平成30年高岡市議会12月定例会
平成30年高岡市議会12月定例会市長提案理由説明(抄本)
市政の運営にあたって
- 内閣改造について
- 本市ゆかりのアスリートの方々の活躍について
- 第三十一回全国健康福祉祭「ねんりんピック富山2018」について
- 防災危機管理体制の強化と災害に強いまちづくりについて
- 財政健全化に向けた取り組みについて
- 活力ある「まちづくり」について
- 魅力ある「しごとづくり」について
- 未来を担う子どもたちのための「ひとづくり」について
- 高岡の魅力向上・発信について
- 「平成の御車山」について
- 高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーについて
- 新高岡駅の利用促進について
市政の運営にあたって
平成三十年十二月定例会の開会にあたり、提案理由の説明に先立ちまして、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
内閣改造について
初めに、十月に行われた内閣改造に際し、富山県選出国会議員としては、宮腰光寛衆議院議員が沖縄・北方対策など八分野の担当大臣に、橘慶一郎衆議院議員が復興副大臣に就任され、また、野上浩太郎参議院議員が内閣官房副長官に留任されました。お三方には、国政の中枢にあって、これまでの経験を生かしより一層活躍されることをご期待申し上げます。
本市ゆかりのアスリートの方々の活躍について
次に、バドミントンの全日本総合選手権において、男子ダブルスで園田・嘉村選手のペアが優勝し、男子シングルスで西本選手が準優勝、混合ダブルスで保木選手のペアが準優勝するなど、本市を拠点とするトナミ運輸バドミントン部の選手が素晴らしい成績を収めました。また、相撲の全日本選手権において、本市出身の黒川宏次朗選手が県勢で初めて優勝しました。本市ゆかりのアスリートの方々の活躍を大変うれしく思うとともに、今後ますます飛躍されることを期待いたしております。
第三十一回全国健康福祉祭「ねんりんピック富山2018」について
次に、去る十一月三日から開催された第三十一回全国健康福祉祭「ねんりんピック富山二○一八」において、本市では、高岡スポーツコアやボールパーク高岡などを舞台にソフトテニス、ゲートボール、グラウンド・ゴルフ、川柳の4つの交流大会を開催いたしました。本市において盛大に開催できましたことは誠に喜ばしく、多大なご尽力を賜りました関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。
また、全国から参加された約二千人の選手の皆様には、素晴らしいプレーを展開され、市民に多くの感動と元気を与えていただくとともに、高岡の地で多くの人々と交流を深めていただき、心に残る大会となったことと存じます。この大会の成果を一過性のものにすることなく、市民の皆様が健康で生き生きと暮らすことができる社会づくりを、今後ますます推進していく契機としたいと考えております。
防災危機管理体制の強化と災害に強いまちづくりについて
さて、今年は全国各地で地震や豪雨、台風などの災害が相次ぎ、本市においても、大雪や大雨、台風といった災害に見舞われました。市民の皆様が安全・安心に暮らすことができるよう、防災危機管理体制の強化や災害に強いまちづくりが重要であると改めて痛感させられる一年でありました。来年五月には、国が実施する大規模な水防演習が本市において二十年ぶりに開催されることとなっております。こうした実践的な訓練を行うことにより、今後も早期の対応ができるよう常に緊張感を持って取り組んでまいります。
財政健全化に向けた取り組みについて
次に、財政健全化に向けた取り組みについてであります。
本市は、現在財政健全化緊急プログラムに基づき、財政健全化に向けた歩みを進めているところでありますが、依然として厳しい状況であります。このような中にあっても、未来に向けた本市の活力の維持・発展に努めなければなりません。
活力ある「まちづくり」について
活力ある「まちづくり」に関しては、民間主導により高岡駅前東地区ではホテル・マンションが近々着工する予定のほか、駅前ビル跡地へ移転する株式会社富山銀行本店の工事が進められております。また、末広西地区においては来年三月に完工予定の再開発事業が着々と進んでおり、まちなかの活性化やにぎわいの創出が期待されます。
魅力ある「しごとづくり」について
高岡が選ばれるための魅力ある「しごとづくり」に関しては、昨年度分譲を完了した四日市工業団地において、工場などの施設整備が進められております。これらの民間投資の流れを呼び込むため、現在戸出西部金屋地区に造成中の産業団地においても、引き続き企業誘致に取り組んでまいります。
未来を担う子どもたちのための「ひとづくり」について
とりわけ、未来を担う子どもたちのための「ひとづくり」に関しては、国の幼児教育・保育の無償化に先駆け、県の補助を活用し本年九月より中低所得階層の保育料の軽減を拡充しました。国に対しては、国の責任において適切な制度設計と確実な財源の確保の保障がなされるよう全国市長会を通じ強く求めてまいります。また、子どもたちのより良い教育環境を充実・確保するため、保護者をはじめとする市民からの要望や教育将来構想検討会議の意見を踏まえ、市内の小学校・中学校・特別支援学校に熱中症対策としてエアコンを設置することとし、今議会に補正予算を提案いたしております。国においてもエアコンの設置に向けて積極的な支援を行うとしており、時機を逸することなく、教育環境の整備を図ってまいります。
現在編成作業中の来年度当初予算においても、将来の高岡を担う子どもたちを健やかにはぐくむ施策に戦略的に取り組むなど、真に必要な未来への投資に取り組み、これからの高岡に希望が持てるような未来志向型の予算編成を目指したいと考えております。
市議会はもとより市民の皆様のご理解とご協力を頂きながら、職員一丸となって歳入歳出両面にわたる創意工夫を重ねて、財政健全化緊急プログラムの着実な推進を図ることにより、一日も早い持続可能な財政運営の実現を目指してまいります。
高岡の魅力向上・発信について
次に、高岡の魅力向上・発信についてであります。
去る十月十五日、十六日に「第一回日中若手職人交流事業」において中国から来日した約二百人の視察団の大半の約百六十人の方々が本市を訪れ、市内の若手職人の工房等を視察しました。これは、本年二月に本市が主催したプレスツアーがきっかけとなって中国人向け観光雑誌に本市のものづくりが特集され、今回の本市への訪問につながったと聞いております。これまでの積極的なプロモーション活動が芽吹き、形として現れたものと大変嬉しく思っております。
今回の交流事業は、本市が誇る伝統工芸技術を広く知っていただく機会となり、参加者から高い評価を得たところであります。特に、高岡銅器については、先月七日に「生型鋳造法」の技法が国の伝統的工芸品として追加指定を受けたところでありますが、近年、中国向け輸出が好調に推移していると聞いております。今回の交流事業を契機に、日中の若手職人による、枠を超えた技術交流や、更なる販路拡大、観光誘客に結びつけるよう努めるとともに、今後とも国内外に向けた本市の魅力発信を行ってまいります。
「平成の御車山」について
次に、高岡の伝統工芸技術の粋を集めた「平成の御車山」について、十月十四日に初めて路上を曳いて安全性の検証を行いました。外に出て動いている姿は、普段御車山会館の中で展示されているものとはまた違った魅力があり、見物に訪れた方々からも大変好評でありました。「平成の御車山利活用検討委員会」において、今回の検証に基づく報告書が年内にまとめられる予定であります。この報告書を踏まえ、高岡の新たなシンボルとして今後の利活用に努めてまいりたいと考えております。
高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーについて
次に、今月一日に、高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーが開館三周年を迎えました。同日より、藤子・F・不二雄氏の作品に欠かせない豊かな感情を持つロボットたちにスポットを当てた新しい企画展「Fのロボ友原画展」を開催しており、あわせて三周年記念グッズの販売を始めました。今後も、藤子・F・不二雄氏が夢を育んだふるさとである高岡から、藤子氏のメッセージ・世界観を全国、世界へと発信してまいります。
新高岡駅の利用促進について
最後に、新高岡駅の利用促進について申し上げます。
昨年十月に発足した「新高岡商品開発プロジェクト」では、首都圏及び関西圏から多くの誘客拡大が図られ、一年間で約二万六千人の方々にご利用いただくこととなりました。本プロジェクトの取り組みにより、新高岡駅の優位な交通結節機能や、年間を通した県西部地域の季節ごとの魅力を含めたポテンシャルが、ツアー客や旅行会社等に広く認知されたものと考えております。今後も、「飛越能の玄関口」としての新高岡駅の立ち位置を確立するため、県西部地域の魅力ある観光素材の発掘に加え、観光資源を活用した誘客活動を進めるなど、県やJR西日本等の関係者と連携を一層深めながらまい進してまいります。
また、この秋にJR東日本の会員組織「大人の休日倶楽部」の紹介観光地に本市の金屋町が取り上げられ、北陸をはじめ、首都圏、東北、北海道でのテレビCMや主要駅でのポスター掲示などプロモーションが大々的に実施されました。本市では、新幹線利用促進や観光誘客の絶好の機会と捉え、金屋町や山町筋を中心としたまち歩きマップの作成、新高岡駅から金屋町へのバス利用者のための誘導案内の改良のほか、地元住民の皆さんと連携し、駐車場誘導や景観保持看板の設置などに努めてきたところであります。おかげさまで、鋳物資料館の十月入館者数が前年に比べて倍増するなど、特に個人のお客様を中心に金屋町を訪れていただいているのを実感しております。今後とも、旅行会社に金屋町・山町筋がまち歩きコースとしてツアー行程に組み込まれるよう提案し、情報発信も併せて強化してまいる所存です。
これらの取り組み強化や新高岡駅の利便性向上など、更なる利用拡大に向けた取り組みを進め、来る敦賀開業や大阪全線開業を見据えた中・長期的な展望に立って、引き続き、新高岡駅の「かがやき」定期便の停車を粘り強く求めてまいります。
更新日:2024年03月25日