Vol.5 高岡市議会9月定例会 わかりやすい言葉

更新日:2025年09月17日

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池上彰さんに学んだ「わかりやすさ」

 

高岡市議会9月定例会で、私は答弁の言葉をなるべくわかりやすい言葉にしました。市民の人が耳で聞いてわかるかどうか。それが大事だと思っているからです。優しい言葉で伝えることは、「開かれた行政」の第一歩です。

議会の仕組みをご紹介します。まずは、議員の方が当局に質問を通告します。つまり、どんな質問をするのか、リストを出すのです。その後、担当する当局は答弁書をつくります。出来上がったら、私は答弁書に関して、市の幹部の方と協議します。皆さんと意見を出し合って、答弁書をチェックします。私はできるだけ、行政用語を避け、分かりやすい言葉にするように、心がけました。

そして出来上がった答弁書をもって、答弁に臨んだのですが、今回の議会では議場に立って、急きょ、修正しました。

福祉の問題に関するある議員さんの質問がありました。

用意した答弁書では、「老々介護や介護離職による生活困窮、介護と育児を同時に担うダブルケア」という文言。事前に目を通していたのですが、とっさに、このまま読んでもわかりにくいと判断しました。そこで、老々介護の前に「高齢者が高齢者を介護する」、介護離職の前に「介護で仕事をやめる」という言葉を入れたのです。「老々介護」、「介護離職」という言葉は読めばわかるのですが、耳で聞いてもわかりにくいと思ったのです。

「介護と育児を同時に担うダブルケア」という言葉については、「介護しながら子育てをするダブルケア」に変えました。

 

また、市民との対話に関する別の議員さんの質問。市長と市民の直接対話をどのように行い、市政に反映させていくのかという質問でした。

質問する議員の方が熱心に質問なさいました。そして、その割に答弁書はあっさりしていました。答弁書を読み上げるだけでは相手に不親切だと思いました。

私はそこで、答弁書を読み終わった後、自分の言葉で話しました。

「議員がおっしゃるように、これは第一歩だと思っている。もちろんこうした場に参加できない方、困っている方、いろんな方がいらっしゃると思う。だからこそ、早く市民の皆さまのお話を聞く機会を増やしたい。私自身、対話集会を200回以上やっていろんな方がいらっしゃった。なるべく多くの声を救い上げる。もちろんできることとできないことがあると思う。ただ、それは私自身、残された3年10か月、全力を尽くしたい」

自分の言葉で語っている議員の方には、自分の言葉で返したい。そんな思いが突如、湧いたのです。

私は職員の皆さまに原稿を書いていただき、答弁に臨んでいます。そして答弁については、何度も読んでいます。事前協議の段階で、もっと答弁原稿の表現を詰めるべきでしたね。それは反省しています。

私はテレビ朝日時代、池上彰さんと仕事をしていました。池上さんはとにかくわかりやすくニュースを解説すべきだという考えをもっていらっしゃいました。中東や経済のニュースなども池上さんの手にかかると、中学生でもわかる解説になるのです。

わかりやすく伝えることは、ジャーナリストだけでなく、行政当局にも重要だと思います。市民の皆さまからお預かりしている税金で予算をつくっているのが行政なのです。市民の皆さまに市政に関心をもってもらうためにも、できるだけ皆さまに分かってもらわなければなりません。今後も精進しますので、よろしくお願いします。