令和元年高岡市議会6月定例会
令和元年高岡市議会6月定例会市長提案理由説明(抄)
市政の運営にあたって
- 「万葉のふるさと」づくりへの取り組みと「市民創造都市 高岡」の実現について
- 財政健全化に向けた取り組みについて
- 教育将来構想の推進による教育改革について
- 中心市街地の活性化について
- 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについて
- 高岡市民病院について
一 市政の運営にあたって
令和元年六月定例会の開会にあたり、提案理由の説明に先立ちまして、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
「万葉のふるさと」づくりへの取り組みと「市民創造都市 高岡」の実現について
まず初めに、新天皇が即位され、「令和」と改元されて一か月以上が経過いたしました。「令和」の典拠は万葉集であり、これまで平成の時代を通じて「万葉のふるさと」づくりに取り組んできた本市としては、新元号にご縁を持つことができ大変光栄に思っております。「万葉」が改めて評価される時代となり、本市がこれまで取り組んできた万葉歴史館における学術研究や企画展示、高岡万葉まつりや万葉故地などの観光素材、ふるさと納税でのゆかりの返礼品の設定など、「万葉のふるさと」づくりへの取り組みに対し、多くの方々の注目が集まっております。今後につきましても、旅行会社等へのアピールはもとより、有識者を招いたトークイベントや万葉集全二十巻朗唱の会での特別企画、首都圏等での万葉歴史館の万葉集研究に関する講座の開催などを通じ、改めて万葉のふるさと高岡を市内外に広く発信してまいります。
令和に込められた、一人一人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができるようにという思いを胸に、新しい時代において、本市も豊かな自然と歴史・文化につつまれ、人と人がつながる「市民創造都市 高岡」の実現に向け、市民の皆様と共に取り組んでまいります。
財政健全化に向けた取り組みについて
次に、財政健全化に向けた取り組みについてであります。
財政健全化緊急プログラムの推進のため、これまで職員一丸となって行財政改革に取り組んでまいりました。その結果、五年間の緊急プログラムの二年目となる今年度末時点には、順調にいけば当初の見込みの約半分を解消し、今後の収支改善必要額は残り約二十億円となる見通しです。しかしながら依然として厳しい財政状況であることに変わりはなく、加えて内部経費の削減はもとより事務事業の見直しなどについても、年々厳しくなると考えております。このため、効率的な予算執行に徹するとともに、次年度に向けた通年型の予算編成作業として、スプリングレビューやサマーレビューを通じた各部局長との政策協議の場を設け、各部局の課題や重点事業等について議論を深めてまいります。引き続き、職員一人一人が創意工夫を凝らし、財政健全化緊急プログラムに則った取り組みを着実に進め、一日も早く将来に渡って持続可能な財政運営ができるよう全力を尽くしてまいる所存であります。
教育将来構想の推進による教育改革について
次に、教育将来構想の推進による教育改革についてであります。
令和二年四月より、市内全中学校区において小中一貫教育を推進することとしており、教育改革推進室が中心となり、九年間の学びと育ちを繋ぐ効果的な教育の推進に向け取り組みを進めております。
また、再編対象である五位中学校区・国吉中学校区の小中学校六校それぞれに開設準備室を設置し、再編統合による新たな学校の開設のための具体的な作業を進めているところであります。五位中学校区においては統合小学校建設用地の購入及び基本設計を、国吉中学校区においては義務教育学校への移行のための施設の実施設計を進めてまいります。引き続き、今後十年を見据えた小中学校の配置・規模や小中一貫教育の推進の取り組みを加速させてまいります。
また、昨年の記録的な猛暑により全国的に問題となった小中学校の普通教室へのエアコン設置につきましては、市内小中学校すべての発注を終え設置工事を進めており、中学校は今月末、小学校は九月末にすべての学校で完工する予定であります。
中心市街地の活性化について
次に、中心市街地の活性化についてであります。
市内唯一の百貨店として本市の中心市街地の賑わいを牽引してきた大和高岡店が、八月二十五日をもって閉店することになりました。大変残念でありますが、約八十年という長きに渡り、高岡を代表する百貨店として、本市経済の発展に多大な貢献をいただいてきたことに、深く感謝を申し上げます。
一方、高岡駅周辺では、末広西地区においては再開発事業により完成したマンションへの入居が始まり、駅前東地区においても本年二月よりマンションとホテルの工事が着工するなど、今後もまちなかへの居住者の増加が見込まれております。このような状況の中、引き続き御旅屋セリオが中心市街地の核としての役割を担っていくことが重要であると考えており、これを運営するオタヤ開発株式会社、並びに関係する皆様とともに、大和退店後の方針、併せて中心市街地における賑わいづくりの具体策と長期的展望について協議してまいります。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについて
次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてであります。
東京二〇二〇大会の開催が、いよいよあと一年となりました。レスリング競技については、本日からオリンピックの代表選考をかけた全日本選抜レスリング選手権大会が行われます。同大会に出場する登坂選手をはじめ、柔道の向選手、トナミ運輸バドミントン部の園田・嘉村選手、西本選手など、本市ゆかりの選手が出場の切符を勝ち取り、オリンピック本大会で活躍できるよう、市を挙げて応援していきたいと考えております。
さらに本市では、これまでの合宿誘致の活動が実を結び、来月四日から七日にかけて、バドミントン日本代表(ナショナルA)の強化合宿が、竹平記念体育館で開催されます。また、先月二十九日の水曜日には、住民参加型スポーツイベント「チャレンジデー二〇一九」が全国一斉に開催されました。初めて挑戦した本市においても、三万七千四百二十五人(二一・八%)という多くの皆さんにご参加いただきました。市民の皆様が運動・スポーツを自ら実践するきっかけ作りとなったものと考えております。今後とも、運動・スポーツに対する関心と東京二〇二〇大会への機運の醸成に努め、より多くの市民の皆様が運動やスポーツに親しんでいただけるよう取り組んでまいります。
また、東京二〇二〇大会が開催される来年は、多くの外国人観光客が日本に訪れることが予想され、本市にとりましても、多くの国や地域との交流の拡大とインバウンド獲得の大きなチャンスの年でもあります。去る五月二十三日から二十六日に開催された「二〇一九日台観光サミットin富山」の際には、エクスカーションでドラえもんトラムへの乗車や国宝瑞龍寺の観覧、株式会社能作での鋳物制作体験など本市が持つ文化・歴史資産、ものづくりの魅力を堪能いただきました。本年十月には、「世界で最も美しい湾クラブ世界総会」が富山県で開催されることも踏まえ、一層のおもてなしの機運を盛り上げるとともに、今後の観光需要を見据えて、戦略的な外国人観光客の誘致の取り組みを推進してまいります。
高岡市民病院について
最後に、高岡市民病院についてであります。高岡市民病院においては、これまで経営の健全化に努めてまいりましたが、平成三十年度決算見込みでは、医業収益の増収により、平成二十九年度に引き続き二年連続の黒字収支計上となる見通しとなりました。さらに、市民病院は国の地域がん診療連携拠点病院に指定されており、「がん診療のブランディング」を更に進めてまいります。このため、患者への負担を軽減する手術支援ロボット「ダヴィンチ」を高岡医療圏で初めて導入することとし、今議会に関連予算を提案しているところであります。また、今月一日には、一次医療を担う「かかりつけ医」を支援し、地域医療の中核を担う「地域医療支援病院」の指定も受けたところであります。今後とも、更なる安全・安心の医療を提供し、地域住民の皆様や地域の医療機関からも選ばれ頼られる病院づくりを目指してまいりたいと考えております。
更新日:2024年03月25日