Vol.3 「利他の精神」で市政運営します
高岡市議会9月定例会が始まりました。
市長としての初めての議会です。3月定例会では議員の席についていたのですが、今日からは、反対の市当局の側に座りました。そして、予算議案と条例議案などを上程し、市政運営に対する私の思いを伝えました。なるべく分かりやすい言葉を使いました。原稿を何度も修正しました。難しい議会用語ではなく、なるべく分かりやすい言葉で伝える。
市民の皆さまに理解してもらうのは、「開かれた行政」の第一歩です。
―高岡市長選挙において、市民の皆さまからご支持をいただき、高岡市政をお預かりすることになりました。
私のチェンジ、変革への思い、高岡の現状を変えたいという思いが市民の皆様に広がった結果、多くのご支持をいただくことができたものと受け止めています。その責任の重大さを痛感しており、市民の皆様の期待に応えるため、誠心誠意取り組みます。
急激な人口減少に伴い、公共交通、医療、公共投資、子育て・教育、産業振興など様々な分野において、これまでのやり方が限界を迎えています。公共交通にしても、医療にしても、物事を変えるには大変なエネルギーが必要です。
ただ、私は現状は「待ったなし」の状況だと思っています。変化を恐れ、課題を先送りしては、市民への負担は大きくなる恐れがあります。私の任期4年でぜひとも実現しなければなりません。
チェンジを実現するには、皆様の理解や共鳴が必要です。市議時代から市長就任までの間、市民の皆様の声を聴くため、連日のように街頭に立ち、200回以上の対話集会を開催しました。今後も、記者時代からの「現場百遍」の姿勢を忘れることなく、市民との対話を重視した「市民主体のまちづくり」を進めます。
これからの4年間、市民の皆様をはじめ、議会、経済界、市職員など様々な方のご意見を伺いながら、「住みたいまち 高岡」の実現に向け、市政運営に取り組みます。―
基本的には原稿を読み上げたのですが、最後にアドリブで「利他の精神」で、市民のために市政運営したいと話させていただきました。
私はこの「利他の精神」こそが大事だと思っています。「利他」というのは、他人を利することです。つまり、他の人を助けようという考え方です。「自分だけがよければいい」という利己とは反対の言葉です。
「利他」の尊さを教えてくれたのは、京セラの創業者、稲盛和夫さんです。稲盛さんは利他の心こそが経営の判断基準であり、繁栄を導くと主張しています。逆に利己的な欲望は破たんを招くとしています。
稲盛さんは「家族のために働く、友人を助ける、親孝行をする……そうしたつつましく、ささやかな利他行が、やがて社会のため、国のため、世界のためといった大きな規模の利他へと地続きになっていく」と述べています。
私は、稲盛さんのように、「利他の精神」、つまり市民のためになるのかどうか、それを判断基準で邁進します。皆さま、よろしくお願いします。
更新日:2025年09月03日