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質問1 甲状腺の手術について
甲状腺が腫れており手術を勧められたのですが、どのような病気で手術後の後遺症はないんでしょうか。

甲状腺は“のどぼとけ”の下方の前頸部にあり気管に付着し、左右計4個の副甲状腺が付着しています。
 甲状腺の手術を勧められたとしますと、良性の腺腫か甲状腺癌が考えられます。視触診やいろいろな画像診断(CT、エコー)で判断しますが、最終的には細胞診で確定します。
 これは細い注射針を腫瘍に刺して細胞を採取し、顕微鏡的診断をするものです。これらの腫瘍はいずれも自分で鏡を見たり、他人から前頸部の腫れを指摘されて見つかることがほとんどであり、それ以外の自覚症状に乏しく、ホルモン異常をきたすこともほとんどありません。治療はいずれも切除手術ですが、術式は全く異なります。
 腺腫の場合は腫瘍とともに同じ側の甲状腺のみ切除するのに対し、癌の場合は頸部のリンパ節も一緒に切除します。このとき声帯を動かす反回神経を傷つけると声がかれます。その他の後遺症としては甲状腺ホルモンや副甲状腺ホルモンの欠乏による症状がでることがあります。
 これらは慎重に手術を行えば予防が可能なものです。仮に悪性であっても甲状腺癌はヒトの癌の中で一番たちが良いといわれており、手術後もこれまでどおりの生活が送れますのでお早めに専門医にご相談ください。

市民病院 澤崎医療局長

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質問2 うつ病について
新年度になり、職場では役職がひとつ上に昇進しました。
 今まで以上に頑張らなければと一ヵ月ほど張り切ってやってきたのですが、どうもこの頃、仕事に対する意欲が湧かないのです。判断も以前のようにてきぱき出来ません。食欲もあまりありませんし、夜も十分眠れません。どうしたのでしょうか。

 朝起きて新聞は今まで通り読みますか。見出しを見るくらいで、あとは億劫でということはありませんか。仕事から帰ってきて、今まで楽しみに観ていたテレビの番組がこれまでのように楽しめますか。休日はどうしていますか。今までだったら、家のこまごまとした事をしたり、時には家族とどこかへ出かけるということが億劫ではないですか。家でゴロゴロしていて、外へ出れば近所の人に会ったらどう話したり挨拶したものかつい億劫になったりしませんか。睡眠が十分にとれないということですが、朝早く目がさめませんか。そして、また一日が始まるのかという気持ちになりませんか。これらの症状は朝方にひどく、夕方になるといくぶん楽になるという傾向はありませんか。頭が重く、今までのようにテキパキ判断できないので、頭が悪くなったと悲観していませんか。それから、あなたの性格ですが、几帳面で今日中にしようと思ったことは夜遅くなってもしてしまわないと気がすまない方ですか。人から頼まれるといやと言えない方ですか。
 いま言ったことに対して、あなたに当てはまることが多いようでしたら「うつ病」の可能性があります。うつ病は治る病気ですから恥ずかしがらずに専門医をお訪ねください。

市民病院 精神科

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質問3 乳幼児の嘔吐下痢症について
 1歳の男の子の嘔吐、下痢が数日前から続いています。何が原因ですか。また、どんなことに気をつければよいですか。

 冬から春にかけて、小児科外来には吐いたり下痢をした子供さんがたくさん来られます。この時期にはウイルス、特にロタウイルスによる胃腸炎が小さな子供さんに流行するのです。このウイルスによる胃腸炎では最初何度か吐いた後に白色下痢便が続くことが多く、下痢は一週間近く続くこともあります。また、最近では細菌による食中毒も増えています。一般的に細菌性食中毒は夏に多いのですが、病原性大腸菌O−26感染症の集団発生のように夏以外にも起こることがありますので注意が必要です。特に下痢の他に血便を伴っている場合には、検便をして細菌がいないかどうかを調べる必要があります。
 吐き気がある時は、飲み物は番茶や子供用のイオン飲料などを少しずつ何回かに分けて与えます。それで吐かなければミルクや食べ物を少しずつ与えましょう。下痢が多い時には糖分が多い飲み物は下痢をひどくしますので、少し薄めて与えるとよいでしょう。食事も柔らかくて消化の良いものにし、乳製品や脂っこいものは控えます。下痢や嘔吐が続く時には脱水を見逃さないことが大事で、水分を十分に補給しているのに「ぐったりしてうとうとしている」「皮膚がかさかさに乾いた」「おしっこがでない」というような症状があれば脱水の恐れがありますから病院で受診しましょう。

市民病院 小児科

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質問4 脈の乱れについて
 40歳の男性ですが、最近時々心臓がドキッとなり脈が跳ぶようになります。心臓が止まるのではないかと心配です。

 あなたの訴えは心臓の脈の乱れであり、ドキッとするのであれば、たぶん期外収縮という不整脈でしょう。
 期外収縮とは、正常のリズムより早い時期に心臓が収縮することです。そのため心臓から送り出される血液の量が少なく、脈が抜けたように感じられるのであって止まるのではありません。不整脈の回数が多かったり、労作時に頻発したり、息切れや胸部圧迫感が伴ったりするときは心臓の精密検査が必要です。
 この不整脈は健康な人にも時々起こりますが、心配の無いものがほとんどです。心臓に特別病気のない場合、少しの乱れは治療の必要がないことが多いようです。それをあまり意識しすぎると心臓神経症になります。
 タバコの吸いすぎ、過労等で起こりやすくなりますので、疲労や睡眠不足を避け、規則正しい生活を送りましょう。それでも心配でしたら医師の診察を受け、その指示に従ってください。
 不整脈の薬は副作用が多いので必要な時は正しく服用し、定期的に診察を受けてください。

市民病院 内科

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質問5 生理痛について
 18歳の女性ですが、生理痛がひどくて困っています。どうすれば良いでしょうか。

 月経の直前、開始から月経期間中に起こる強い下腹痛や腰痛、頭痛などを一般に生理痛と言っています。医学的には月経痛、または月経困難症と言います。生理痛は、がまんできる程度の痛みから鎮痛剤を服用しなけば日常生活ができない程度、あるいは嘔吐を伴ったりショック様となり救急車で病院へ運ばれるほど強いものまで様々です。
 原因によって器質的月経痛と機能的月経痛に大別されます。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの原因となる疾患が有るために起こる痛みが器質的月経痛です。普通は月経を繰り返す毎に痛みが強くなっていきます。明らかな原因となる疾患が無くて起こる痛みを機能的月経痛と言います。これは、月経時に起こる子宮の筋肉のケイレンが原因と考えられています。若年者や未産婦の方に多く、出産後に軽快することもあります。治療方法として、器質的月経痛に対しては原因の除去が必要なため手術を勧めたり、それぞれの疾患に対する薬物療法を勧める場合があります。
 機能的月経痛に対しては、鎮痛剤の投与が主な治療となります。使い方としては痛くなってからではなく、前兆を感じた時から服用したほうが効果的ですし、結果的に少ない量で済みます。質問された方の年齢を考慮しますと機能的月経痛が疑われますが、子宮内膜症など比較的若い年代でも起こる疾患の有無を調べることも必要かと思います。少しの採血と超音波検査などで調べることができますので、一度婦人科を受診されることをお勧めします。

市民病院 加藤産婦人科主任部長

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質問6 肩こりや首の痛みについて
 以前から肩こりや首の痛みがあり、最近は右腕に電気の走るような痛みと指のしびれ感が時々みられます。どこに異常があるのでしょうか。

 首(頚部)の痛みと腕への放散痛、しびれがみられることから頚椎(背骨の首の部分)と頚髄(脊髄の首の部分)に異常があると考えられます。
 多くは頚椎の軟骨が後ろに突出して頚髄を圧迫したり(病名/頚椎椎間板ヘルニア)、変形した首の骨が頚髄を圧迫する(病名/頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症)ために生じます。
 神経への圧迫が進行すると手がしびれて感覚がなくなったり、指や腕に力が入らなくなったり、さらには足が突っ張って歩きにくくなりおしっこが出にくくなったりしてしまいます。これらの症状は転倒や交通事故などのけが、就眠中の枕の高さが低かったり長時間上を向く仕事など首を過度にそらせると増悪する傾向があります。また、同様の症状を示す病気に頚椎の靱帯が骨のように硬く厚くなる頚椎後縦靱帯骨化症や頚髄の腫瘍など重大な疾患が隠れていることがありますので早めに病院で受診し、検査を受けることをお勧めします。検査はレントゲン写真で骨や軟骨の変形をみたり、磁石の磁力で写真を撮るMRIで脊髄の圧迫の程度が簡単に確認できます。治療は安静を基本とし、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬などの薬物療法、牽引や温熱療法、頚椎カラーなどの装具療法を行います。進行して脊髄麻痺症状が強い場合には、手術が必要となりますので早期治療が重要です。

市民病院  北野整形外科部長

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質問7 高脂血症について
 今年も住民検診で高脂血症(高コレステロール血症)といわれました。特にからだも都合が悪くないのですがどうすればよいでしょうか。また、薬で治るのですか。

 高脂血症は、我々日本人の主な死因である脳卒中、心臓病、心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化症の原因の一つと考えられています。
 からだの中の脂肪の成分であるコレステロールや中性脂肪などは本来人間のからだを形作ったり、正常なからだの営みに欠かすことのできないもので、食事から取り入れたり肝臓などで作ったりして調整されています。
 しかし、体質的な異常や肥満、糖尿病などの病気になったり、脂肪分の取り過ぎや過食などの食生活の乱れ、運動不足などがある場合は、コレステロールや中性脂肪の量の調整ができず動脈硬化症の出現に危険と思われる値(コレステロールで220mg中性脂肪で150 mg)以上に上昇してしまうものと考えられます。
 高脂血症の早期には多くの成人病と同様に血液検査では異常がみられるものの、合併症としての動脈硬化症による心臓病や脳卒中などがなければ自覚症状はみられません。しかし、放置すれば動脈硬化症の出現が懸念されることになり、養生や治療が必要になってきます。
 すでに述べましたように高脂血症の原因を調べた上で、まずは食事習慣を見直し、肥満や過食があれば栄養分のバランスを考えた減食を始め、主な異常がコレステロールであれば卵黄などを避けた低コレステロール食の導入を考えていただくことです。また運動(歩行で十分)も大切です。それでも高脂血症の改善がなければ、内服薬の治療を始めましょう。最近は副作用の少ない効果の高い薬がありますので、症状がなくても放置しないですぐに医師に相談して生活改善を図るとともに治療を始めてください。

市民病院野 太田医療局長

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質問8 お年寄りの膝の痛みについて
 72歳の女性です。最近、膝の痛みが強く、将来歩けなくなるのではないかと心配しています。何か良い治療法があれば教えてください。

 おそらくあなたの膝の痛みは、変形性膝関節症によるものと考えられます。膝関節は骨と骨が直接、接しているわけではなく、骨の表面は軟骨で覆われています。老化とともに軟骨がすり減ってくると骨が露出し、骨と骨がぶつかり合って痛みが出ます。最初のうちは、歩き始めや立ち座り動作、階段の昇り降りなどで痛みが出たり、膝の裏側が突っ張ったりします。
 通常、膝の内側が痛くなります。病気が進行するとO脚になったり、関節に水が溜まったりして、長く歩くのが困難になります。また、膝の曲がりも悪くなり、屈伸で音がするようになります。
            治療法で、まず自分でできることとしては膝の負担を軽減することが肝要です。肥満は大敵です。減量に努め、しゃがみ込み動作、正座、階段の昇降や長時間の歩行などは極力避けたほうが賢明です。また、膝の支持性を高めるためには、膝体操をして膝のまわりの筋肉を鍛えることも大切です。痛みが強いときは痛み止めの坐薬、飲み薬や貼り薬があります。また、マイクロ波やホットパックなどの温熱療法やサポーター、足底板装着も効果があります。さらに、関節軟骨保護剤の注射も奏功することがあります。しかし、関節の変形が強く生活に支障をきたし、薬も効かないとなれば、骨切り術や人口関節手術を考えたほうが良いでしょう。
 現在のあなたの病態の詳細については分かりませんので、とにかく早いうちに専門医で受診し、相談されるのがよろしいかと思います。

市民病院  整形外科

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質問9 肺塞栓症について
  突然、胸痛と咳、息切れを感じて病院を受診したところ肺塞栓症と言われました。これはいったいどんな病気でしょうか。

 肺塞栓症とは、静脈系で形  成された塞栓子(血栓、脂肪、腫瘍など)が血流に乗って流れてゆき、肺動脈をつまらせて起こる肺の循環障害のことです。その多くは、下肢および骨盤などの静脈にできた血栓が遊離して発症します。長期臥床、下肢静脈瘤、静脈炎などで起こりやすい病気です。従来、我国の発生頻度は欧米に比べて低いと考えられていましたが、年々増加傾向にあります。
 低酸素血症と胸痛、咳嗽、呼吸困難の三主徴があれば本症が疑われ、胸部レントゲン、心電図や心エコーに異常を認めます。
            最近は肺動脈造影を行わなくても、ラジオアイソトープを用いた肺血流スキャンによって比較的簡単、かつ迅速に診断できるようになりました。また、CTやMRIで血栓の描出も可能となりました。
 治療は、急性期の治療と再発予防の二つに大きく分けられます。急性期には血栓溶解療法などが行われ、心不全やショック低酸素血症のため入院を必要とします。また、再発予防には、血栓を防ぐ薬物療法や下大静脈にフィルターを挿入する方法などがあります。長期にわたる治療を必要とすることが多いので専門医にご相談ください。

市民病院  新家内科部長

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質問10 乳幼児の発熱について
 十カ月の女の子ですが、三日前から熱が続いています。どんなことに気をつけたらよいでしょうか。

 冬が近くなり、いよいよ風邪の季節がやってきました。
 冬の風邪の原因としてインフルエンザウイルスが有名ですが、その他にもこの季節には何種類かのウイルスによる風邪が流行します。風邪の症状の中でも発熱は、元気がなくなったり食欲がなくなったりしますのでやっかいなものです。熱が出ている間は、できるだけ安静にして体を休めることが大事で、食事も普段より食べやすいものに変えて水分を十分とるようにします。
 小児科で解熱薬が出る場合がありますが、使用法をしっかり守って使いましょう。ただし、普通の風邪でも二、三日は熱が続くことが多く、解熱薬で熱が下がっても風邪が治ったわけではありません。解熱薬ばかりにたよらず、体を氷枕や冷たいタオルなどで冷やしてあげることも大切です。たまに「高熱で頭が変になるのではないか」と心配されるお母さんがおられますが、特別な病気(例えば髄膜炎や脳炎)以外の発熱では決してそんなことはありませんのであわてないでください。
また、乳幼児では発熱時にひきつけを起こすことがあります(熱性けいれんといいます)。
 もしひきつけを起こした時には落ちついて様子を観察してください(口の中には物を入れないようにしましょう)。数分でおさまることが多いですが、十分以上続く時は救急車を呼びます。数分でおさまった場合でも一度小児科を受診しておくとよいでしょう。

市民病院  小児科

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質問11 妊婦の食事について
 妊婦検診で医者から「太りすぎです。」と言われました。妊娠中の食事は、どんなところに注意すれば良いのでしょうか。

 妊娠中に体重が増えすぎると妊娠中毒症や難産の原因になります。また、産後なかなか元の体重に戻らない場合があります。妊娠中の体重増加は8〜10・以内に抑えましょう。
 特に、妊娠後半期に1・/月以上増加する場合は注意が必要です。
 妊娠中の必要カロリーは、普段より 150〜 350カロリー増えるだけです。普通に食事をきちんと摂っている人なら、カロリーは大体足りているはずです。ですから、特別に摂取カロリーを増やさなくても今までどおりに食べていれば大丈夫です。ただし、問題はその内容にあります。カロリーが足りていても栄養のバランスが悪くてはだめです。バランス良く1日30品目以上食べていれば合格です。
 それでは、太らずに栄養をとるにはどうすればよいのでしょうか。
(1)間食を止めましょう。
(2)朝食や昼食はしっかり食べて、夕食は軽めにしましょう。
(3)主食を減らし、副食を十分にとりましょう。
(4)野菜や魚を中心にした食事にしましょう。
(5)肉類は、ゆでたり焼いたりしてカロリーを抑えましょう。
 以上の事を守れば体重の増えすぎを予防できると思います。
 食事内容に注意して健康な赤ちゃんを出産してください。
 詳しくは、当院の妊産婦保健指導室をご利用ください。

市民病院  妊産婦保健指導室

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質問12 腰椎椎間板ヘルニアの治療法について
 数年前から腰痛があり、約2カ月前より右尻の部分と右膝下に痛みとしびれが現れてきました。近くの医院で腰椎椎間板ヘルニアと言われ、腰椎牽引を受けています。腰痛や下肢痛は大分良くなりましたが、最近、右足首の脱力感があります。今後の治療をどのようにしたらよいでしょうか。

 まず専門医の診察と検査によって腰椎椎間板ヘルニアによる症状であることを確認する必要があります。その他の腰椎疾患、内蔵疾患などが疑われれば、それらの検査を要します。
 腰痛および下肢痛が椎間板ヘルニアによる症状であれば、まず安静、鎮痛剤内服に加えて必要なら腰椎用コルセットを使用してそれらの効果を見ます。
 治療効果と痛みによる日常生活の不都合の具合をみて、必要に応じて腰部硬膜外ブロックを併用します。最近の検討では椎間板ヘルニアが縮小することがあるとされており、ある程度日常生活が出来れば2、3カ月ほど安静と鎮痛剤内服の薬物療法を行うことが良いと言えます。 これにより9割以上の患者さんの症状は良くなります。しかし、まれに排尿障害や下肢筋力低下の高度な例があり、早めの手術が必要になることがあります。一般的に手術療法は、治療して6ヵ月から1年以内の比較的短期の疼痛改善に関して優れ、5年以上の長期でみると保存療法と差が無いとも言われています。
 治療法の選択を最終的に決定するのは患者さん自身です。専門医の説明を受けて、よく考えて納得して決めてください。

市民病院 松井整形外科主任部長

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質問13 胃カメラは辛い?
 検診の胃透視で要精密検査(胃内視鏡検査を受けて下さい)との通知がきました。胃カメラは辛いと聞いていますが、内視視鏡検査は必要でしょうか。
 また、胃透視と内視鏡検査はどう違うのでしょうか。

 胃透視はバリウムにより粘膜表面の凹凸をレントゲン照射の影として写し出して間接的に観察する方法で、胃内視鏡検査はいわゆる胃カメラを挿入して胃粘膜を直接観察する方法です。胃透視は胃全体の形を観 察することには優れていますが、胃粘膜のわずかな変化をとらえるには直接観察する内視鏡のほうが有効で、さらに内視鏡には疑わしい部分の組織をその場で採取できる利点があります。
 特に、胃に変形のある方や胃液や粘液が多くバリウムのりの悪い方は、胃透視のみの検診では病変を見逃されたり、病変が無いのに異常を指摘される頻度も高くなるので内視鏡による検診をお勧めします。
最近、ごく早期の胃癌には内視鏡での切除や縮小手術の適応がありますが、この治療の対象となる病変はほとんど内視鏡検査で指摘されたものです。内視鏡はとても辛いと一般的に考えられていますが、“飲まず嫌い”の方も少なからずおられます。
 近年は内視鏡もかなり細くなり、十分な咽頭麻酔に鎮静剤を併用すれば「思っていたよりずっと楽だった」といわれる方も少なくありません。また、内視鏡検査を行って、胃透視で指摘されたのとは別の部位に早期癌が発見されることもあります。
 これを機会にぜひ“飲まず嫌い”を克服してほしいと思います。

市民病院  外科

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質問14 歯の必要性について
 何本か歯がありませんが、このままにしておいてもいいのでしょうか。

 歯は見た目(審美性)や食事(咀嚼)をしたり、発音(構音)などを行う上で非常に重要なものです。患者さんの中には、何本か歯が無くても十分噛めるし、不自由していないという方もおられますが、全ての歯がそろっていた方がより良く噛めるでしょうし、消化器官への負担も軽くなることが予想できます。また、歯がない期間が長くなるとかみ合わせが悪くなり、顎の関節の不調和が出現することもあります。「入れ歯はどうしてもいやだ」といわれる方もおられますが、無くなった歯の本数により治療法も異なり、入れ歯にしなくても良い場合もあります。また、入れ歯を入れるにしても、残っている歯がグラグラしていたり、歯ぐきが赤く腫れていたりすれば、当然入れ歯を作る前に悪い歯の治療をしなければせっかくの新しい入れ歯もすぐに使えなくなってしまいます。また、お年を重ねることにより、歯ぐきや顎の骨がやせて入れ歯が合わなくなり、食事や会話中に落ちてくる原因の一つになります。長年使用していることにより入れ歯の歯がすり減り、噛みづらくなることもあるため、ご自分の口の中の状態と治療方法について主治医とよく相談し、早期発見、早期治療で80歳まで20本の健康な歯を残すように頑張りましょう。

市民病院  歯科口腔外科

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質問15 喘息の自己管理について
 喘息で通院中の40歳の主婦です。ほとんど発作もなく、飲み薬や吸入も忘れがちです。今後ずっと薬を飲み続けていく必要があるのでしょうか。また、喘息日記やピークフローメータをいただいておりますが、毎日つけるのが億劫です。どんな意味があるのでしょうか。

 残念ながら、成人の喘息は完全に治ってしまうことはありません。治療の目標は、発作を未然に防ぎ、喘息に悩まされることなく、いかに生活の質を高めるかというところにあります。今の喘息の良い状態を維持していくために、定期的な診察を受け、主治医の指示どおり内服や吸入を気長に続けていく必要があります。ただし、現在ほとんど発作が無いということですから、一部の薬剤の減量、中止が可能な状態と考えられます。しかし、薬剤の量を減らすということは、それだけ悪くなるというリスクが高くなるわけですから、我々はより客観的に患者さんの喘息の状態を知りたいわけです。そこで、喘息日記やピークフローによる自己管理が重要になってくるのです。喘息日記には発作の状態、夜の睡眠、咳、痰の切れなどをチェックする欄があり、それを毎日つけていただき点数化します。
 また、ピークフローメータというのは簡易の肺活量測定器で、これによりさらに客観的な喘息の評価が可能なわけです。高血圧の人が毎日血圧を測定したり、糖尿病の人が自己血糖測定を行うのと全く同じ理屈で、発作時の受診タイミングや薬剤の増減量の目安にもなり、患者及び医師ともに大きなメリットがあります。

市民病院  内科

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質問16 食中毒について
 梅雨から夏場にかけて、食中毒が心配なのですが、どういった点に注意すればよいでしょうか。

 食中毒のほとんどが細菌によるものです。食中毒は季節を問わず発生していますが、6月から9月の間に年間の約6割が発生しています。1996年に起きた腸管出血性大腸菌O−157の全国的な大流行は、患者数九千人以上、死者11人を記録し、衝撃的でした。最近の例では、乾燥イカによるサルモネラ感染症患者が北陸にも出ています。このような集団発生以外に食生活の変化に伴って牛、鶏、豚の生肉を家庭に持ち込むようになったため、サルモネラ、カンピロバクターなどの細菌による下痢が急増しています。家庭でも「食中毒予防の三原則」を守りましょう。
(1)付けない(調理や食事の前に 必ず手を洗い、調理器具や容 器を清潔にする。)
(2)増やさない(新鮮な物を購入 し、できるだけその日の内に 食べる。買い物から帰ったら すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れ、 食品を詰めすぎず、庫内の温 度を10度以下に維持する。)
(3)殺す(加熱して調理する食品 は十分に加熱する。)といったことに注意しましょう。
 さらに、井戸水などを使用している家庭では水質に十分注意しましょう。また、節約の精神には反しますが、古い食品は思い切って捨てましょう。万が一、腹痛、下痢、おうと等の症状が出て食中毒かなと思ったら、水分摂取をこまめに行いながら早めに医療機関を受診しましょう。

市民病院  辻小児科部長

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質問17 リハビリテーションって何?
 二ケ月前に脳卒中で半身不随となり入院した友人が、今は毎日リハビリをしていると聞きました。一口にリハビリといってもいろいろあるそうですが、どんなことをしているのでしょうか。そしてリハビリをすれば完全に治るのでしょうか。

 脳卒中は脳の血管が障害された状態で、手足の麻痺や言語障害の他、全身に多彩な症状が現れます。リハビリテーションは専任医の診察のもとに、まずは障害された機能の最大限の回復を目的として専門技術士が治療や訓練にあたります。
 関節を動かす・筋力をつける・起きあがる・立ち上がる・歩くなどの動作の練習は理学療法士(PT)が、食事・着替えなどの身の回り動作や家事動作などは作業療法士(OT)が、また言語機能やコミュニケーション・燕下訓練(飲食物の飲み込み)は言語聴覚士(ST)が担当します。
 しかし、一定の回復期間を過ぎても残る後遺症は、「障害」として対処していかなければなりません。障害に対して残存機能を生かす方法を工夫したり(反対の手を使う・特殊な道具、杖、装具を使うなど)、家屋を改造したり、福祉サービスを活用することにより自宅や社会生活に復帰することもリハビリテーションの大切な過程です。
 現在もなお「リハビリテーション」とは、単に手足を動かしたりマッサージをしたりするというふうにとらえられていることが多いようですが、このように幅広い意味を含んでおり、多くの専門職が参加して行っています。

市民病院  リハビリテーション科

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質問18 院外処方のお勧めについて
 病院で院外処方箋を勧められました。なぜ、街の保険薬局で薬を受け取るのですか。

 私たちの医療を取り巻く環境は、高齢化社会、疾病構造の変化、医療技術の進歩など急速に変化しています。そのため、医薬品においても適正で安全な使用が重要な課題となっています。
 現在、国及び県の指導のもとに、全国的に病院、診療所では街の保険薬局でお薬を受け取る院外処方箋の発行が進められています。「かかりつけ薬局」を持つことで、薬に関する情報を一括管理できるため複数の医療機関から処方されたお薬の重複投与や薬の相互作用のチェックができます。
 また、アレルギー体質の患者さんに対しては、適切な指導や副作用を未然に防止することも可能になります。
 これらのことから患者さんの良き相談相手となる「かかりつけ薬局」を持っていただくことを推進しているものです。
 院外処方箋は、直接街の保険薬局へお持ちいただくか、病院内の案内コーナーを利用して希望される保険薬局へFAXすることもできます。四日以内であれば、どこの保険薬局でも有効ですので院外処方箋の利用をお勧めします。

市民病院  橋本薬剤科長

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質問19 不妊症について
 結婚して3年たちますが、まだ子供ができません。早く子供が欲しいのですが、不妊症かどうか心配です。また、不妊症の検査は大変でしょうか。

 避妊をしないで普通に夫婦生活をした場合、初めの1年間で約80%の夫婦に、2年間で約90%の夫婦に妊娠が成立するとされています。
 一般に1年間ないし2年間で妊娠しない場合を不妊症としています。ですから約10%の夫婦が不妊症です。
 不妊症の原因は多様で、原因が男性側にある場合(約40%)、女性側にある場合(約40%)、両方にある場合または検査でははっきりとした原因がわからない場合(約20%)があります。男性側の検査は精液検査が主となります。女性側の検査は少し多くなります。まず基礎体温表を毎日つけた上で、卵巣の性質を確認するために月経周期の前半に1回と後半に1回血液のホルモン検査、月経周期の前半に卵管の通過性を確認する検査、排卵を確認するために超音波検査を2〜3回と血液のホルモン検査1〜2回、精子と子宮の入口の粘液の相性を確認する検査1回などです。
 卵管の通過を確認する検査に以前は金属の材質のものを使用していたため非常な苦痛を伴いましたが、今日では柔らかい材質のものを用いており、苦痛はほとんどありません。
 高岡市民病院産婦人科では、通院の都合を考慮し、夕方の不妊専用外来を開設しております。
 初診の方は、一度午前の外来診察を受けていただいた上で、その次からご利用いただけます。

市民病院  脇 産婦人科部長

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質問20 下肢静脈瘤の治療について
 妊娠中に下肢の血管が浮き出たようになり、一時軽快していましたが、最近再び大きくなってきました。また、夕方になると足がだるくて疲れやすくなります。何か良い治療はあるでしょうか。

 ご質問の病気は下肢静脈瘤といわれるもので、これは人類が起立歩行を始めたことにより出現した病気です。女性に多いことも特徴の一つで、古代より女性を悩ませてきた疾患といえます。下肢の静脈には血液の逆流を防ぐ静脈弁がありますが、この静脈弁が壊れると血液が逆流し、鬱血するために膝やふくらはぎの周辺に静脈瘤が生じます。
 症状としては静脈の拡張・蛇行の他、下腿のうずくような痛みやだるさ、夜間就寝中に生じるこむら返りなどがあります。また、重症例では皮膚潰瘍をきたすこともあります。
 治療の原則は下肢の安静で、長時間の立ち仕事を避けることが重要です。治療法としては、(1)保存療法(2)硬化療法(3)手術治療の三つがあります。保存療法は圧迫療法ともいわれ、軽症例では症状の改善に効果があります。硬化療法は静脈瘤内に硬化剤を注入し、静脈瘤をつぶしてしまうものです。通院で治療可能ですが再発することがあります。手術治療は病変のある静脈を抜去してしまうものです。
 最も根治的で再発もほとんどありませんが、10日前後の入院が必要です。最近は患者さんに応じ、これら三つの治療法を組み合わせて治療しています。
 この度、10月1日より高岡市民病院に胸部・血管外科が新規開設されましたので、気軽にご相談ください。

市民病院  横川胸部・血管外科主任部長

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質問21 インフルエンザについて
 今年の冬、インフルエンザによる死亡の記事がよく新聞に載っていました。私は肺が弱く風邪をひきやすいのですが、インフルエンザは風邪とは違うのでしょうか。また、予防接種のことが新聞に載っていましたが、子供にするものとばかり思っていました。大人でもするものなのでしょうか。

 日本ではインフルエンザは単なる「はやり風邪」と思われていますが、インフルエンザは風邪とは明らかに違うものです。インフルエンザは高熱が続き、症状が激しいことが特徴です。また、気管支に強い炎症を起こし、肺炎を合併しやすいのです。
 高齢の方、心臓や肺に病気を持っていらっしゃる方の場合、命に関わることが多く、昨冬のように流行しますと、たくさんの方が命を落とされることになります。また、小さいお子さんの場合、まれですがインフルエンザ脳症を合併し、命に関わることもあります。
 日本では94年に法律が改正され、学童の集団接種が廃止されました。欧米ではインフルエンザワクチンの有効性が証明されており、広く接種が行われています。高齢の方、心臓や肺に病気を持っていらっしゃる方、糖尿病の方、病気のため免疫力を落とす薬を服用中の方にはインフルエンザワクチンの予防接種をお勧めします。
 接種しますとインフルエンザにかかっても症状が軽くてすみます。費用は1回 5,000円程度で、2回接種が必要になります。
 詳しいことはかかりつけの先生もしくは病院を受診いただきご相談ください。

市民病院  宮崎内科部長

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質問22 スノーボードにおけるけがについて
 18歳の女性です。友達に誘われて、今年スノーボードを始めようと考えています。最近、マスコミなどでスノーボードの危険性がよく報道されていますが、実際のところどうなのでしょうか教えてください。

 スノーボードは若者を中心として爆発的に流行し、年々そのけがの数も増えてきています。私が以前勤務していた長野県のある病院では、91年のシーズン中にけがで病院を訪れた人がわずか5人だったのに対して、その後うなぎ登りに増加し、96年シーズンでは 611人にも達していました。スノーボードのけがの発生率が0.35%で、スキーが0.07%ということからしてもスノーボードのけがが圧倒的に多いことがわかります。
 では、スノーボードでは体のどの部位のけがが多いかというと、スノーボードはストックを持たずに上体でバランスをとりながら滑るため、けがの多くは上半身に多く発生します。例えば、転んだ際に手をついて手首や肘の骨折をしたり、肩を脱臼したりします。また、ボードのエッジで頭を切ることもしばしば見受けられます。手や足のけがで済んでいればまだ良い方なのですが、何よりも問題なのは転んだ時に頭を強く打って、頭の中で出血して死亡したり、命をとりとめても重篤な後遺症を残す場合です。その他、内臓を損傷したり、脊髄を損傷して手や足が麻痺し、一生車椅子生活を送らなければならないことも決して稀なことではありません。
 けがをする人は、ほとんどが初心者や初級者で、ゲレンデのちょっとした段差でジャンプをして着地に失敗してけがをすることもあれば、緩斜面で単にボードのエッジが雪面に引っかかって転倒受傷することも多いようです。スノーボードを始めるにあたって、まずその危険性を十分に知り、スクールに入って滑り方の基本と上手な転倒の仕方やスキー場でのマナーを十分に教えてもらうことが大事です。それから、技術が伴わないのに、やたら無理なジャンプを試みるのも止めた方がいいでしょう。せっかくの楽しいスノーボードのシーズンが悲惨なことにならないように注意してください。

市民病院  整形外科

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質問23 冬の運動療法について
 48歳の男性です。肥満、高脂血症、糖尿病があり、医師より運動療法を勧められています。 天候の悪い冬期にはどのような運動をしたらよいのでしょうか。

 高脂血症、糖尿病は肥満から起きる生活習慣病の代表的な疾患です。その予防・治療には運動が大きな役割を果たします。
 最も手軽な運動は歩くことです。万歩計をつけて「一日一万歩」を、一万歩が無理でも毎日六千歩以上は歩いた方がよいでしょう。富山は典型的な車社会ですが、交通手段を車に頼らず防寒を十分にして通勤の中で歩行を取り入れたり、歩いて買い物に行くのもよいでしょう。
 また、温水プールを利用した水泳や水中ウォーキングもお勧めします。特に水中では浮力のため、大股で歩くなど陸上ではできない動きが可能となり、ふだん使う機会の少ない太もも内側の筋肉や股関節も鍛えられます。その際、心肺機能の向上のためにも腹式呼吸を行うことも大切です。さらに、椅子に坐ったままでのリズム体操やストレッチ運動も冬期の運動として適しています。テンポの速い音楽にあわせて腕を振り、足踏みしたり、手指を動かすようにしてください。
 最後に、生活習慣の中で楽しみながら毎日続けることが大切なことを付け加えておきます。

市民病院  朝日内科部長

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質問24 腹圧性尿失禁について
 35歳の女性ですが、最近せきをしただけで尿が漏れてしまいます。ナプキンをあてていますが、恥ずかしくて旅行にも行けません。何か良い方法はありませんか。

 これは腹圧性尿失禁という病気です。原因は、尿を我慢する筋肉(尿道括約筋)のはたらきが弱くなるためです。
 このため重いものを持ったり、せき、くしゃみをしたり、あるいは体動により腹圧が急激に上昇したときに尿が漏れてしまうものです。経産婦や肥満の中高年女性に多いといわれていますが、若い女性でも数パーセントにあるといわれています。
 治療は、はたらきの弱った尿道括約筋を鍛えるための体操が有効です。尿道括約筋は肛門をすぼめる筋肉とつながっているので、肛門をすぼめる運動を1日5〜6回以上根気よく数カ月間続けることです。また、腹圧性尿失禁を軽くするお薬もありますから、これを併用することが効果的です。ただし、程度の強い腹圧性尿失禁では手術が必要な場合もあります。
 腹圧性尿失禁は、女性の病気のなかでは比較的よくあるものの一つです。症状のある方は、より活動的で快適な生活を送るために、ぜひ泌尿器科専門医の受診をお勧めします。

市民病院  酒本泌尿器科部長

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質問25 放射線治療の機械について
 3市民病院に新しい放射線治療の機械が入ったそうですが、どんな装置でしょうか。

 放射線治療は、癌や血管奇形などの血管の異常などに対して、高エネルギーの放射線を照射して治療します。
 そのために病変の正確な情報を得るためのCTシュミレータ、放射線治療計画用コンピュータ、放射線を照射するリニアック(直線加速装置)などの最新の機器が導入されました。
 さらに、脳内の病変に対して外科手術を行うことなしに治療可能なX−ナイフ(定位脳放射線治療装置)も導入されました。
 X−ナイフは、頭に固定具を一時的に取り付け、リニアックを多方向に回転させて頭蓋内の病変をミリ単位の正確さで狙い撃ちします。一時的に脳のむくみなどが起こる場合がありますが、比較的副作用も少なく、放射線治療に必要な期間も2〜3日と短く、患者さんの負担の軽減となります。
 では、脳以外は今までとは変わらないのでしょうか。脳内は固定してあれば動きませんから、精密な放射線治療が可能ですが、他の部分は呼吸などでどうしても動きます。しかし、多方向からの放射線の照射を合成すれば、副作用の少ない効果的な放射線治療が可能となるはずです。
 当院では将来を見越して、それに必要不可欠な放射線治療コントロール装置(シュミテック)の日本初の導入が予定されています。

市民病院  平 放射線科部長

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質問26 胃癌に対しての縮小手術や内視鏡的切除について
 5年前から毎年胃癌検診を受けていたのですが、今年はじめて、内視鏡で胃癌が見つかりました。「小さいのでカメラで取れば治る」と言われましたが、転移などの心配はないのでしょうか。

 最近、癌に対する意識の向上と内視鏡の進歩によって、早い時期の胃癌が見つかるようになってきました。そして、その治療も以前はそのほとんどが、胃部分切除術(2/3 〜4/5 切除)や胃全摘術が行われていました。  しかし、多くの症例の積み重ねから癌の部分を含めた小範囲の切除(胃局所切除術)や内視鏡下に癌を含んだ粘膜部分だけを取る(内視鏡下粘膜切除術)ことで、癌を根治できる場合があることがわかってきました。 言うまでもなく、それらの治療の対象となるのはもちろん早期胃癌ですが、どんな早期癌でも根治できるわけではありません。早期癌のなかでも比較的浅いもので、リンパ節転移などの可能性が極めて低いものが選ばれます。また、深さのみならず、取りやすい場所にできたかどうかや、その型、また病変部の広さなどによっても治療方法が変わってきます。
 いずれにしろ、切除範囲が小さければ術後の障害も極めて少なく、以前と全く変わりのない生活ができるようになります。 癌の早期発見、早期治療は治癒率が高まるばかりでなく、手術後の生活にも大きく関係してくるようになってきたのです。
 ご質問の方は、定期的な検診のおかげで、癌を最小の手術で治すことができることでしょう。

市民病院  野手外科主任部長

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質問27 形成外科の診療について
 高岡市民病院で形成外科の外来診療が月曜から金曜の午前中に始まりましたが、どのようなことをするところなのですか。

 形成外科は、先天的あるいは後天的に、他人に見える場所に異常をもつ方を対象として、その異常を手術で整容的・機能的に正常に近づけ、社会的なハンディキャップを小さくするところです。大まかに言うと、熱傷、顔や手足をはじめとする全身の先天異常・外傷・変形、腫瘍の摘出と再建(腫瘍を取ったあとが縫い縮められないときに移植手術をする)、ケロイドや瘢痕拘縮(傷跡のひきつれ)、難治性腫瘍、美容外科などです。
 全ての手術で機能の再建が最優先されることは当然のことですが、形成外科では整容面に最大限の配慮をしていることが特徴といえるでしょう。6月には手術用顕微鏡が導入され、切断された指などの再接着手術も可能となります。
 報道されませんが、生体肝移植の血管吻合の多くは形成外科医が行っています。また、著名な芸能人(最近は映画人)の頬骨骨折を手術したのも形成外科です(本人は整形外科といっていましたが)。美容外科医(形成外科の経験が無くてもなれる)のトラブルとともに形成外科が報道されるため、形成外科イコール美容外科と思われていますが、ほとんどの公的病院で美容外科は行われていません。
 当科でも、ピアス・二重瞼・刺青をとる手術などの保険のきかない手術(美容外科)は扱っていません。余談ですが、美容外科のことを美容整形ということがありますが、整形外科の先生に失礼ですから、この言葉は使わないほうがよいでしょう。
  近年、盛んに宣伝されているレーザーは、現在のところ当院で導入する予定はありませんが、レーザー治療が望ましい方には信頼できる施設を紹介しています

市民病院  形成外科

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質問28 近視と老視について
 近眼だと老眼にならないというのは本当ですか。

 残念ながら近眼(近視)の人も老眼になります。
 老眼(老視)というのは文字どおり老化現象の一つです。
 老視はカメラに例えると、カメラのフォーカスが渋くなる状態です。
 近視の人が老視になると、近視の眼鏡をかけたままで近くが見にくくなります。今までかけていた近視の眼鏡をはずしたほうが、字や近くのものが見やすくなります。近視の人はもともと近くは良く見えていて、遠くは眼鏡が要る状態です。
 カメラに例えると、カメラのレンズが強すぎて近くにピントが合ってしまう状態です。
 そこで、通常は凹レンズの眼鏡をつけて遠くにもピントが合うようにします。フォーカスが動きにくくなると(老視になると)、凹レンズをはずしたほうが、近くが見やすいということになります。
 ちょうどいい近視の人は、高齢でも眼鏡なしで本や新聞が読めます(ただし、白内障などが無ければですが)。逆に、今まで眼がいいとされてきた近視でない人たちは、老眼鏡が必要となってきます。遠くのものを見た後、近くのものを見るときに焦点が合うのに時間がかかるというのも老視の症状です。
 老視は、なんと20歳過ぎから始まります。日常生活で不自由が出始めてくるのが40歳から50歳にかけてということになります。その頃はちょうどいろんな病気が出やすい時期ですので、変わった感じがあれば、お近くの眼科でご相談ください。

市民病院  眼科

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質問29 子どもの眼鏡について
 3歳の子どもが眼鏡をするように言われたのですが、本当に必要なのでしょうか。

 いろいろな場合が考えられますが、3歳でも眼鏡が治療上必要なことがあります。
 まず、斜視がある時、とくに内斜視では眼鏡をかけることが治療になる場合があります。
 すべてがそうではありませんが、遠視が強く、それを代償しようとして内斜視になる調節性内斜視では、まず眼鏡をかけることが治療になります。
 また、斜視が無くても、遠視や乱視が強いとき、そのまま成長したら弱視になりそうな時は、小さいうちから眼鏡をかけます。
 かわいそうだから、大きくなるまで待ってといっていると、大人になってからでは間に合わないことがあります。眼の成長期にはっきりものが見えていないと、大人になってからも正常な視力が出ません。
 眼の屈折の左右差が大きいときも眼鏡をかけるときがあります。最初は嫌がりますが、眼鏡をかけたほうが良く見えるというのが分かると、たいていは自分からかけるようになります。
 子どもの眼鏡のフレームは大人のものと少し違い、工夫したものになっています。

市民病院  眼科

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質問30 狭心症のカテーテル治療
 朝の出勤時に胸がつらくなることがあり、入院してカテーテル検査を受けたところ、狭心症と診断され、カテーテル治療を奨められました。カテーテル治療とはどのようなものでしょうか。(56歳、男性会社員)

 狭心症とは心臓の筋肉を養う冠動脈が何らかの理由で狭くなり、心臓の筋肉に十分血液がいきわたらなくなる病気です。この狭い部分が詰まると心筋梗塞という死亡率の高い怖い病気になってしまいます。この確認には心臓カテーテル検査が必要になります。カテーテル検査の結果により、狭心症発作の軽減、軽快や心筋梗塞への進展予防を目的として薬物治療や手術的治療が行われます。カテーテル治療を奨められたということは、高度の冠動脈硬化性病変が認められたものと思います。 手術的治療には、カテーテルを用いて行う経皮的冠動脈形成術(PTCA)と胸を開いて行うバイパス術があります。
 経皮的冠動脈形成術は検査の時と同じように手首、肘や足の付け根から、カテーテルと呼ばれる細い管を動脈内に挿入し、冠動脈まで進めます。その中に、さらに細くて先端に風船が付いたバルーンカテーテルと呼ばれるものを冠動脈の狭い部分や詰まった部分に進めます。そして風船をふくらませ、狭くなった部分を血管の中から拡張します。
 この技術は急性心筋梗塞の患者さんにも応用され、効果をあげています。さらに、PTCAではステントと呼ばれる金属製のコイルを血管に挿入する方法などが登場し、以前に比べ、さらに安全性、治療成績も向上してきました。詳しくは専門の医師に充分に相談され、治療を受けるようにしてください。

市民病院  平瀬内科部長

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質問31 夏かぜについて
 夏のかぜってどんなものですか。子供がかかったらどうすればよいですか。

 いわゆる夏かぜをおこすのは、アデノウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスです。アデノウイルスの感染により、キャンプやスイミングと関連して大流行する咽頭結膜熱(プール熱)や胃腸炎、発疹症、鼻炎、リンパ節炎などがおこります。  エンテロウイルス属には、ポリオ、エコー、コクサッキー、狭義のエンテロウイルスが含まれます。これらが突然の発熱と口腔内の水疱や潰瘍がおこるヘルパンギーナ、口腔内や手・足に小水疱の出る手足口病などの原因となります。
 夏かぜは1〜4才の幼少児に好発し、このように多彩な症状を示します。冬のインフルエンザには重症というイメージがありますが、それにくらべ一般に夏かぜは軽症疾患と考えられがちです。しかし、髄膜炎・脳炎などの中枢神経合併症や心筋炎などの心臓合併症、肺炎、肝炎などを併発する場合もあり、アデノウイルス7型による乳幼児死亡例が我が国でも報告されています。
 特に幼少児では、単に夏かぜと軽視することは禁物で、水分補給・安静を心がけると良いでしょう。また、行楽帰りに熱を出したり、クーラーなどの冷房機器にあたりすぎて寝冷えしたりすることも多いので、子供たちが疲れないような行楽の計画を立てることや室温の調節・換気にも気をつけましょう。

市民病院  辻小児科部長

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質問32 ステロイド外用剤について
 1歳の女の子ですが、アトピー性皮膚炎といわれ、ステロイド外用剤をもらいました。
 ステロイドは怖い薬と聞いたことがあります。大丈夫でしょうか。

 湿疹は誰にでもできますが、遺伝的に湿疹ができやすい体質をもった人が、特有の皮膚症状を生じたときにアトピー性皮膚炎と診断します。
 遺伝子を変えることは今のところできず、体質改善はありえません。治療はもっぱら対症療法になります。今ある皮膚の炎症・痒みを抑え、悪化要因を減らし、容易に炎症が起きやすい乾燥肌に保湿剤でスキンケアをして、肌をいい状態にコントロールするということが中心です。
 皮膚の炎症を抑える方法で、現在最も有効なのがステロイド外用剤です。
 薬には必ず作用と副作用とがあり、ステロイドにもありますが、外用剤は大部分が皮膚で働くので内服や注射のような全身的副作用はまずなく、あるとしたら外用した部分の皮膚にだけです。これも強いステロイドを必要以上に続けたり、外用したらいけないニキビやヘルペスに使ったときに起こることがあるもので、適切に使用すれば、まず問題になることはないでしょう。疑問が積もって適切な治療ができない方が多いようです。
 疑問点は主治医にどんどん質問をしてその都度解決してください。それでも納得がいかなければ、当院で行っていますアトピー性皮膚炎教室にぜひご参加ください。

市民病院  服部皮膚科部長

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質問33 体外衝撃波結石破砕療法にについて
 先日、急に左の横腹が痛くなり、近くのお医者さんに行きました。そこで、1cmほどの左尿管結石だと言われました。
 今も時々痛くなって困っています。何か良い治療法はないでしょうか。(54歳男性)

 体外衝撃波結石破砕療法が良いと思います。
 これは治療台の上に約1時間ほど寝てもらい、背中から衝撃波というものを結石に向けて当てます。これにより結石はバラバラになり、尿と一緒に排出されます。麻酔は痛み止めの注射をするだけです。普通は1回から2回の治療で済みます。腎臓の結石も、この方法で治療できます。
 腎臓結石・尿管結石は、20人に1人の割合で一生のうち一度は経験する病気です。また、何度も再発する方も多くいます。 以前は、結石が自然に体の外に出ない場合、お腹を切る手術しか治療法がありませんでした。
 しかし、最近では外衝撃波結石破砕療法が行われるようになり、手術せずに治療できるようになりました。
 市民病院でも、体外衝撃波結石破砕の治療装置を平成12年6月に導入いたしました。
 腎臓結石・尿管結石でお困りの方は、ぜひ一度当院の泌尿器科にご相談ください。

市民病院  酒本泌尿器科部長

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質問34 ピロリ菌について
 最近、胃・十二指腸潰瘍の発症や再発にピロリ菌と呼ばれる細菌が関与していると言われていますが、どんな細菌ですか。

 ピロリ菌の正式名称は、ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)と言い、ラセン状の菌体に数本の鞭毛を持つ、胃に存在する細菌です。
 約百年前よりその存在は知られていましたが、その特徴や役割から命名され、臨床的に注目されたのは約十年前からです。
 ピロリ菌の陽性率は、アジア・アフリカなどの発展途上国に高く、ヨーロッパ・アメリカなどの先進国に低く、わが国での年齢別の陽性率でも高齢者ほど高率である点より、感染経路は経口感染で、水道などの衛生水準が感染に関与していると思われます。
 ピロリ菌の病原性は菌産生物質のウレアーゼ・アンモニアによる胃への障害などがあげられており、ピロリ菌に週から月の単位で感染すると胃炎に、また年から十年以上で胃潰瘍や胃ガン・胃リンパ腫へと経過することがあると言われています。
 近年、ピロリ菌感染者の胃潰瘍や十二指腸潰瘍の高い再発率が注目され、再発予防の目的でのプロトンポンプ・インヒビター(PPI)と呼ばれる抗潰瘍剤と抗生物質による除菌療法が行われ、約90%の症例で除菌が可能で、再発予防の成果が上がってきています。現在、ピロリ菌感染の有無と除菌効果の判定にいくつかの検査法が実用化され臨床に応用されており、その判定法と除菌に用いられる薬剤が近日中保険適用になる予定です。

市民病院  七澤胃腸科主任部長

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質問35 アレルギー性鼻炎の手術療法について
 アレルギー性鼻炎に対する手術療法があると聞きました。
 どのような手術なのでしょうか。花粉症でも適応があるのでしょうか。

 花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の三大症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりで、どれも大変つらいものです。鼻の中でアレルギー反応が起きている主な場所は下鼻甲介という部分であり、この手術の目的はその場所の組織の変性、消失あるいは切除による減量にあります。
 従来、下鼻甲介の粘膜を切り取る下鼻甲介切除術が行われ、良い成績をあげてきました。
 しかし、出血が多い、手術後鼻内にガーゼを入れなければならない、術後経過観察のために入院が必要など煩雑さを伴っていました。最近、それら欠点を解消することのできる手術法が次々と登場してきました。
 その代表的なものにレーザー手術や電気凝固術があり、症状改善率は60〜100 %と報告されています。鼻粘膜は再生力が強いため、時間が経つにつれて改善率が悪くなる傾向にありますが、入院が不要で外来で日帰り手術ができ、また繰り返し手術を受けることも可能なので、これからますます普及していくものと考えられています。  また、花粉症などの季節性のアレルギー性鼻炎でも、症状の出る2、3ヶ月前に手術を受けると症状を軽減できると考えられています。

市民病院  寺西耳鼻咽喉科医長

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質問36 肺炎について
 私は75歳になる父親と一緒に住んでおります。周りの人からこの季節は肺炎に気をつけたほうが良いと言われます。どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。

 肺炎は風邪、気管支炎と同じ呼吸器感染症の一つです。
 症状は風邪や気管支炎と似通っており、発熱、咳、痰が主な症状です。痰の色は黄色や緑色のことが多く、重症の場合は呼吸困難を伴います。診断はX線写真を撮っていただき、肺に影があれば肺炎の診断となります。
 ご相談の件ですが、お父さんのようにご高齢の方には、今ほど述べたような症状がでることは少なく、元気がない、食事が食べれなくなるなどの症状のことが多く見受けられます。そのような症状が出た場合には、近くの医療機関を受診されることをお勧めします。
 治療ですが、もともと病気を持っていらっしゃらない若い方では、飲み薬で外来治療を行うことがあります。しかし、原則的には入院していただき、抗生物質という細菌を殺す薬剤を点滴することが必要となります。
 また、酸素吸入が必要になることもあります。肺炎は手遅れになりますと生命に関わることもあります。
 今の時期は肺炎が大変多い季節ですので、疑わしい症状がありましたら、迷わずに近くの医療機関を受診してください。

市民病院  宮崎内科部長

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質問37 卵巣の腫れ
 45歳の主婦です。ドックで卵巣が6cm位に腫れていると指摘されました。おなかの痛みなどもないし、症状は何もないのですが、どうしたらいいでしょうか。

 ふつう卵巣が腫れていてもかなり大きく(新生児頭大以上)ならなければ自覚症状はありません。卵巣は女性ホルモンを出して月経周期を作る仕事をしていますが、このホルモンの影響で生理的に腫れることがあります。特に、妊娠初期や月経前にはよく見られます。
 ご質問された方の場合、妊娠と関係ないとすれば、次の月経後(月経の第5日目頃から10日目頃)に婦人科で受診してください。生理的に腫れていたものであれば、消失しているはずです。しかし、残っていれば卵巣腫瘍としての検査が必要となります。超音波検査の他にCT、MRIといった画像検査や血液中の腫瘍マーカー(卵巣腫瘍に特有の血液中のタンパク質)の測定を行います。悪性のものほど高い数値を示します。
 これらの検査を踏まえて、良性・悪性(癌など)の診断をしますが、確定診断ではありません。最終的な良性・悪性の診断は、摘出した物の病理組織学的検査をしなければ分かりません。
従って、卵巣腫瘍では良性と思われるものでも積極的に手術を受けるようにしてください。
 医者の側もそのように勧めます。良性の可能性が高い卵巣腫瘍では、浸襲の少ない腹腔鏡下手術が行えますので数日間の入院で済みます。

市民病院  加藤産婦人科主任部長

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質問38 膝の半月板損傷について
 学生時代からバレーボールをやっていて、今もママさんバレーを続けています。最近、しゃがむと膝の内側に痛みがあり、時々急に膝が伸びなくなります。
 ある施設で、半月板損傷といわれましたが、病気の状態と治療法を教えてください。(30歳代の女性)

 半月板は膝の大腿骨と脛骨(すねの骨)の間にあり、クッションの働きをする骨で、三日月状をしています。
 激しい運動を長期間続けていたり、膝を捻挫したりすると、この軟骨が断裂してしまうことがあります。痛みの原因ともなりますし、時にこの切れた一部が狭い関節の間にひっかかって膝が動きにくくなります。
 半月板は周辺にしか血行がないので、切れると自然にくっつくことはありません。したがって症状を繰り返す場合には、関節鏡(膝の中に入れる胃カメラのようなもの)で見ながら、最小限の切除をすることになります。しかし、断裂が小さい時は切れていても痛みは軽くなりますので、少し様子をみてもよいと思います。
 まず、専門医に相談し、運動量の調整、注意すべき動き、筋力トレーニングの方法、サポーターなどの個々に合った具体的な指示を仰いでみてください。
 それでも症状が続くようなら、手術の適応となります。

市民病院  山田医療局長

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質問39 子供の歯並びについて
 歳になる息子は、下の永久歯の前歯が変な位置(乳歯の内側)から生えてきました。
 また、9歳の姉は上の永久歯の前歯が「すきっ歯」というのでしょうか、歯と歯の間に隙間があります。歯並びは大丈夫でしょうか。

 6歳頃に初めての永久歯6歳臼歯)が生えてきます。その後まもなくして、前歯(切歯)が乳歯から永久歯に生えかわってきます。この際、下顎では乳歯に変わる永久歯は舌側(内側)から生えてきます。
 その後、舌圧(舌が唇の方に押す力)により、切歯はゆっくりと唇の方に移動してゆき、やがて舌圧と唇の周囲の筋肉の均衡がとれた位置で安定します。
 また、上顎では一番前の歯2本が生えて、しばらくの間この2本の歯は離れて隙間があります。しかし、二番目(側切歯)や三番目(犬歯・糸切り歯)の歯が唇側(外側)よりに生えてくると、これらに押されてその隙間は閉じてきます。
 この時期をugly ducking stage(みにくいアヒルの子の時期)と言います。きれいな白鳥になる前のアヒルのようにきれいな歯並びの永久歯でも、最初はおかしな並びの時期があるということです。
 お話をお聞きするかぎり、問題は無いようです。しかし、余分な歯が埋まっているため、隙間(正中離開)が閉じなかったり、永久歯が生えてこなかったりすることもあります。
 詳しくは外来にてお尋ねください。

市民病院  杉浦歯科口腔外科部長

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質問40 乳腺症について
 乳ガン検診で、いつも乳腺症といわれます。どんなことに注意すれば良いのですか。(43歳の女性)

 乳腺症とは、乳房に腫瘤あるいは硬結、乳頭分泌などが見られる乳腺の良性疾患です。一部の乳腺症を除き、乳ガンの原因にはなりませんのでご安心ください。原因は相対的な女性ホルモン(エストロゲン)の過剰といわれています。
 さて、昨年まで乳ガン検診は視触診と超音波検査が行われていました。触診で、乳房の一部あるいは全体が硬くてザラザラしている人や超音波でムラがある人は、乳腺症と診断されていました。閉経前女性の50%ちかくにみられ、妊娠、授乳期には稀で閉経後に激減し、成熟女性の証ともいえます。実際には疼痛を訴えて外来を訪れる方が多く、痛みが無ければ治療の対象になることは殆どありません。
 基本は内科的治療で、食事療法として、カフェイン摂取の制限、脂肪制限食、無機ヨード摂取があげられています。
 薬物療法としてはホルモン療法が主体となります。ただ、一番問題になるのは乳ガンとの鑑別になりますので、しっかり診断しておくことが必要になります。一度専門医にご相談ください。ついでながら、今年からは超音波検査に代わり、X線検査となります。その際、乳房を伸ばすため圧迫を加えます。多少の痛みを感じることがありますが、ご了承ください。

市民病院  澤崎医療局長

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質問41 仮性痴ほうについて
 先日、「仮性痴ほう」という言葉を耳にしましたが、聞き慣れない言葉だったので気になりました。どういう意味ですか。

 「仮性痴ほう」とは、うつ病により痴ほう様症状を呈していることを指す言葉です。おもに高齢の方にみられ、長谷川式簡易痴ほうスケールなどでも痴ほうが疑わしいと判断されます。高齢の方のうつ病は症状が多彩で、一見痴ほうと見間違うくらい真性痴ほうと症状が似ている場合があります。
 症状としては記憶力の低下、知的能力の障害、頭痛や腰痛などのさまざまな身体症状、ボーッとしている、不安や焦燥が強く質問に答える余裕がない、意欲や集中力の低下などがあります。
 このような症状のため、痴ほうスケールをとった場合真剣に答えようとしても十分に答えることができず、結果的には点数が低くなってしまいます。
 頻度ですが、いろいろな統計で当初は痴ほうと判断された症例の8〜15%といわれています。
 つまり、痴ほうといわれた人の1割前後が実際はうつ病だったことになります。  診断ですが、詳細な問診と症状の観察が主となります。しかし、困難な場合も時にみられます。いったん診断が確定したならば、次は治療となります。
 「仮性痴ほう」は、うつ病による症状ですので適切な薬物による治療で治ることが多いです。
 これは大切なことで、痴ほうかなと思ったら精神科を受診してみてください。

市民病院  橘精神科部長

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質問42 エコノミー症候群について
 海外旅行のため長時間飛行機に乗る予定ですが、今話題になっているエコノミー症候群とは何ですか。また、どのようなことに注意すればいいでしょうか。

 エコノミー症候群とは、足の静脈にできた血栓(血液の塊)が肺の血管を閉塞し、生じる肺動脈血栓塞栓症のことです。
 長時間飛行機に乗っていた後に歩き始めた時、急に息苦しくなり、ひどい場合は血圧が低下してショック状態になります。
 予防するには水分を十分摂取し、血液が濃くならないようにすることが大切です。
 また、長時間座ったままでいると下肢の静脈の流れが滞り、血栓ができやすくなります。
 ですから、時々足を動かして血液がうったいしないようにしましょう。飛行機の中では急に立ち上がることはできませんから、足を伸ばして足の筋肉に力を入れるだけでもよいのです。 足の筋肉にはポンプの作用があり、収縮することで静脈の血液を心臓に還すように働きます。
 そうすることで、足の静脈の血栓形成を予防できると思います。

市民病院  新家内科部長

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質問43 全身麻酔について
 全身麻酔で手術を受けることになりましたが、安全ですか。
 途中で麻酔が切れたり、目が覚めないということはないでしょうか。(45歳、女性)

 全身麻酔は手術による痛みや不安、身体に起こる有害な反応を取り除くとともに、全身の重要な臓器を保護、管理する目的で行います。麻酔薬と他の薬剤を適宜使用し、手術による危険から患者さんの身体を守り、全ての臓器を保護します。
 患者さんの体の状態、手術の種類、方法により100%絶対に安全とはいえない場合があります。
 少なからず危険を伴うことはご理解ください。しかし、万全の体制で麻酔管理しますので、安心して麻酔、手術をお受けください。麻酔科医、手術担当医、看護婦が、患者さんの生命が脅かされないように全身の状態を術前、術中、術後にわたって絶えず観察し、必要な処置を施しています。また、全身麻酔中に目が覚めることはありません。 手術が終わり、薬が体から排出、分解されると必ず目が覚めます。麻酔から覚めた後も種々の鎮痛法を駆使して痛みを和らげる方法をとっています。
 麻酔は飛行機の操縦に例えられます。空を飛ぶのは危険なことですが、訓練されたパイロットや機体の入念な整備、無理のない飛行計画、多くのスタッフなどによって安全が支えられています。全身麻酔についての不安や質問などございましたら、お気楽にご相談ください。

市民病院  明星麻酔科部長

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質問44 どうしたら背が伸びますか
 長男は小学一年生です。身長が低くて一番前のため、整列の時にする「前に倣え」の手を伸ばすことを今までにやったことがありません。
 何とかしてやりたいのですが、何か方法があるでしょうか。

 背が低いということは、いろいろなハンデがあります。
 心のいじけた子になったり、人にいじめられる対象になったりします。大人になって結婚や就職にも支障をきたすことがあります。
 低身長の大部分は、もって生まれた体質によるものが多いのですが、全てではありません。
 治療によって伸ばすことができる疾患もあります。
 それは成長ホルモンが少ないことによって、背が伸びない子です。これは成長ホルモンを少ない分だけ補充してやればよいからです。その診断には成長ホルモンが出ているかどうかの検査が必要です。
 一番いけないことは、父親がそうであったように中学や高校に行けば、そのうち伸びるだろうと家族が勝手に判断してしまうことです。
 身長の伸びるのには時期があって、それを逃してしまうと希望の高さが望めなくなります。
 我が子の背が同年代の子供に比して低いと思ったら、すぐ受診されることを勧めます。
 食事や運動でもある程度伸ばすことができますが、詳しいことは12月15日(土)の市民病院健康教室でお話したいと思います。

市民病院  和田小児科主任部長

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質問45 自然気胸について
 友人が、肺に穴が開いて入院したと聞きましたが、どんな病気なのでしょうか。

 自然気胸という病気が考えられます。自然気胸は、肺表面の気腫性嚢胞と呼ばれる風船のような袋が破れて、肺がつぶれてしまう病気です。
 若くて痩せた背の高い男の人に多くみられますが、何が原因で気腫性嚢胞が生じるかは解っていません。
 症状は突然の胸痛や呼吸困難で、胸のX線写真やCTを撮ると肺がつぶれているのがわかります。肺のつぶれかたが少なければ安静のみで経過をみることもありますが、一般的には針を刺して注射器で抜いたり(脱気療法)、チューブを入れて器械で引っ張ったり(胸腔ドレナージ)して胸の中に漏れた空気を体の外に排除し、肺をふくらませます。それでも空気漏れが続いて肺がふくらまない場合には手術が必要になります。
 また、脱気療法や胸腔ドレナージでは気胸の原因である気腫性嚢胞に対する処置は行っていないので約半数の人に気胸の再発がみられることから、再発予防の目的で手術を行うこともあります。以前は大きく胸を開いて直接肺に開いている穴を縫ったり、気腫性嚢胞を切除したりしていましたが、最近では胸腔鏡と呼ばれる内視鏡手術器械を用いて手術することが多くなり、手術の傷も小さく、痛みも少なくてすむようになりました。
 良性疾患ですが、緊張性気胸や両側同時性気胸などの緊急を要する状態もあり、注意が必要です。

市民病院  辻本胸部・血管外科部長

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質問46 一過性脳虚血発作について
 高血圧で治療中ですが、3日前に急に右手が動かなくなり、30分で元どおりになりました。大きな病院で診てもらうようにといわれました。(72歳男性)

 高血圧、年齢、一時的な脱力からみて、一過性脳虚血発作が考えられます。
 これは大きな脳梗塞の前ぶれの発作の可能性があります。脳へ行く血管が硬化して細い所ができて、その場所に血の固まりを作り、それが飛んできて脳の血管につまると症状が出ます。この飛んできた血の固まりが小さいと症状は軽くて済みますが、つまった脳の箇所にいろいな症状が現れます。
 例えば、一時的な手足の麻痺、手足のしびれ、ろれつ困難、発語困難、視野の半分が見えなくなる、物が二重に見えるなどがあります。これらの症状の持続時間はそれほど長いものではなくて、24時間以内に完全に良くなるとされていますが、時間はまちまちです。
 放っておくと取り返しのつかないことが起こる可能性が高く、早めに大きな病院の脳神経外科または神経内科で検査をして、大事に至らないように治療する必要があります。

市民病院  根上神経内科部長

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質問47 前立腺高温度治療法について
 小便の勢いが悪く、また夜中に3回ぐらい小便に起きています。近くの病院で前立腺肥大症といわれ薬をもらっていますが、すっきりしません。何か良い治療方法はありませんか。
 なお、心筋梗塞の持病があり手術はしたくないのですが。(90歳男性)

 前立腺は膀胱のすぐ下にあり、この中を尿道が通っています。50歳を過ぎるぐらいから前立腺が大きくなって尿道を圧迫して尿が出にくくなったり、夜間の尿の回数が増えることがあります。これが前立腺肥大症という病気です。この病気は50歳以上の男性の約 1/3に起こるといわれています。
 治療方法としては・お薬を飲む・手術をする・前立腺高温度治療法という前立腺を暖める治療の3つの方法があります。
 基本的には前立腺肥大症の方全員にお薬を飲んでいただきます。しかし、これで効果が不十分な場合は、・または・の方法になります。治療効果としては手術が一番効果があります。
 前立腺高温度治療法は、薬と手術の中間といわれています。しかし、肉体的な負担は手術に比べると格段に少なく、医学的に手術が危険と考えられる方や手術を希望しない方には良い方法です。当院の泌尿器科でも前立腺高温度治療法を行なっていますので、お困りの方は一度ご相談ください。

市民病院  酒本泌尿器科部長

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質問48 肺癌・結核検診について
 先日、肺癌・結核検診を初めて受け、精密検査が必要と通知されました。心配でたまりません。(40代女性)

 肺癌検診は胸部のX線写真がスクリーニング検査として用いられ、重喫煙者に対しては喀痰細胞診が併用されます。 肺癌検診の場合、全体の2%前後の方が精密検査必要と判定されています。しかし、肺癌、活動性の肺結核と最終診断される例は、そのうちほんの一握りにすぎません。
 胸部X線写真は胸を二次元で見ているために骨や皮膚、胸膜肥厚など病的でないものまでが異常陰影として拾い上げられます。また、肺の中の陰影であっても炎症後の瘢痕であることも多いのです。
 勇気を出して精密検査を受けましょう。胸部CTスキャンを撮ることが推奨されます。
 また、検診は毎年受診していくことも重要です。早期の病気発見率が高くなるばかりではなく、以前のフィルムと比較することによって変化がなければ良性と判断できます。
 肺癌の予防はまず禁煙です。 二次予防としての検診の有効性は議論のあるところですが、最も最近の報告は、科学的にも肺癌死亡率の減少を実証しています。

市民病院  上村放射線科主任部長

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質問49 生理痛について
 普段から生理痛がひどくて困っています。授業中も大変で、特に試験の日に生理が来たらどうしようか悩んでいます。(中学3年生の女子)

 生理期間中に生じる下腹部痛や腰痛を月経困難症と呼んでいます。痛みの軽いものを加えると30〜50%の人が感じているとされています。しかしながら、痛みがひどくなると授業を受けたりすることや登校が困難になる人もいます。
 思春期の月経困難症のほとんどが子宮や卵巣に異常を認めない機能性月経困難症です。
 しかし、生理痛のひどい人の中には、子宮内膜症とか子宮筋腫といった病気が原因で痛みが起こっている人もいます。そういう場合は、早く病気を見つけて治療しないと病気が悪くなってしまうことがありますので、いずれにせよ早めに一度産婦人科(思春期外来)を受診することをお勧めします。
 産婦人科に行ったら、すぐ診察台で内診されると思ってしまうかもしれませんが、超音波検査や血液検査だけで、ある程度病気を見つけることができます。
 検査して病気が無かった時は鎮痛剤や漢方薬で症状の改善を図ります。また、ホルモン剤で試験の日に生理が来ないように生理期間をずらすこともできます。

市民病院  産婦人科

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質問50 子供の股関節痛について
 6歳、男児の母親ですが、子供が今朝から突然びっこをひいて歩けなくなりました。 右足の付け根が痛いようですが、どうしたのでしょうか。

 足の付け根が痛いということから股関節の症状と考えられます。幼児期に外傷がなく突然股関節痛を生じる疾患には、(1)単純性股関節炎、(2)ペルテス病、(3)化膿性股関節炎が考えられます。
 (1)単純性股関節炎は最も多く、原因はウイルス感染ともいわれ、風邪などの先行感染の後に股関節痛が生じる疾患です。重症の場合は歩行もできず、入院治療が必要になりますが、多くは1〜2週間の安静と牽引療法で軽快します。 検査所見はX線写真、血液検査では異常なく、MRI(核磁気共鳴断層撮影)で関節水腫をみることがあります。(2)ペルテス病は大腿骨頭骨端核(骨の成長部分)への血流が途絶し、骨壊死(骨の細胞が死ぬこと)を起こす病気、(3)化膿性股関節炎は化膿性細菌感染により発熱とともに股関節破壊を生じる病気で、いずれも頻度は少ないのですが長期治療を必要とします。
 これらを鑑別するためにも、お子様に股関節痛、歩行障害がみられた時には早急に整形外科にご相談ください。

市民病院  北野整形外科部長

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質問51 高血圧について
 定期健診にて高血圧と診断されました。降圧剤は生涯飲み続けなければならないと聞きましたが本当ですか。
また、どの程度から治療が必要なのでしょうか。

 我が国では成人の20%以上が高血圧です。高血圧は慢性に経過し、脳・心臓・腎臓などの重要臓器を障害するため死亡の大きな要因となっています。  血圧が最高140以上か、最低90以上の場合に高血圧と診断され、塩分制限・肥満の改善・適度な運動・規則正しい生活などの非薬物療法が最初に行われます。改善しない場合には降圧剤を考慮しますが、一般には最高160以上か、最低95以上の場合から降圧剤を内服します。ただし、高血圧以外の心血管病リスクファクターを有する場合には、140と90以上の時点で投薬します。 臨床において、治療により血圧が改善し、降圧剤を減量中止することは時々みられます。しかし、一般に年齢とともに血圧は上昇し、長期に服用するケースが多いことも事実です。「一生飲み続けるのは嫌だ」と最初から治療を拒否される方もいますが、心筋梗塞や脳卒中などの危険に身をさらすことになってしまいます。高血圧と診断されたならば、近医を受診してよく相談し、治療を行ってください。 また、日頃から非薬物療法を十分に心がけてください。

市民病院  酒井内科部長

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質問52 学校心臓検診について
 一年生の学校心臓検診で二次検査が必要といわれました。 心臓検診では、どのような理由で二次検査の必要性を決めているのでしょうか。

 学校心臓検診の目的は、(1)心臓に病気のある児童・生徒を発見し、正しく診断をつける。(2)重症度を判定し適切な管理区分を決め、治療が必要な例には治療を行う。 (3)適切な管理とフォローアップを行う。(4)学校において心臓疾患児を理解する。
 このようなことで、昭和48年度から正規の健診項目として全国で行われるようになっています。これを受けて高岡市では、小学一年・中学一年・高校一年の在籍者全員と小学四年の希望者に調査票(アンケート)、心音・心電図検査、校医診察が行われます。
 これらの一次スクリーニングでチェックされた異常の内容を心臓検診委員会で総合的に判断し、その結果を精密検査の必要な方として通知するわけです。要精査の理由としては、心雑音や不整脈、心電図異常が多いのですが、これらの中には突然死を起こしやすい、例えば突発性心筋症や川崎病による冠動脈病変、原発性肺高血圧症、QT延長症候群などが発見される例もあります。したがって、精密検査をするように通知された場合は、指定の医療機関を受診されるようにお勧めしています。

市民病院  辻小児科部長

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質問53 糖尿病による眼の合併症について
 糖尿病の治療をしていますが、失明の可能性もあると聞きました。心配でたまりません。

 糖尿病が原因で起こる眼の合併症として、糖尿病網膜症や白内障、緑内障などがあります。
 そのうち網膜症は最も気をつけなければならない合併症で、失明原因の第1位となっています。これは眼底にある網膜(カメラのフィルムに相当する)に出血や白斑が現れ、進行すると新生血管(病的な血管で破れやすい)が出現し、硝子体出血(眼の中全体に出血する)や牽引性網膜剥離(網膜が引っ張られ剥がれる)を起こして視力が低下してしまうものです。
 これを防ぐには、血糖のコントロールとともに定期的に眼底検査を受けることが大切です。眼底検査では瞳孔を目薬で開き、網膜の状態を詳細に観察します。この際、出血や白斑が無いか、あっても少数の場合は経過観察となりますが、進行している場合は眼底の造影検査を行い、レーザー光凝固治療が必要になります。このレーザー治療は早い時期であれば有効で、進行を止めることができます。
 それでも進行が止まらず硝子体出血を繰り返したり、牽引性網膜剥離が生じた場合は硝子体手術が必要になります。また、糖尿病黄斑症といって、網膜の中心部分にむくみが生じる場合にも硝子体手術を行うことがあります。
 以上のことから糖尿病と診断されたら、すぐに眼科を受診し、定期的な眼底検査を受けてください。早期発見・早期治療が失明を予防します。

市民病院  加藤眼科部長

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質問54 血尿について
 住民検診で血尿を指摘されました。どうしたらいいでしょうか。

 血尿とは尿中に赤血球が異常に増加した状態です。
 通常は尿を遠心し、顕微鏡で鏡検します。通常、400倍の強拡大で1視野に赤血球が5個以下ならば正常と考えます。血尿には目で見て、赤色ないし、茶褐色を呈する肉眼的血尿、鏡検でわかる顕微鏡的血尿があります。
 さて、これらの血尿を認めた場合にはどのような異常が考えられるのでしょうか。
 まず、病気ではないのに血尿となる場合には、採尿後時間がたった尿、生理中、脱水、過度の運動等の場合があります。つぎに血尿を来たす疾患としては、泌尿器科領域では腫瘍、結石、感染症、嚢胞性腎疾患、外傷、血管異常、奇形、腎下垂があり、他には慢性腎炎、内科疾患による出血、凝固異常があります。
 また、ワーファリン、アスピリン等の薬物は出血、凝固に影響して血尿を起こすことがあります。このうち中高年以降の方では腎癌、膀胱癌、尿管腫瘍等の腫瘍性疾患を見落とさないことが最も重要と思われます。これらの疾患を診断するために病院では、問診、尿検査、血液検査、腹部超音波検査、腹部CT、造影剤を使ったレントゲン検査等を行います。また、慢性腎炎が疑われる場合は、入院して腎生検を行うこともあります。 とにかく血尿があったら、なるべく早く泌尿器科または内科を受診することが一番大切です。

市民病院  平田内科主任部長

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質問55 爪の水虫について
 毎年夏になると足にかゆい水虫ができ、薬局で購入した塗り薬で良くなります。
 今年も落ち着きましたが、爪の一部が厚くなり白く濁ってきました。爪にも水虫があると聞きましたが、大丈夫でしょうか。水虫って治るのですか?(32歳OL)

 足や手の皮膚に、白癬菌というカビ(真菌)の一種が住みついた状態を水虫といいます。非常にかゆく、ジュクジュクや水ぶくれ、カサカサになりますが、かゆくなく何年も気がつかないこともあります。
 よく似た症状は、かぶれなどでも生じますので、最寄の皮膚科で白癬菌を検出した上で治療を開始してください。
 治療は抗真菌剤でカビを全滅させることです。症状の有る部分だけでなく、その周りにもカビはいますので外用剤は広めに毎日塗ってください。
 症状はだんだんと無くなりますが、見た目に良さそうでもまだカビはいます。この時点で治療を止めるとカビは生き残り、来年の高温多湿な夏に再発します。さらに一ヶ月以上は塗る必要がありますので、あなたも不十分だと感じたら再開してください。
 中途半端な治療が続くとカビは勢力を広げます。足や手以外に出たとき俗にタムシといいます。
 また、爪に入ると外用剤だけでは困難で、飲み薬が数ヶ月は必要となります。あなたの爪も水虫かもしれません。 飲み薬には当然副作用もありますので、皮膚科での診察を受けながら注意して飲むということになります。もちろん妊娠中やその可能性のある方は飲んではいけません。
 ほとんどの水虫は治ります。水虫を疑ったら最寄の皮膚科を受診し、しっかりと治療を行ってみてください。

市民病院  服部皮膚科部長

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質問56 エキスパンダー法とは?
 小さい頃、囲炉裏に落ちて腕に火傷を負いました。半袖の季節になると大きな傷跡が目立ち、孫が「おばあちゃんの腕どうしたの?」と尋ねます。きれいに出来ませんか。(57歳女性)

 火傷(熱傷)や手術の傷跡で引きつれ(拘縮)を伴う場合は、保険診療で治療が出来ます。主に手術で治療し、具体的な手術法は(1)傷跡を切除して縫い縮める(2)植皮術(3)エキスパンダー法などで、部位や大きさによって適した方法を選択します。
 エキスパンダー法というのは、約15年前に開発された比較的新しい方法です。
 まず初回の手術で、傷跡の隣のきれいな皮膚の下にシリコン製の風船(エキスパンダー)を挿入します。 最初はしぼんでいますが、2〜3か月かけて徐々に風船を膨らまして、皮膚を十分伸ばします。(妊娠中の女性のお腹を想像してください)
 2回目の手術では、その風船を取り出すと同時に傷跡を切除して、伸ばした皮膚で覆います。長い線状の縫い傷が残りますが、場合によっては、かなり広い面積の傷跡でも取ることが出来ます。頭の傷跡の場合、毛髪が有る部分の皮膚を伸ばして、禿げた部分を修復することも可能ですし、生まれつきの大きな黒あざの治療等にも効果的です。
 エキスパンダー法による治療では、2回の入院による手術と定期的な通院が必要です。

市民病院  形成外科

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質問57 肝炎について
 住民健康診断を受けた際、C型肝炎の疑いがあると言われたのですが、どうすればよいでしょうか。

 本年より基本健康診査の際、希望者には肝炎ウィルス検診が行われるようになり、B型・C型肝炎のウィルスの検査がされるようになりました。あなたの場合は、その時の検査でC型肝炎の抗体が陽性であったと考えられます。抗体が陽性でも肝炎を起こしていない場合もあります。
 しかしながら、一般にC型肝炎は慢性肝炎になりやすく、徐々に進行し、知らず知らずのうちに肝臓が線維化(硬くなり)し、慢性肝炎から肝硬変に進行していることがあります。場合によっては、肝癌を併発していることもありえます。肝臓は沈黙の臓器といわれ、かなり進行しないと自覚症状が出ないため、放置しないで現在の肝臓の状態を調べておく必要があります。
 早期に診断し、適切な治療を行うことにより、ウィルスを無くしたり、あるいは無くせないにせよ、肝硬変・肝癌への進行を遅らせることもできますので、早めに専門医に受診することをお勧めします。

市民病院  伊藤胃腸科部長

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質問58 滲出性中耳炎と急性中耳炎の違いについて
 子供が滲出性中耳炎と診断されました。急性中耳炎とどう違うのですか。

 急性中耳炎は急に発症する激しい耳痛や耳漏を伴う疾患で、多くは風邪(急性の上気道炎)に合併して発症します。耳の中に細菌が侵入するルートとしては、鼓膜に穴がない限り鼓膜の外から侵入することはなく、鼻の奥から耳管という細い管を通って鼓膜の内側の中耳腔内に侵入して炎症を起こします。
 一方、滲出性中耳炎はその中耳腔内に滲出液が貯まる病気です。急性中耳炎の後に感染に伴う変化が残ると、中耳腔内の粘膜から滲出液が継続して分泌され、中耳腔内に貯まって滲出性中耳炎に移行していきます。
即ち、滲出性中耳炎とは急性中耳炎の治り損ないがそのまま継続した病気といえます。 滲出性中耳炎では難聴が起きますが、子供が小さいと自覚症状を訴えないことが多く、放置すると言葉の覚えに影響し、学習が遅れたり性格が消極的になってしまうこともあります。また小児副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大、鼻すすりの癖などがあると繰り返すようになります。一般に多くは自然に治る傾向がありますが、稀に癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎といったより重篤な中耳炎に変化することがあり、手術が必要になってくることさえあります。したがってこのようなことから滲出性中耳炎と診断されたら必ず十分な治療を受けさせる必要があると思われます。

市民病院  寺西耳鼻咽喉科医長

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質問59 帯状疱疹後の痛みについて
 皮膚に痛みを伴う赤いぶつぶつ(発疹)がまとまって出き、帯状疱疹といわれました。 皮膚はかさぶたが取れて治ったのですが、その後もひりひり、ちくちくとした嫌な痛みが続いております。治療法はありますか。(71歳女性)

 あなたの病気は帯状疱疹後の神経痛です。若い人の場合は発疹が治癒すれば殆んど痛みも残りませんが、高年齢者ほど神経痛が残りやすく、人によっては10年あるいは一生痛みが残る人もいます。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹(水ぼうそう)ウィルスが、脊髄の後根神経節というところに潜んでおり、疲れがたまったり体の抵抗力が落ちたりしたときに活動を開始し、発疹や痛みが出現します。
 現在のところ、帯状疱疹後の神経痛に対する完全に効果的な治療法はありません。
 しかし、いくつか有効といわれる治療法があります。
帯状疱疹後の神経痛に対しては、鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬などのお薬、神経ブロック、理学療法などによる治療を行います。ペインクリニック、疼痛外来、麻酔科など痛みの治療を行っている病院に相談してください。
 できれば前医の紹介状を持参されると良いでしょう。これらの治療で楽になることも多いのですが、神経痛が気にならない程度に軽快するまでには時間がかかります。医師と相談しながら早期にきちんとした治療を受けてください。

市民病院  遠山麻酔科主任部長

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質問60 心室細動について
 高円宮さまが突然「心室細動」のために急逝されました。 日頃、健康を自負している私にも起こりうる病気でしょうか。(50歳男性)

 心室細動は、心臓の心室の筋肉が細かく震え、体に血液が循環しなくなる不整脈の一種で、突然死の原因となる病気です。
 この病気は、心筋に栄養や酸素を送っている冠動脈が詰まってしまう心筋梗塞という病気や心臓が肥大することによって心臓が充分に拡張できなくなる肥大型心筋症、心臓が拡張してしまい収縮できなくなる拡張型心筋症などが原因で起こります。
 また、これとは別に心臓にみかけ上異常がないのに突然心室細動を起こすことがあり、これを突発性心室細動と呼んでいます。最近、突発性心室細動の中にある種の特徴をもった一群が発見されました。 発見した人の名前をとって、ブルガーダ症候群と呼んでいます。ブルガーダ症候群の患者さんは、安静にしているときでも心電図に共通した異常が現れるので、発作が起こる前にこの病気を持っている可能性を予想できることがあります。発作は夜中から早朝に起こりやすく、朝冷たくなって発見されることもあるという恐ろしい病気ですが、なかには運良く失神だけで済む人もいます。遺伝する可能性もあるといわれているので、血縁者が若くして突然死をしている人は、この病気が隠れているかもしれません。また、発作を起こすのが中高年の男性に多いこともこの病気の特徴です。
 まずは、自分は健康だと思っていても中年になったら定期的に心電図をとるなど入念な健康診断が必要です。

市民病院  内科

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質問61 クラミジアについて
 今、付き合っている彼氏がクラミジアにかかっていると言われたのですが、どうしたら良いでしょうか。(20歳女性)

 同じような質問がいくつか来ています。クラミジアは通常セックスによって移る病気で、性行為感染症(STD)と呼ばれます。
 女性では、子宮頸管炎や付属器炎の原因菌となります。 その他、母体産道から感染により新生児に結膜炎や間質性肺炎を引き起こすことがあります。子宮頸管に感染しても無症状のことが多く、このためかなり蔓延していると考えられています。気づかないうちに併害を引き起こすことがあります。時に、膿性帯下(おりもの)が増えたり、少量の不正性器出血を起こすことがあります。無症状のうちに、さらに広がって子宮内膜炎や付属器炎、あるいは骨盤腹膜などを引き起こし、急激な腹痛をきたすことがあります。そのような場合には、緊急手術が必要となることもあります。また、気づかないうちに卵管が詰まって不妊の原因となることもあります。
 あなたは特に症状が無いということですが、無症状で経過することも多いので、ぜひ検査を受けてください。
検査は内診が必要ですが、痛みも無く簡単にできます。 結果もすぐに出るものから、ちょっと時間がかかるものまで様々です。治療もクラミジアに感受性の有る抗生剤を2週間内服すれば、ほとんど陰性化します。
 妊婦さんには、産婦人科において、妊娠中期に一度検査することをお勧めしており、ほとんどの方が受けておられます。

市民病院  加藤産婦人科主任部長

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質問62 骨粗鬆症による腰背部痛について
 最近、身長が低くなり背中が丸くなりました。それに伴い、背中から腰にかけて鈍い痛みを感ずることがあります。検診で踵の骨を検査してもらい、骨が減っていると言われました。どのように検査や治療を受ければよいのでしょうか。(65歳女性)

 まず腰背部痛の原因を決定するために整形外科専門医による問診、診察、検査などを受ける必要があります。診断は痛みの部位、性状、誘因などから概ね推定できます。骨粗鬆症によって背骨がゆっくり潰れる際、鈍い痛みを感ずることがあります。
 骨粗鬆症は日本骨代謝学会の基準では、背骨やその他の骨折の有無と腰椎の骨密度で診断します。骨折が新しいか古いかに関わらず背骨などの骨折がある場合は、若年成人の80%以下、骨折が無い場合は70%以下であれば骨粗鬆症と診断します。最近、保険がきくようになった尿中骨代謝マーカーというものを検査し、骨の状態を判断できます。
 骨粗鬆症であれば骨代謝マーカーの値に応じて、ビタミンDや骨吸収抑制剤(骨が溶けることを抑制する薬)、その他の注射薬などで治療します。まだ骨減少症であれば食事療法、薬物療法などを行います。腰椎骨密度を定期的に測定して、薬剤などの治療効果をみることができます。踵の超音波検査と腰椎骨密度検査とは質的に異なりますが、骨量の目安にはなるでしょう。
 いずれにしても専門医に相談されることをお勧めします。

市民病院  松井整形外科主任部長

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