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更新日:2022年3月3日

令和4年高岡市議会3月定例会

第一 市政の運営にあたって

一 はじめに

二 市政運営の基本姿勢

三 直面する重要課題

第二 令和四年度予算の概要

一 令和四年度予算編成の基本方針

二 歳出予算及び施策の概要

【地域産業】

(1)ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している

(2)水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある

【歴史・文化】

(3)世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている

(4)暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている

【交流・観光】

(5)高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている

(6)生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている

(7)交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている

【子育て・教育】

(8)安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる

(9)教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている

(10)いくつになっても興味のあることを気軽に学べている

(11)いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる

【安全・安心】

(12)誰もが生き生きと自立して暮らしている

(13)健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる

(14)地域の人々の手で環境が守られている

(15)安全で快適な生活を送っている

(16)その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている

(17)市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる

三 歳入予算の概要

四 組織体制

第三 条例その他

第一 市政の運営にあたって 

一 はじめに 

令和4年3月定例会の開会に当たり、提案理由の説明に先立ちまして、今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

はじめに、いまだ市民生活に大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症について申し上げます。感染力が強いとされているオミクロン株を中心とした感染拡大により、今日時点において、全国31都道府県でまん延防止等重点措置が適用されています。富山県においても、新規感染者が昨年秋の第5波を大きく上回る数で推移するなど、予断を許さない状況にあります。市民の命を守るため、新型コロナワクチン接種の体制整備については、感染状況や予約状況等を鑑み、3回目接種時期の前倒しや、キャンセル待ち接種バンクによるワクチンの有効活用等に努めています。今月から小児のワクチン接種も始まりますが、引き続き医療従事者や関係者の皆様方のご協力を仰ぎながら、希望する方が速やかにワクチン接種を受けることができる体制の構築をしっかりと進めてまいります。市民の皆様には、ご自身を守るためだけではなく、大切な家族や友人、職場の同僚の命を守るために、引き続き緊張感を持った行動をお願いいたします。

このような中、国においては、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による「新しい資本主義」の実現を図るための予算として、令和4年度予算が編成され、現在、国会において審議されています。「デジタル化」や「気候変動」などの社会課題の解決を図るとともに、それらを成長へのエンジンへと転換するとされており、本市としてもこれらの動きと連動しながら、スピード感を持って、地域経済の回復と成長につながる取組みを強化していきます。また、国では事業復活支援金、県では中小企業ビヨンドコロナ補助金や富山県事業復活緊急応援金など、一市町村が単独で実施できないような大きな財源を伴った支援の動きがあります。市民の命と財産を預かる最も身近な自治体として、すべての市民や企業の皆様が必要とする支援策をしっかりと活用できるよう、経済団体の皆様と連携しながら全力でサポートしてまいります。不明な点があれば市役所に聞けばわかる、そんな自治体に高岡市役所はならなければならないと思っています。「まずは市役所に相談してみよう」と市民の皆様に思ってもらえるよう努めていきます。

先月から続くロシアのウクライナ侵攻については、世界平和の観点から早期解決を心から願うとともに、原油などのエネルギー資源や穀物などの価格上昇等、市民生活への影響が及ばないよう注視してまいります。

二 市政運営の基本姿勢 

市民の皆様にお伝えしたいことがあります。

私は、就任当初からサマーレビューなどを通じ、これまでの成果を引継ぎつつ、新しい高岡に向けて前へ進むために、財政健全化緊急プログラムを早期に終了させることを強く意識し、予算編成作業を行ってきました。その結果、令和4年度当初予算を編成する中で、財政健全化緊急プログラムの目標を達成することが明らかとなりました。これまでプログラムの推進にご理解、ご協力いただきました市民の皆様、議員各位にこの場をお借りして、心から感謝を申し上げます。

今議会において職員の給与削減などの臨時的な対応を含めた財政健全化緊急プログラムをしっかりと終了させるとともに、引き続き収支均衡した持続可能な財政運営に努めてまいります。この後ご説明させていただく令和4年度当初予算案は、高岡の新しい時代の幕開けとなるよう、積極的な内容を盛り込んだ「挑戦型」の予算として編成しております。私は、20年、30年先も赤ちゃんからお年寄りまで、誰一人取り残さない豊かで暮らしやすいまち、そして、市民、地域、企業それぞれが主体となって活躍し、次の世代へとしっかりと引き継いでいけるまちとして、「持続可能な未来都市高岡」を、将来を見据えた長期的なビジョンに掲げてきました。その実現のためには、市民一人ひとりが個性や能力に応じて何事にも「挑戦」し、市役所はその挑戦をしっかりと支え、ともに未来を切り拓いていっていただきたいと考えています。私も、社会に責任を持つ39歳の市民であり、家に帰れば父親であり夫、地域では住民。それは議員各位も市役所職員ももちろん同じです。私は市長就任当初から、市民と市役所とが新しい関係性を築いていくことを強く訴えてきました。「挑戦」を一つのキーワードとして、市民と同じ目線で、どうすればできるのかをともに考え、一緒に汗をかくまちづくりを市民の皆様と始めていきたいと思います。時に、失敗することもあるかもしれません。試行錯誤を繰り返しながらも失敗を恐れず、新しい「挑戦」を生み出す文化、いわゆる「トライ・アンド・エラー」の考え方やそれを支える文化を、高岡にしっかりと根付かせたいと考えております。生まれた挑戦は、次の新しい挑戦を生み出します。こうした好循環をこの高岡で市民の皆様とともに作ってまいります。

次に、総合計画第4次基本計画について申し上げます。

先月、総合計画審議会からの答申を受け、令和4年度からスタートさせる総合計画第4次基本計画を策定しました。人口減少・少子高齢化が進む中で、長期的な視点に立ち、次の世代からも共感を得られるまちづくりを展開していくとともに、新たな時代の潮流を取り入れた変革に挑戦することとしています。就任から8か月、さまざまな場面を通じ市民の皆様と意見交換をさせていただく中で、市民・企業・地域の方々に「挑戦」する姿勢を常に持っていただくことの重要性を強く感じています。これまで築き、磨き上げてきた都市の強み、まちの魅力を最大限に活かすべく、「ひと」をまちづくりの主役と捉え、市民をはじめ高岡に関わるすべての「ひとの力」で、持続可能で進化し続けるまちを目指していきます。また、総合計画の策定を議論する場において、「財政状況が改善してきているのであれば、大きく旗を振り、高岡を前へ進めていくべきだ。」「今こそ高岡の底力を見せてほしい。」とのご意見を委員の方々からいただきました。高岡の持つ可能性を改めて感じた言葉であり、背中を強く、また大きく押していただいたと感じております。総合計画第4次基本計画を、市民一人ひとりが幸せを感じられるまちづくりの道しるべとし、市民の皆様とできるところから着実に始め、しっかりとスタートを切っていきます。

三 直面する重要課題 

次に、直面する市政の重要課題について申し上げます。

少子高齢化、人口減少が進行し、さまざまな社会課題が顕在化してくる中、総合計画のテーマのとおり、これからの時代を切り拓いていく鍵は「人」だと考えています。財産としての人、いわゆる「人財」が必要とされており、その「人財」をしっかりと育成していくことは、これまで受け継いできた歴史や文化、伝統などを新たなステージへと導いていく原動力へとつながります。現在、まちを支えていただいている現役世代の皆さん、長きに渡って高岡を支えてきてくださっているお年寄りの皆さん、縁あって高岡市に移住してきてくださった方々、市外在住でも高岡市との関わりを持ってくださっている皆さん、新しい命を含む高岡で育つ子どもたち、すべての人が個性や能力をいかんなく発揮し、ともに「挑戦」できる環境をこの高岡で作ってまいります。そのためには、様々な方々の意見をしっかりとお伺いし、それを実現していく仕組みづくりや市役所職員の意識改革も引き続き進めてまいります。

また、住民の意識の変容、担い手不足、コロナ禍における活動の制限など、住民の暮らしを支えるための地域活動が、これまでどおり行うことが困難になる傾向があります。一方、すべての地域が同じ課題を抱えているわけではなく、それぞれの地域がそれぞれの課題を抱えています。横一線の支援だけではなく、市民協働型地域交通システムの導入支援、地域課題を整理し、その課題解決に向け、新たな参画を促す地域担当職員や、各地の魅力創出に向けた地域おこし協力隊の配置など、各地域の主体的な地域づくりをサポートしていきます。私が、掲げてきた「高岡型の地方創生」である「地域創生」。一つ一つの地域が輝くその集合体こそが高岡の発展であると訴えてまいりました。これらの地域における施策を通じて、地域のことを一番知っている地域の皆様と一緒にそれぞれの課題解決を目指していきます。

今、コロナ禍において急速に進むデジタル化、国際的な潮流が広まっている環境への意識の高まりなど、社会・経済構造の変容が加速的に進む中、これを好機と捉え、新たなサービスを生み出し、また、市民の皆様の暮らしを豊かにしていく高岡独自の取組みを着実に進めていきます。デジタル技術の最大限の活用による「足を運ばなくても市民サービスを受けられる市役所」や、「カーボンニュートラルの視点を取り込んだ経済と環境の好循環」などを目指します。令和4年度は、時代の流れをリードしていくための足掛かりの一年となるよう、市民や企業の皆様とともに「挑戦」してまいります。

第二 令和四年度予算の概要 

それでは、令和4年度予算編成の基本方針、歳出予算及び施策の概要、歳入予算の概要について申し上げます。

一 令和四年度予算編成の基本方針 

最初に、令和4年度予算編成の基本方針について申し上げます。

令和4年度予算につきましては、総合計画第4次基本計画のスタートにあたり、「持続可能な未来都市高岡」の実現に向け、「市民全体の挑戦」が生まれ続けるまちづくりと、「市民生活の安定」の視点から編成に取り組みました。

コロナ禍への対応をはじめ、様々な変化が求められる時代の転換期にあり、SDGsやカーボンニュートラルなどの新たな時代の潮流を取り込んだ「時代の変化に対応した環境づくり」と「未来へ向けた人づくり」を目指すとともに、少子高齢化、人口減少が進行し、地域課題が顕在化してくる中、「安心して暮らせる地域づくり」と「市民サービスの安定した社会づくり」を推進するための「高岡を前へ進める事業」を積極的に盛り込み、「挑戦を生み、挑戦を支える予算」として令和4年度予算を編成したところです。

この基本方針のもとに予算を編成した結果、令和4年度の予算規模は、

一般会計においては、680億9,759万円

特別会計は、9会計の合計で664億3,913万4千円

総計では、1,345億3,672万4千円となりました。

前年度と比較すると、一般会計では前年度を2.7パーセント上回り、特別会計を含めた総計では、前年度と比べて2.3パーセントの増加となっております。

二 歳出予算及び施策の概要 

続きまして、令和4年度主要施策の概要について、総合計画に掲げた「めざすまちの姿」に沿って、その主な内容をご説明申し上げます。

地域産業 

(1)ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している

まず、『ものづくり産業が時代の流れに対応し、活性化している』まちについて申し上げます。

「新たな事業活動の創出」につきましては、まちなかで起業相談や事業承継相談などができる伴走型の商業者支援機能を整備し、起業・事業承継を志す方へのサポート体制を強化します。

また、カーボンニュートラルに寄与する商品開発やデジタル技術の導入によるスマート化など、市内事業者の多様な事業展開を支援します。

「地域産業の競争力強化」につきましては、地場産業やデザインの振興のため、新クラフト産業の育成、技術継承を目指す職人等への支援、異業種企業間の情報交換・ビジネスマッチング等に取り組みます。

「産業基盤の整備・企業立地の推進」につきましては、企業誘致を推進するため、ニーズを把握するための意向調査や、企業立地セミナーでの本市のPR活動を実施します。また、コロナ禍においても事業の拡大や新しい事業に取り組む企業の設備投資を支援いたします。

「中小・小規模企業の経営基盤強化」につきましては、事業者の状況に応じた各種融資制度のあっせん及び預託を行うとともに、新型コロナウイルス感染症による影響を考慮し、商工会議所及び商工会等が実施する小規模事業者経営改善資金の利子補給事業を実施します。

(2)水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある

次に、『水・緑・食が豊かで暮らしにうるおいがある』まちについて申し上げます。

「農業の持続的発展」につきましては、引き続き農道や農業用排水路などの農業生産基盤の整備を推進するとともに、新規就農や経営継承を支援いたします。また、農業分野においても、障がい者等の社会参画を促進するため、農業者と直接交流する機会を設けるなど、農福連携の推進事業に取り組みます。

「農山村の振興」につきましては、中山間地域等での農業や地域活動を支援するほか、近年増加傾向にあるクマの出没に対応するため、AIを活用したクマ出没検出・通報システムを導入します。

「林業の振興」につきましては、森林環境譲与税を活用し、私有林の保全・維持管理と効率的な林業経営に向けた調査や森林整備を実施します。

歴史・文化 

(3)世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている

次に、『世代を超えて受け継がれてきた歴史資産が大切に継承され、輝いている』まちについて申し上げます。

「文化財の保存・活用」につきましては、重要文化財勝興寺の宝物展開催や工芸品の保存修理のほか、重要伝統的建造物群保存地区の建物等の修理・景観保全について支援します。赤レンガの建物については、民間活力を活かしての再生を検討するため、民間企業を対象としたサウンディング調査を行います。

「歴史的風致の保全・活用」につきましては、アフターコロナにおける集客を見据えた日本遺産の魅力発信を拡充するとともに、引き続き新型コロナウイルス感染症に対応した指定文化財等の祭礼行事を支援します。

(4)暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている

次に、『暮らしの中に万葉と前田家ゆかりの文化が息づいている』まちについて申し上げます。

「地域に根ざした創造的な芸術・文化活動の育成」につきましては、本市の芸術・文化力の維持向上のため、高岡の歴史文化資産を舞台とした市内アーティストのパフォーマンス動画を制作し、オンライン配信します。また、秋には世界的アーティスト、バンクシーの展覧会を日本海側で初めて高岡市美術館において開催します。

交流・観光 

(5)高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている

次に、『高岡の魅力を積極的に発信し、たくさんの人が訪れるようになっている』まちについて申し上げます。

「広域観光の推進」につきましては、コロナ禍、アフターコロナの両方を見据え、小規模なツアー催行への支援や、個人旅行客、宿泊客の誘致強化を図ります。

「イメージアップ・誘致活動の強化」につきましては、市内でテレワークを行いながら、本市の地域課題解決にもご協力をいただく、ワーケーションモデル事業を新たに実施し、関係人口の拡大を目指します。また、ふるさと納税の返礼品の新規追加や拡充につとめ、地場産品を通して、高岡の魅力を全国に発信します。

(6)生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている

次に、『生活の利便性が向上し、市街地に人が行き交いにぎわっている』まちについて申し上げます。

「中心市街地活性化の推進」につきましては、中心市街地の空き家・空き店舗調査や定期マーケットの開催に係るプランニング等を行うほか、中心市街地や観光地での空き店舗等を活用して新規開業する事業者への支援を行います。

「市街地の整備」につきましては、高岡駅前東地区の賑わい創出のため、民間によるマンション等の整備事業に対して支援します。

「住宅・宅地の整備」につきましては、定住人口の増加に向け、まちなか及び居住誘導区域での住宅取得や改修の費用を支援するほか、呉西圏域への移住を推進するため、オンラインによるセミナーを開催します。

(7)交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている

次に、『交通ネットワークを活かし、県西部の中核的役割を果たしている』まちについて申し上げます。

「高速道路網・幹線道路網・地域公共交通体系の整備」につきましては、公共交通の維持や活性化を図るため、パークアンドライド推進事業や、高齢者向け定期券の購入支援、市民協働型地域交通システムの導入・普及に向けた地域における実証運行の支援に取り組みます。併せて、JR城端線・氷見線について、県、沿線市とともにLRT化等の検討・調査を進めていきます。

また、高速道路網のさらなる活用を図るため、福岡パーキングエリアのインターチェンジ化について取り組むとともに、幹線道路ネットワークの外環状線にあたる下伏間江福田線の京田踏切立体交差化について引き続き整備を進めてまいります。

「港湾の整備・活用」につきましては、新型コロナウイルス感染症対策を実施しながら、伏木万葉ふ頭でのクルーズ船歓迎行事を開催するほか、市内観光地を組み入れたバスツアーや給水費用に対する補助などによりクルーズ船の誘致に努めていきます。

子育て・教育 

(8)安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる

次に、『安心と希望、ゆとりを持って子育てを楽しんでいる』まちについて申し上げます。

「教育・保育の一体的提供の推進とサービスの充実」につきましては、病児保育の実施園を拡充し、延長保育と併せて多様な保育需要に対応していきます。

「安心して妊娠・出産・子育てができる体制の充実」につきましては、特定不妊治療に要する医療費について助成制度を拡充します。併せて、出産後の母子に対する心身のケアや育児サポートを行う産後ケア事業を実施するほか、新生児聴覚検査の費用についても新たに助成を行います。

また、第2子にかかる保育料や副食費についても、支援対象やその内容を拡充し、子育て世帯への支援を充実します。

(9)教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている

次に、『教育を通じて個性を磨き、生きる力を高め合っている』まちについて申し上げます。

「確かな学力・豊かな心・健やかな体をはぐくむ教育の推進」につきましては、子どもたちの学びのデジタル化を推進するため、学習専用端末等をより効果的に活用できるよう、小・中・義務教育学校にICT支援員を増員配置するほか、パブリッククラウドを活用した校務支援システムの構築を図ります。

「地域に開かれた特色ある教育活動の充実」につきましては、中学校の運動部活動について、休日の活動の段階的な地域移行の実践研究を行います。

「教育効果を高める教育環境の充実」につきましては、五位中学校区の統合小学校の建築工事を引き続き進めていきます。さらに、高陵中学校区及び高岡西部中学校区について、小中一貫校整備に向けた設計・工事に着手します。

また、国が進める小学校35人学級制について、令和5年度までに全学年に導入する県の方針を受け、35人学級への移行に対応するための調査検討をし、設計等に着手してまいります。

(10)いくつになっても興味のあることを気軽に学べている

次に、『いくつになっても興味のあることを気軽に学べている』まちについて申し上げます。

「ライフステージに応じた生涯学習の振興」につきましては、本市の歴史都市としての魅力を発信するため、図書館の歴史資料のデジタル化とアーカイブ公開に引き続き取り組みます。

「未来を担う世代の育成と若者が主体となるまちづくりの推進」につきましては、若者の意見を行政や企業活動の課題解決等に活かす事業を行います。

(11)いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる

次に、『いつでも気軽にスポーツを楽しんでいる』まちについて申し上げます。

「生涯スポーツ活動の充実」につきましては、「高岡市スポーツ推進プラン」が計画の最終年度を迎えることから、新たに「第2期高岡市スポーツ推進プラン」を策定します。

また、ジュニア選手の育成強化や、全国・国際レベルの大会に出場する選手を支援します。

安全・安心 

(12)誰もが生き生きと自立して暮らしている

次に、『誰もが生き生きと自立して暮らしている』まちについて申し上げます。

「地域福祉の推進」につきましては、複雑・複合化する福祉課題に対応するため、従来のあっかり福祉ネット推進事業等を再編するとともに、専門職に支援をつなぐ地域ボランティアの育成を推進します。

「障がい者(児)福祉・自立支援対策の充実」につきましては、団体等が行う障がい者の社会参加促進のためのチャレンジ事業を支援します。生活困窮者支援としては、生活の自立をより一層促すため、家計改善支援、就労準備支援、学習支援などを組み合わせた重層的なセーフティネットを導入します。

「高齢者福祉の充実」につきましては、高齢者の見守り支援体制の強化を図るため、緊急通報装置を貸与する制度を拡充します。また、福祉・介護現場において、元気な高齢者が就業できる機会を創出するため、シルバー人材センターに介護プランナーを配置するほか、地域密着型サービス施設の整備を行う介護サービス事業者に対して、建設及び開設準備に係る経費を支援します。

(13)健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる

次に、『健康的な生活を送り、必要な時に適切な医療を受けられる』まちについて申し上げます。

「生涯を通じた健康づくりの推進」につきましては、国の方針に基づき子宮頸がん予防ワクチン接種の積極勧奨を再開します。

「医療体制・医療制度の充実」につきましては、高岡市民病院において、病院情報システムを更新し、サービスの向上や良質な医療の提供に資するデジタル化を推進します。

(14)地域の人々の手で環境が守られている

次に、『地域の人々の手で環境が守られている』まちについて申し上げます。

「環境保全対策の充実」につきましては、2050年カーボンニュートラルの実現のため、実行計画策定に向けた各取組の導入目標を検討し、家庭での再生可能エネルギーの利用促進のため、蓄電池付太陽光発電システムの設置や住宅用PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)導入を支援します。

市街地のカラス対策としては、捕獲おりを増設して効果検証を行うとともに、音声機器を使用したカラスの追い払い実験を拡充して実施します。

また、合併処理浄化槽の整備区域の拡大に合わせ、下水道整備時と負担が同等となるよう合併処理浄化槽の設置及び維持管理にかかる費用を積極的に支援します。

(15)安全で快適な生活を送っている

次に、『安全で快適な生活を送っている』まちについて申し上げます。

「防災対策の充実」につきましては、洪水時の浸水の深さを示す表示板について対象地区を拡充し設置するほか、空き家の解体支援について、周辺に危険を及ぼす恐れのある老朽化した空き家を対象とするなど拡充していきます。

「消防・救急・救助体制の充実」につきましては、現場映像伝送装置を配備し、災害発生現場の映像をリアルタイムに共有するなど効果的・効率的な消防体制を確立していきます。また、老朽化した消防本部・高岡消防署庁舎改築のための実施設計を行います。

「道路整備、交通安全・防犯対策の充実」につきましては、道路橋やトンネルの老朽化に対応するため、計画的な修繕等を進めていきます。

「緑化の推進と保全」につきましては、おとぎの森公園の魅力向上計画や古城公園の樹木管理行動計画を策定し、将来にわたる公園の管理を着実に進めます。

「上・下水道の整備」につきましては、「上下水道ビジョン」に基づき、水道事業では基幹施設の整備や、老朽管の更新・耐震化を進め、下水道事業では公共下水道や雨水管の整備、ストックマネジメント計画に基づく管渠の更新・耐震化に取り組むなど、災害に強い上下水道を構築していきます。

(16)その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている

次に、『その人らしさが尊重され、お互いに助け合いながら幸せに暮らしている』まちについて申し上げます。

「市民が主役の地域づくりへの支援」につきましては、地域住民自らの積極的な活動を促し、地域活動の活性化を支援するため、地域担当職員をモデル地区に配置いたします。併せて、地域おこし協力隊を増員し、地域課題の解決や活性化に積極的に取り組んでいただくほか、自治会運営をサポートするスマートフォンアプリ「結ネット」の導入費用に対しても支援します。

また、独身男女に出会いの場を提供するための交流会開催などに対しても支援します。

「多文化共生社会の推進」につきましては、市役所や国際交流センターにおける「外国人のための生活相談コーナー」の開設時間を拡充します。また、災害時に外国籍市民に適切な支援を行うためのボランティアの育成や、やさしい日本語への言い換えの普及活動を行います。

(17)市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる

次に、『市役所が市民に信頼され、責任を持って取り組んでいる』まちについて申し上げます。

「高度情報化の推進」につきましては、住民記録、税、福祉等の行政手続きにおけるオンライン化や、仕様の標準化に必要なシステム整備を進めていきます。

また、公開型GIS(地図情報システム)を導入し、市民に有用なデータの公開に努めます。市ホームページ等においては、市民の利便性向上を目指し、AIを活用した自動応答システムを導入するほか、公立保育園では、まずは比較的規模の大きい施設から園への出欠連絡や園だよりの閲覧がアプリ上でできるようICT化に取り組みます。

「簡素で効率的な行財政の推進」につきましては、事務効率の向上のため、電子入札システムを県内自治体と共同利用化し、運用費用の軽減を図るとともに、文書管理システムの導入によるペーパーレス化と業務の効率化、迅速化を図ります。また、税・公金収納においては、窓口でのキャッシュレス化を進めるほか、スマートフォン決済、ウェブでの口座振替申込などにも対応し、納税者等の利便性の向上を図ります。

また、SDGsの観点から地域課題を解決する普及啓発事業を実施するとともに、アフターコロナに関する市民意識調査を行い、今後の施策に取り入れていきます。

三 歳入予算の概要 

次に、歳入予算のうち、主なものについてご説明申し上げます。

まず、市税収入につきましては、新型コロナウイルス感染症による地域経済への影響などを踏まえ、255億20万5千円を計上しております。

地方交付税につきましては、地方財政計画において、社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方公共団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、地域社会のデジタル化や公共施設の脱炭素化の取組等の推進、消防・防災力の一層の強化などの重要課題に取り組めるよう、前年度を上回る地方交付税総額を確保することとされました。これらを踏まえ増加を見込んでおります。

各種交付金等につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として実施された固定資産税軽減措置に対する国からの補填が、措置終了に伴い減となっております。このほか、地方財政計画等に基づき、それぞれ見込み額を計上しております。

国庫支出金及び県支出金につきましては、学校再編による公立学校施設整備費負担金をはじめ、事業内容、事業採択の見通しなどを踏まえ、それぞれの事業に見合った額を計上しております。

市債につきましては、地方財政計画に基づき、臨時財政対策債の発行額を見込むとともに、事業債発行額については財政健全化緊急プログラムで培った経験を踏まえ適正に管理を行い、今後も引き続き市債残高の減少に努めます。

四 組織体制 

行政組織につきましては、令和4年度からの総合計画第4次基本計画や「高岡を前へ進める具体策のロードマップ」に基づき、新たな行政課題や多様化する市民ニーズに対応した施策を積極的に実行に移せる組織機構の構築を図ります。

主なものとしては、市政における重要かつ政策的な課題に対し、政策調整機能の強化・充実を図り、中長期的なビジョンで施策を総合的に推進する体制を構築するため、市長政策部を再編し、新たに未来政策部を設置します。

未来政策部においては、現在の都市経営課、人事課経営管理室を整理・再編し、総合計画、国県要望など市全体としての施策業務を担任する企画課と公共施設マネジメントをはじめとした全庁的な視点が必要となる個別施策の総合調整や特命事項を担任する未来課を設置します。

総務部においては、災害対応、防災業務について、これまで以上に迅速・適切に対応していくため、総務課の課内室となっている危機管理室を危機管理課として新たに設置します。

市民生活部においては、カーボンニュートラルなどの環境政策を環境保全と一体となって総合的に推進するため、地域安全課環境政策室と環境サービス課を統合し、環境政策課として設置します。地域安全課については、市民に関わりの深い事項を一つの所属として整理するため、共創まちづくり課から市民相談業務を移管するとともに、課名を市民生活課に変更します。これまで市長政策部で進めてきた文化創造施策について、今後は市民による文化の広がりにシフトさせていくため、市長政策部から文化振興業務を移管し、文化振興課として設置します。これらに伴い、市民生活部を生活環境文化部へ再編します。

この他、総合計画策定業務の終了や廃棄物処理業務をはじめ、事務事業執行体制の見直しを図り、職員数の適正化を進めます。

第三 条例その他 

次に、条例その他議案について申し上げます。

条例議案につきましては、高岡市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例など、22件を提案しております。

その他議案につきましては、五位中学校区統合小学校校舎の整備に係る工事請負契約の締結など6件を提案しております。

報告案件2件につきましては、令和3年度高岡市一般会計補正予算の専決処分に係るもので、この冬の除雪に対処するため補正予算を講じたものです。

以上、令和4年度予算をはじめ、提出いたしました諸案件について、その概要をご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

未来政策部秘書課

富山県高岡市広小路7-50

電話番号:0766-20-1218

ファックス:0766-20-1660