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更新日:2018年9月6日
平成三十年九月定例会の開会にあたり、提案理由の説明に先立ちまして、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
六日未明、北海道で震度六強の地震が発生し、広い範囲で多くの被害が発生しております。震源に近い厚真町では、大規模な土砂崩れにより多数の住宅が倒壊し、現在も救助活動が続けられておりますが、被災された方々のご無事を願っておりましたが、お亡くなりになりました方には、衷心からごめい福をお祈りいたします。また、今月四日に上陸し、四国・近畿地方を縦断した台風二十一号並びに、去る七月に中国・四国地方など西日本を中心に甚大な被害をもたらした平成三十年七月豪雨により、犠牲となられました方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。被災地では今も多くの方が避難生活を送られておりますが、一日も早く生活やまちの復旧・復興が図られることを心よりお祈り申し上げます。
先日の総合防災訓練では、これらを踏まえ大雨による洪水や土砂災害を想定し、事前に図上訓練で作成したマップを元に避難訓練を行いました。今後も、災害への備えについて地元組織や各種団体と連携を密にして取り組んでまいります。
六月十八日に発生した大阪府北部を震源とする地震では、小学校のプール沿いのブロック塀が倒れ、登校途中の児童が下敷きになり死亡するという痛ましい事故が起きました。これを受けて本市でも、市内の全公共施設でブロック塀の調査を行い、その結果を受け、速やかな対応が必要な施設については直ちに撤去に取り掛かるとともに、今議会に補正予算を提案するなど、順次必要な措置を講じてまいります。今後も、多発する様々な災害等に対する備えを万全にし、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
今年の夏は全国的に記録的な猛暑となりました。富山地方気象台によりますと、七月の平均気温は県内すべての観測地点で統計開始以来最高を記録しました。このため本市では、緊急対策として、二学期の始業時期から使用できるよう市内の小中学校十二校の特別教室や多目的スペースにエアコンを追加設置したところであります。普通教室へのエアコン導入についても、今後、国の動向等を注視しながら、より良い教育環境の実現のために適切に対応してまいります。
本市の財政健全化について、専門的見地から助言をいただくため、「財政健全化アドバイザー会議」を設置し、六月から八月まで三回にわたり議論を重ねてまいりました。八月二十九日には「高岡市の財政健全化に向けた意見」が取りまとめられ、現下の財政状況において高岡市財政健全化緊急プログラムを作成し、早急に行財政改革に取り組む姿勢は適切であるという評価を受けた一方、持続可能な財政運営の実現に向け最大限の努力が必要であり、職員の意識改革とともに緊急プログラムに掲げた目標を確実に達成するため、より具体的・現実的な検討を進めていかなければならない、という指摘を受けたところであります。
本市では、アドバイザー会議からの提言に先立ち、今年度早々の四月から、二〇一九年度以降を見通してこれからの行財政改革に向けた議論を進めております。七月から八月にかけて、サマーレビューにより集中的な政策検討を行い、緊急プログラムに掲げた目標の実現に向けた具体的な方策について検討してまいりました。これらを通じふるさと納税の強化等の歳入確保策をはじめ、今年度から取り組むことができることについては直ちに実施してまいります。
更に、来年度予算においては、今後の教育を取り巻く環境の変化と人口減少を見据えた学校統合に向けた取り組みをはじめ、業務効率や効果の向上を図りコスト縮減も見込める自治体クラウドの導入など、既存施設・事業の見直しを図るとともに、民間活力と連携した持続可能な「稼ぐ力」の確保に向け、ネーミングライツの実施や公有財産の更なる活用を進め、二〇一九年度だけにとどまらない未来志向型の方策を盛り込んでまいりたいと考えております。これらにより、提言にありました具体的・現実的な検討を着実に進め、少しでも早く緊急プログラムの目標を達成し、持続可能な財政構造の確立を図っていく決意であります。
今年の夏はとりわけスポーツの分野で熱い闘いが繰り広げられ、本市ゆかりの選手たちが活躍するうれしいニュースが多くありました。高校野球では、高岡商業高校が昨年に続き二年連続で富山県代表として夏の甲子園に出場しました。初めて甲子園で二勝を挙げて進出した三回戦では、惜しくも敗れはしたものの、春・夏連覇の大阪桐蔭高校を相手に先制点を奪い、一歩も引かない息詰まる試合を展開しました。「最・攻・挑」の精神で戦う高商ナインの姿に、大きな感動と勇気を与えてもらいました。
また、バドミントンでは、先月中国で開催された世界バドミントン選手権大会において、男子ダブルスで園田選手・嘉村選手のペアが準優勝を果たし、インドネシアで開催されたアジア大会では男子シングルスで西本拳太選手が銅メダルを獲得するなど、本市を拠点とするトナミ運輸バドミントン部所属の選手が素晴らしい成績を収めました。
同じくアジア大会において、銅メダルを獲得したハンドボール女子では、高岡向陵高校出身の横嶋彩選手が活躍しました。
来年の七月にバドミントン日本代表の強化合宿が本市で開催されることに内定しました。バドミントン、レスリングを中心とした誘致活動を行ってきた中で、今回選ばれたことは、非常にうれしく思っております。市民の皆様に世界の第一線で活躍する選手達の姿を間近で見られる機会を工夫しながら、選手達が東京オリンピック本番で存分に力を発揮するための有意義な合宿になるよう、支援してまいりたいと考えております。また、他競技においても合宿地等に本市が選ばれるよう、引き続き誘致活動に力を入れてまいります。
高齢者の健康増進や生きがいづくり、社会参加の促進を目的とした第三十一回全国健康福祉祭とやま大会(ねんりんピック富山二〇一八)において、本市ではソフトテニス、ゲートボール、グラウンド・ゴルフ、川柳の四種目を開催いたします。市民一人ひとりが「歓迎の心」「おもてなしの心」を持って、市全体として機運を盛り上げ、より多くの市民に参加いただく大会にしたいと考えており、十一月の開催に向け、実行委員会を中心に鋭意準備を進めているところであります。また、この大会の成果を一過性のものにすることなく、健康で長生きする社会の形成を進める契機として、今後の健康・福祉施策の充実に活かしてまいりたいと存じます。
また、先月四日から本坊の主要部分の公開が始まった勝興寺については、全体公開を三年後に控え、市民や観光客にその文化財的価値を改めて認識してもらうことが重要であります。そのため、地元の皆様と連携して勝興寺を核とした地域づくりを進めてまいりたいと考えております。まず第一歩として、十月六日に坊主カフェやマルシェなどの「ふるこはんフェス」を初めて開催することとしており、また、十一月八日には本市として四回目となる「第二十四回寺町サミットin高岡」を開催いたします。
先月二十四日に、新高岡駅に停車する「かがやき」臨時便が継続されることが発表されました。新幹線利用者の利便性が確保され、JR各社をはじめ関係の皆様に感謝申し上げます。
昨年十月よりJR西日本や大手旅行会社等と連携して進めている新高岡商品開発プロジェクトは、好調に販売実績が推移し、たくさんの方々にご利用いただいております。季節に応じたバリエーションのある周遊コースを提供するため、新たな観光素材の掘り起こしや新しいテーマの開発など魅力アップを行いながら、関係機関と連携を深め、本プロジェクトによる誘客拡大に引き続き取り組んでまいります。
また、先に触れましたとおり、この秋にはねんりんピック、日本遺産サミット、寺町サミットなど、多くのイベントが企画されております。全国から多くの方々に新高岡駅を利用して本市を訪れていただく絶好の機会であり、「また高岡に来たい」と思っていただけるようPRに努め、新高岡駅の利用実績の更なる積み重ねを図ってまいりたいと考えております。
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