増して伏木港右岸にある吉久地区には加賀藩最大の米蔵が所在しました。18世紀に入り、北海道への航路が開拓されると、伏木港では能登屋(藤井家)や鶴屋(堀田家)など、自ら北前船(越中ではバイ船と呼ばれた。)を所有して交易業を営む有力な廻船問屋が現れ、様々な商品の交易が活発化しました。文政年間(1818年~1831年)に入ると、七軒問屋と呼ばれた大きな廻船問屋が台頭し、北前船交易により伏木のまちは大いに栄えました。
秋元家は、文化年間(1804年~1818年)以前より現在地で海運を生業とした旧家です。屋号は本江屋で、当初は船頭や水主などの宿泊施設を営んでいましたが、時代が下るにつれて長生丸や幸徳丸といった船を持つ廻船問屋として栄えました。
施設の概要
主屋は明治20年(1887年)の大火で焼失し、その後元通りに建て直されたと伝えられ、土蔵は、江戸時代後期まで建築年代がさかのぼるものと推定されます。
主屋は切り妻造り、一部2階建て、妻入りで、梁や束、黒壁の構成が美しいアヅマダチの形式をとっています。また、内部はオモテザシキやオクザシキ、チャシツなど整った構成で、敷地内庭園と見事に調和した数寄屋風建築となっています。土蔵は2階建で、調度蔵と衣装蔵の屋根の上には、港への船の出入りを見張るための望楼が設けられているのが最大の特徴で、見学時に実際に登り、外の景色を眺めることができます。
旧秋元家住宅は、民家としては建築年代も古く、かつて北前船で繁栄した伏木廻船問屋の数少ない遺構として評価され、高岡市指定文化財に指定するとともに、資料館として広く一般に公開しています。
展示内容
資料館では、伏木の廻船問屋による交易、伏木港の変遷など、北前船で栄えた伏木港や高岡のまちの歴史を紹介しています。そのほか、実際に使われた北前船の航海用具や全国各地の引札、船主の裕福さを伝える豪華な生活道具などが展示されています。また、北前船で北海道に大量に輸送され、高岡の鋳物業の大ヒット商品となった魚肥を製造するための「ニシン釜」の展示もあります。
ご利用案内
区分 | 詳細 |
---|---|
開館時間 | 午前9時~午後4時30分 |
休館日 |
|
観覧料 |
|
交通機関 |
|
連絡先(施設) | 富山県高岡市伏木古国府7-49 高岡市伏木北前船資料館 電話0766-44-3999 (伏木観光推進センター 電話0766-44-1199) 北前船資料館(GoogleMap) |
その他 | 資料館のザシキ等は、貸し出しが可能です。(利用料:日額3,000円) 詳細は施設または伏木観光推進センターまでお問合せください。 |
更新日:2024年03月25日